2013年7月17日 (水)

湯のある風景~青森、春遠からじ~ その5 「憧れの不老不死温泉」

黒石市を抜けて、一気に西へ走る。

つがる市を抜け、いよいよ海岸線に出る。

鰺ヶ沢。すっかり忘れていたのだけれど、ここってもしかして...

あ、やっぱり...いた!

菊谷焼いか商店の看板犬。映画スター!

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元祖ブサイク犬、わさおくんだ。

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わさおと私...

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きくやさん、何も買わずにすみませんでした。

海岸線を西にさらに走る。

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千畳敷海岸。同じ名前の海岸って、全国に結構ありますよね...

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ライオン岩。これも全国にたくさんありますよね...

男鹿半島のゴジラ岩が一番インパクトあったな。そういえば。

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道の駅で魚を売っていて、ついつい魚売り場で足が止まる。

立派なメバル。うまそう...

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お昼は度重なる”食べ過ぎ”を反省し、今後に備えて、道の駅のお弁当で済ます。

ここで、焼き干しを購入。このあたりの出汁といえば焼き干しだ。

出汁に凝っているので、こういうのは見逃せない。

さらにこのあと、このたびでは昆布も買っていたりする。うむ、出汁は基本だし、料理はだから面白い。

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円覚寺という立派なお寺があったので、ちょっと見学。

ここは深浦。太宰治のゆかりの地のようだ。

時折海に触れながら、先を急ぐ。

そして、とうとう来た。

温泉好きなら一度は...と思うであろう、憧れの地...いや、湯。

黄金崎不老不死温泉。

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ちょっと見えにくいが、露天風呂は写真ほぼ中央の先端だ。

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こんな感じ。

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実は、写真撮影禁止、と書いてあることに気づいたのだけれど、ちょうど誰もいない(幸福な)時間帯があったので、ちょっとセルフタイマーで撮影してみる(すみません...)。

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誰しも、ここで夕日を眺めながら時を過ごすことに憧れるのだけれど、そう簡単にはことは運ばない。

旅行晴れ男の僕といえど、そこまではさすがに叶わなかった。

ただ、雲の切れたとき、傾いた太陽の日差しが海を金色に染めて、黄金、というより黄土色のお湯もやはりきらきらと金色に輝く。

少し荒れた海。波濤。音、飛沫。

時間を忘れる時間。

こういう時間を求めてるのかもな。

あの、支笏湖もそうだった。ただ、お湯に浸かり、時間がゆっくりと流れ、空が闇に染まる。

闇に染まった空には星が輝く。あの支笏湖の一人きりの温泉。

さて、どんどん、天候が荒れてきて、質素な脱衣スペースに置かれたゆかたやタオルが時折飛ばされている。

さすがに落ち着かなくなってきたし、もう太陽も水平線の向こうに落ちているはず(雲で見えない)だ。

そろそろ上がろうか。

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エビは食べれないので、まぁともかくとして、料理は(写真写り悪いが)、それなりにきっちりとしたもので、なかなか美味しい。

普段よく行っている小規模な宿と違って、この不老不死温泉は結構大きな宿だから、過度な期待は禁物だけれど、十分満足できるものだった。

施設も古びてきてはいるけれど、カメムシもいないし、清潔に保ってある。

総じて好印象。

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窓からの景色も素晴らしいしね。

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あ~、楽しかった。

2013年7月16日 (火)

湯のある風景~青森、春遠からじ~ その4 「奥入瀬とランプの宿」

山を越えて下り...つまり十和田湖川にはいると、途端に雪がなくなってきた。

奥入瀬渓流に入る。

とりあえず、圧倒的な雪と、もし路面に積雪していたらどうしよう...という恐怖感を乗り越えた疲れもあり、昼食を取ることにする。

ちょっと雰囲気変えて、星野リゾートの奥入瀬渓流ホテルに車を寄せる。

ラウンジでランチだ。

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なかなか...絶景。もっとも新緑も紅葉もない葉を落とした閑散とした風景ではあるが、それはそれ。葉を茂らせるだけが木ではなく、美しさにもいろいろある。

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こんなカレーライスをいただいた。結構うまい。さすが星野リゾート。

要所要所で車を停めながら、奥入瀬渓流を巡る。

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水を見れば魚を想う。

釣り師とはそういうもので、渓相を見つめ、ここならどこがポイントか?

竿を握る自分を夢想する。もう少しいいシーズンに、ここでフライを振ってみたいな...とか、あの流れ、あの澱みだな、とか...

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丸太橋を見れば、渡りたくなる...うむ、少年だ...

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変化にとんだ渓の風景に、心惹かれる。

雪解けの豊かな流れ。

さて、言葉のいらない風景を眺めて、十和田湖に着く。

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で、ふと...そういえば、今夜の宿に確認の電話していなかったな~と思い出す。

ちょっと不安もよぎって、電話してみると...

「え?ちょっとお待ちください...」

この、宿での電話で、「え?」というのは止めてほしい。こっちが「え?」と不安になるから。

大概の場合は、「あ、田中様、お待ち申しております。」などと続くのだけれど、

よぎった不安は現実に...「いえ、田中様のご予約は...え~っと田中〇〇さまですよね?」

・・・沈黙・・・

予約をした僕は立つ瀬なし...

あれ????

Jの視線が心なしか冷たいような...

今回の旅行。何せ、5泊だ。しかも予約はそれなりに余裕をもってやっている。

しかもしかも、僕は出張やらなんやらで宿の予約はたくさんしていて、宿の予約、ということに、まったく緊張感がなくなっていて、言い換えると注意力を失っている。旅行ボケかもしれない。

いろいろ考えるに、今回の旅程では、この近辺に2か所宿を抑えていて、どうにも、日にちと取った宿の関連性が頭の中でごちゃごちゃになっていたようだ。

もう一か所の宿に電話すると、そっちでとれてた...あ~焦った...

が、しかし!どうにも、十和田湖からその宿の方向に向かうルートが通行止めになっている様子。

う~む...

仕方なく、来た道を途中まで引き返し、山越えで宿を目指す。

あの雪を見ているから、さらに山、という雰囲気のところに入りたくはないのだが。

で...

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あまりの雪に、なんとなくいい加減にしろ!と、雪を殴る、の図。

しかも、花粉症気味でマスクをして、サングラスかけてるから、なんだかあやしい...

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十和田湖遠景。

そして、いよいよ温泉連泊一泊目(前日のビジネスホテルの温泉はノーカウント)。

ランプの宿 青荷温泉だ。

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・・・が...

正直、玄関を入ってちょっと「う~む」と思い、当てられた離れの建物、部屋をみて、さらに「う~む」と悩む。

あちこち、カメムシだらけ。季節がら仕方ないが、いろいろ隙間だらけなので、入ってきてもまったく不思議がない。

カメムシ。つまり臭い。踏んづけたりしたら最悪だ。

温泉旅館好き、温泉好きなのだが、鄙びた風情も好きなのだが、今回の旅で、案外僕はワイルドではないな、と実感した。

あまりに粗末すぎて落ち着かない。

写真にとると、雰囲気は悪くないのだが...

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しかし、さぶい...ゆかたで移動するような気温ではないが、お風呂に行くにも外に出ないといけない。

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夕食は、まぁなんというか...ボリューム感とか、高級感とか、そういうものは求めてないのだけれど、冷えた天ぷらとか、ちょっとなぁ、という感じ。

宿の店主の面白いトーク。また真っ暗でランプを頼りにした食事も、趣向としては...いや、僕なんかより旅慣れた人には面白いのかも知れないけれど、とにかく落ち着かない。

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この宿には、電気がない。

いや、正確にはところどころに自家発電の電気は来ているのだけれど、客向けには一切電気の供給がない。

つまり、ドライヤーなどもあるわけがない。

ちなみに、僕は髪の毛に結構癖があるので、ドライヤーは欲しい派なのだ。

この宿の教訓として、帰ってから旅行用のドライヤーをAmazonで買ってしまった。


はたして、この宿にリピートしたい、と思うような日が来るのか???

確かに一定のリピーターはおられるようなので、もっと歳とったら?う~む...

今回はとりあえずいい経験をした、というくらいしか考えられないな。

ちなみに、温泉自体はそう悪くはなかったのだが、シャンプーすら置いていなくて、これにはちょっと「おいおい...」という感じだった。

やっぱり、もう来ないだろうな。ここには。

好みの問題だが、ここは僕の好みではない。

そして、僕たちは海を目指す...


2013年7月11日 (木)

湯のある風景~青森、春遠からじ~ その3 「雪」

4月29日。

広島だと、春といっても、もう初夏を待とうか?という時期だろうか。

花粉症のピークも過ぎるころだ。

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それが、これだ。雪原だ。

この雪の上に上がるには、1m以上の雪の壁の上に登らなければいけない。

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どこに向かっているか?

とりあえずは八甲田の中腹を抜け、どう考えても新緑など出ているはずはないな、と今更思いつつ奥入瀬を目指している。

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ん??雪の壁...

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有名な酸ケ湯温泉。今回ここには泊まらない。立ち寄り湯でも...と思ったが、あまりに有名どころなので、車を停めるところがないほど混雑している。

こういうのは萎えるので、無視して先へ。

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わー...

こういう風景、テレビの中だけじゃなかったんだな...





湯のある風景~青森、春遠からじ~ その2

桜はどこぞ...という弘前城。

プラプラと歩いていると、桜まつりの期間中だろうか。屋台が並んでいる。

こういうのは、やっぱりいいね。子供のころを思い出すからか、こころがふわふわする。

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こんな飴細工は、子供のころの縁日の屋台は、土曜夜店にはなかったよな~

僕の郷の尾道では、今はどうか知らないけれど、子供のころ、東西に長いアーケードの商店街の端から端まで、夜店が並んでいた。夏、毎週土曜。

土曜夜店。

嬉しかったな。

弘前城からホテルへの帰り道、寄り道しながら歩く。

弘前にはこだわりのコーヒー店も多いようで、一つに入ってみる。

カウンターに座り、モカのストレートを頼む。

マスターがコーヒーを入れる姿が...実にかっこいい。

家では手挽きミル+ペーパードリップでコーヒーを淹れているのだけれど、今一つ、納得のいくレベルで淹れることができていないのだけれど、これは実に参考になる。

思わず、こっそりiphoneで動画を撮ってしまった。なるほど、こんな感じか。

コーヒーは雰囲気も飲めるものだから、淹れる、という作業にもかっこつけたいものだね。

一度ホテルに帰って、初日はちょっといいレストラン、ということで、ジャケット羽織ってホテルを出る。

しかしこれが寒い。何せジャケットは夏物だから...

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オステリア エノテカ ダ サスイーノ。

食べログで4点以上を付けるイタリアンのお店だ。

弘前はフレンチやイタリアンの店がしのぎを削っている、食道楽にはなかなか魅力的な街のようで、このお店はJが見つけて、あらかじめ予約してあったものだ。

料理の写真を撮るには、フラッシュをたかないと難しかったのでやめた。

なので、時間が経ってしまって覚えていないのだけれど、でも、美味かった。

何の参考にもならんなぁ。

間違いなくよい店なので、興味のある人は、まぁ食べログ見ればいいかもね。ただし、安くはない。二人で22,210円。僕がほとんど飲まないのに、ね。

イタリアンを堪能して、ホテルに戻る。

ドーミーイン弘前にも一応温泉があるので、まぁ明日以降の本格的な温泉に比べたら普通のお風呂なんだけど、足が延ばせるのは気持ちいい。

お湯につかって身体を温め、翌日からのロードに備えるのであった...

2013年6月24日 (月)

湯のある風景~青森、春遠からじ~ その1

2013年のゴールデンウィーク。

独り身で迎える最初の連休。

こういうことを言うと怒られそうだけれど、独り、というのは、何をしても一人分のお金しかかからないわけで、そういう意味でも自由なのかも知れない。

さて、この連休はJと青森5泊の予定を立てた。

ともかく、東京へ。

東京に住んでいる人はあまり感じないだろうけれど、田舎から田舎へ行くのは、実際の距離以上に大変だ。

広島からの飛行機は、ANAだと、東京、沖縄、札幌にしか国内線は飛んでいない。

そうなると、たとえば、広島から鹿児島の方が、東京から鹿児島より圧倒的に距離は近いのだけれど、広島からは地べたを這っていくしかないため、東京から飛行機で移動した方が早い。

もっと顕著なのが、広島の隣県である島根、そして鳥取などの中国地方の山陰側。

ここは広島から直接鉄道も走っておらず、車で行くか、岡山回りで列車で行くしかない。

高速バスで3時間ほど。東京から飛行機の方が圧倒的に早い。

交通機関の発達とともに、なんだか距離感...時間感と言った方がいいのかな?

ちょっとおかしくなってきそうだ。

ということで、地図上でさえ遠い青森は、相当遠いのである。

以前、秋田のきしさんと竿を並べるため、秋田に行ったのだが、これはやはり遠かった。

ちなみに、最初は札幌から秋田へ。2度目は...えっとどこだっけ??福島あたりから秋田へ行った。意味が分からないくらい遠かった。

きっと、東北の人は広島と熊本が近い、と思っているかも知れない。

遠い。本当は遠い。

だから、札幌と秋田は普通に遠いのだ。福島から新幹線でいくと、気が遠くなるくらい遠いのだ。

なので、3回目は素直に羽田から行ったら、案外近かった。

つまり、少々くどいけれど、田舎から田舎は遠く、都会からは何処も、そう、海外だって近いのだ。

ちょっとだけうらやましい。

そんなわけで東京に一泊して、Jと連れ立って青森へ...と、思うでしょ?

実はそうではなくて、飛んだ先は秋田。大館能代空港だ。

秋田って、空港が二つもあるんだな~、と経路を考えていて今更驚いた。

大館能代空港でレンタカーを借りる。久しぶりにニッポンレンタカー。

最近、格安レンタカーばかり借りていたので、普通のレンタカーに感動する。

おお、ちゃんとナビついてる!ウォークマン差し込むジャックがある!

で、また脱線するけれど、僕はウォークマン派だ。ipodは持ってない。いや、iphoneは使っているのだけれど、ここにはほとんど音楽は入れていない。

僕らが中学生のころかな?カセットテープのケースと同じようなサイズのカセットプレーヤー、ウォークマンが登場。若者の心鷲掴み。一世を風靡した。

その世代。ウォークマン欲しくてもなかなか買ってもらえなかった。

つまり、憧れの対象でもあったんだ。

いま、ようやく欲しければ買えるような立場になって、新参者のipodなど使えるか!という殆ど根拠もないような...しかしそんな強い根拠でウォークマンを買い続けている。

今手元にあるもので3台目かな。NW-S764というタイプ。Sシリーズ。あのスマホみたいな形した奴じゃなくて小さいやつね。

だいたい、コンパクトであることに意味があるのに、あんなスマホ並に大きいウォークマンって、意味がないだろう?と言いたくなる。まぁ使い方次第なんだろうけれど。

で、僕のウォークマンは、7割方、「さだまさし」が入っていて、今なお増殖中だ。

このあたりの話はまた追々。

青森、といえば、名曲「津軽」。

♪滔々と吹く風に雪煙、土蜘蛛のごとくうずくまる林檎の木♪

さすがに雪の季節ではない(...いやいや...後で思い知らされるのだが...)のだけれど、葉も身も落とした林檎の木は、まさに土蜘蛛のようだ。さすが、さださん。

さて、今日も無駄話ばかり書いて、話が先に進まない。誰が読むのか知らないし、釣りの話題でもないし、以前のように「いつも海をみていた」の常連の皆さんもほとんどいない訳だから、こんなグダグダとした長文に付き合ってくれる人は少ないはず。

まぁいいや。こんな文章、書くの好きだし。

レンタカーは、ホンダのFit。コンパクトカーといっても、最近は車内も広いし、よく走る。

一路、今度こそ青森へ向かう。

何故、青森なのに秋田の空港に降りたか、というと、地図を見てもらえばわかるのだけれど、大館能代空港から弘前に行く方が、青森空港から弘前に行くより近そうだし、新幹線で東京から行く、というのは、すでに広島から東京まで来ている僕としてはとても辛いので、そんな選択肢を選んだわけだ。

で、何故弘前か?

これは言わずと知れた弘前城の桜だ。Jが特に主張した弘前の桜。さてさて...

車を走らせる。近いといっても70~80kmはあるので、そこそこ走る。

徐々に車が増えてきて、弘前市街へ入ってきたことが感じられる。大きな街だな。

しかし...道路わきの街路樹として植えられている桜。ほとんど咲いていないような...

寒いからなぁ...

この日は唯一温泉宿はとっていない。

とはいえ、温泉のついたドーミーイン弘前が今夜の宿。このドーミーインは何処も綺麗だし、一応温泉とのことらしい大浴場もあって、なかなか気に入っているホテルだ。

まだチェックインタイムではないが、車を置かせてもらえないか交渉。

許可をもらって、とりあえず遅めの昼食を取りに出かける。

ホテルから歩いてすぐの「高砂」。食べログ3.5でなかなか好評価のようだ。

蕎麦好きの僕としてはホテル近くでありがたい。

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小一時間待って、ようやく席に案内される。

蕎麦、という料理であることを考えると、創造を超えるくらい...要領が悪すぎるんじゃないか、と思うくらい待たされるので、ここを訪れる方は気を長く持ってもらった方がいいだろう。

蕎麦は...確かに美味しい。そばつゆが、東北特有の塩辛さはなく、かといって甘すぎず、柔らかい風味で出汁もよく生きている。蕎麦も適度なコシがあってなかなか。

感動的、というほどではないけれど、味の面では行って損のないお店だった。

もう一つ驚いたのは、トイレ。

馬鹿みたいに...失礼...無意味なほど...同じか...広い。思わず写真撮ってしまったが、その広さが伝わらないのでここには載せない。

この店に行かれた方は、是非トイレを使ってみてもらいたいな。

蕎麦を食べたあと、ダウンを着こんでもまだ寒いと思いつつ、弘前城へ歩く。

う~ん...

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・・・見事に咲いてない。

でも、ほら。

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ちゃんと咲いているところもあるでしょ。満開で...

ははは...よく見ると僕の頭の上に線が入っている。あれは電線ではなくて継ぎ目ね。

桜が咲いてない時に来た人への救済策として、大きな満開の桜の写真パネルが置いてあるのでした...気が利いていると、これは言うべきなのだろうか??

手にコーンのみ残っているが、これはこのあたりで名物のアイス。昔、尾道の夜店で売っていたようなちょっとシャリシャリ感のある、あれだ。寒くて寒くて...といいながら、思わず買ってしまった。

さて、長くなったので、今日はこのあたりで...続きはまた気が向いたときに...

ちなみに、このあとは弘前フレンチへ。そして翌日の温泉三昧と、中盤以降の恐怖の出来事などに続いていくわけだけれど...いつになるやら...

2013年6月 9日 (日)

大島の海

ふと...顔が見たくなった。

金曜の夜、ちょうど来客対応で簡単な接待のようなことを平和大通り沿いの店でやっていたとき。

店の窓。眼下には「とうかさん」初日人でが流れ、夜店が活気を添えている。

長いこと広島にいるけれど、人込みが嫌いな僕は、この広島三大祭りのひとつ、ゆかた祭りともいわれるとうかさんに行ったことがなかった。特に狙ったわけではないが、接待客と一緒に少しだけ混雑した夜店の間を抜けた。

華やかなゆかたの女性?ああ、咲き始めの紫陽花かな?雰囲気は。

雨が降らなくてよかったね。

そんなお店の中から、友波さんにメールする。

この土日、何してる?

・・・・・

そんなわけで、日曜の6時半過ぎのJRに乗って、大畠を目指す。

しかし、JRも田舎には金を掛けない、ということが徹底されていて、南岩国から西はICOCAが使えないらしい。

しかししかし、そのことは乗車駅には表示されていない。金使わないなら、それくらいきちんと表示しとけよな...

さて、西方面はいろいろあって...というより、まぁもともと住んでいた家がある方向なので、あまり行かないようにしていたこともあって、なんとなく懐かしい感じすらし始めている海を見ながら列車は西へ進む。

JR大畠駅。大島大橋のすぐ西側にある、周防大島最寄り駅だ。

改札を抜けると、もう友さんが来てくれていた。

「久しぶり!」

どれくらいあってないだろう??確か、一昨年の年末ころに会ってるかな?

本人曰くそうでもないらしいが、でも、元気そうでよかった。

友さんの車に乗り込み、大島大橋を渡る。何度もいうけれど久しぶり。

数年前まではほぼ毎週渡っていた橋だからね。

漁港につく。海晴丸へ乗り込む。またいうけれど、これは本当に久しぶりで懐かしい。

海の傍に住んで、魚を食べたいと思ったら、旬の魚を自分の船でちょっと釣りに行く。

本人はそれほど優雅には思っていないと思うけれど、これは客観的に見れば、とてもうらやましいし、釣り師なら憧れる情景だよね。

しばらく釣りにいっていないと、リズムがおかしくなっている。

当たり前に確認するはずの天気予報も見ていなくて、レインウェアも持ってきていない。

出船してまもなく、ポツリポツリと雨が降り始め、結局船の上にいる間はほとんど小雨交じりの天気だった。

風がなかったので寒くはなかったけど...まぁ日にあぶられるより体力も使わなかったし、よかったのかもね。

友さんと、船のエンジン音にときおり声を大きくしながら、ポツリポツリと近況を報告しあう。

けれど、なんだか友さんと周防大島の海の上に浮かんで糸を垂らしていると、そんなこととりあえず今日はどうでもいいや、という気になってくるから不思議だ。

さて、狙いはアジ。

チヌオンリーでひたすら釣っていた昔から考えると、まぁちょっと毛色は違うが...なんだかこういう肩ひじ張らない、構えない釣りをしたいと思っていたので、ちょうどいい。

周防大島のアジ釣りは、広島のそれのように底かごにアミエビを詰めたりしない。

自然のまま、潮に流した船がアジロを通り、群れているアジをサビキで反射食いさせるだけ。

以前、広島の船がこの守られている海に土足で入り込んでアミエビをまき散らしている、という話を聞いた。

郷に入れば郷に従え。守られてきた海を、よそ者が気軽に汚しちゃあいけない。

100尾、200尾と小あじを釣ってどうする?いらんでしょう。そんなに。

釣れる魚を食べるだけいただく。なんという気持ちのいい釣りだろう。

やさしい大島の海。ディーゼルエンジンの音。心地いい。

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・・・で、食い気のないアジ(笑)

しかし、さすがに友さん。同じように瀬の潮上から仕掛けが入っているはずなのに、僕のサビキには反応しないアジが、友さんのサビキには食いつく。

やっぱり経験、腕だなぁ。

それでもポツリポツリとアジ、そしてメバルが遊んでくれる。

気負わない釣りは、それでも3時間ほどは海の上にいたのかな...潮とイケスの魚の数を見て、「もういいね」、と帰路につく。ちょっと操船させてもらう。

実は昔、四級小型船舶と言っていたころに僕も免状をとったことがある。

ただ、使う機会がないので更新せず、失効しているんだけど。

ちなみに、まったく経験ないので、まったくの素人だけど。

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ほんとうにフカセやってたらリリースする小鯵なんだけど、実は美味しいんだよね。

ただ、持って帰っても食べるのは僕一人なので、ちょっといいサイズのメバル1尾と、アジを5尾もらう。

ふぅ...面白かった。

やっぱり海はいいな~

今日は竿も借りて、クーラーは前夜に釣具屋で7Lの小さなクーラーを買って持っていく..フローティングベストはファスナーがほぼすべて塩噛みしてポケットがあかない、という状態ではあったけど、まぁそんな感じでとりあえずはいいかな。

引き続き車がないとかいろいろ障壁あるけれど、そのうち、磯竿もって周防大島に行こう。

また友さんにも海の上に連れて行ってもらおう。

周防大島の海はほっとする。

メバルは塩焼きがいいよ、と友さんに勧められたので、それはそのまま実行した。

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で、フライパンで焼くしかないのでフライパンで丁寧にやいて、綺麗に焼けた、と思ったら、さらに移すときに落として、崩壊した...

アジは3尾をおろしてタタキに。

今日はしっかり時間もあったので、しっかり出汁をとって、大根と鶏もも肉の煮物、小松菜と竹輪の煮びたしを添えた。

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確かにメバル、めちゃくちゃ美味い!!

さて、また明日から働こう!

2013年6月 1日 (土)

ある日の食卓...大根の煮物

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料理というのは本当に面白い。

工夫すればしただけ味になって帰ってくる。

では、手を抜けば美味しくないか?というと必ずしもそうではなくて、素材自体が美味しければ手など加えない方が美味しかったりするから厄介だ...いや、面白い。

さて、大根を工夫してみた。

これまでに大根に煮物はいろいろ作っている。

今回のは、

①厚さ3cmほどに輪切りした大根を下茹で(お米と一緒に煮て、あくを抜く)。

②下茹でした大根の中央付近にあの手この手?で穴をあける。

③開いた穴に、鶏もも肉にハーブソルトと粗びき胡椒をふったものを詰め込む。

④今度は、ウェイパー、鶏がらダシ(粉末)を味を見ながらいれた中華スープで煮る。

⑤オイスターソース、醤油で味をつけ、塩で調える。

狙いは、鶏肉の脂、うまみを大根に吸わせながら、ちょっと和だしでばかり煮物にしている大根を中華スープで煮てみたらどうだろう、と試してみたもの。

もっとも、大根は薄切りだんざく形にしたものを中華スープに入れてよく食べているので、目新しいものではないが。

で、味。

思ったほどインパクトがなかった。まぁ美味しいけど。

以前作ったこっちはなかなかだった。

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こいつは凝っている。自分で言うのもなんだけど...

輪切りにした大根の皮をむいた後、そのまま皮をむくのと同じように周方向に厚さ5mm程度に向いていく。当然、ある程度でポキっと折れるが気にしない。

もう剥けない、というところまで行ったら、これをばらす。

中心側から、大根、豚ロース薄切り肉、大根、肉と巻き込んでいって...つまりばらした大根の間に豚肉をはさみながらもとに戻していくわけだ。

完成したら楊枝を3方向から刺して固定して、だし汁で煮る。

これは美味かった。豚肉のうまみ、脂が大根にしみこみ、なんとも...

ただ、作るのが面倒なので、そのあとは、たんに薄目に輪切りした大根の間に豚肉をハンバーガーのように層状に挟んで同じように似てみたが、このときは大根が質が悪かったこともあって、いまいちだった。

ひまなときにまた作ってみたい一品だね。見た目もいいでしょ。

また、和だしで大根を煮る場合、竹輪はいいね。味がよく出るので出汁を補強する。

あとはタコ。こいつもなかなか。

それとやっぱり鶏肉だね。脂身の多いもも肉がいい。

大根は安い時には一本100円を下回るので、非常に家計にやさしい。使わない手はない食材。なんとか工夫して、もっと美味しくいただきたいものだな~

ただし、味噌汁とかに入れて使っていると、いつまでたっても独り暮らしだと大根は減らない。ぞっとする。

なので、煮物がいいんだな。まとまった量消費できるからgood

2013年5月28日 (火)

羊の国でニジマスと...ニュージーランド旅行記その6 ~レインボー!!~

いったん、フィルの経営しているB&B、つまりベッドアンドブレックファーストに立ち寄って、トイレを借りる。

ニュージーランド南島、カンタベリー地方の雄大な山のなかに宿泊施設を構え、冬はスキー、夏は釣りやトレッキングのガイドをしている。なんとも幸せな人生だよなぁ。

シーズンオフなのか、施設自体はちょっと掃除が必要そうだったけれど、WEBページを見る限り、シーズンになれば綺麗にしているんだろうな。

そこから、一路、ポイントを目指す。

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雄大な景色の中を、蛇行し、確かに流れる川。

日本の渓流とはまるで雰囲気が違う。

これなら確かにフライも投げやすいだろうな。日本のような木々が生い茂った渓流だと、なかなかバックキャストできないだろうし。

もちろん、本流で釣ればいいんだろうけれど。

そして、リバーへ。

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しばらく歩く。

「待て!」とフィル。

「あそこにいる!」と。

見えるか?と聞かれるが、当然見えない訳がない。

こちとら何年海を、海の中をのぞき続けてきたか。

立派な魚体の影が見えている。

ポイントに上流から近づくな。魚は常に上流に頭を向けているから気づかれる。

下流から回り込んで...

フィル、大丈夫だよ。魚の習性もよく知っているよ。

ポイントの下流側に立ちこみ、アップストリームキャスト。魚の鼻先へ上流からフライを流し込むわけだ。

フライはレイクでのドライフライから、シンキングタイプの川虫を模したようなものに交換され、渓流の脈釣りで使うような毛糸を目印にリーダーに結び付ける。

慌てるな。

いや、慌てるよな。もしかしたら今日唯一のチャンスかも知れないんだから。

こんなサイトフィッシングがそうそうできるとも思えない。

ラインを下流に流して、張って、キャスティングを始める。

慌てるからうまくいかない。

冷静に、冷静に...念じる。

慌ててシュートするなよ。じっくりラインを伸ばして、十分上流に落とすんだぞ。

・・・失敗。

・・・また失敗。

・・・行った!が、流す筋が違う。

・・・あ、慌ててラインが水面を叩く...

警戒心抱かれたら終わりじゃ...

大丈夫かな。

何度目のトライだろう...

今度こそ筋に入った...と思ったら、目印が動く...アワセ!グンっとロッドが引き込まれる。

フィッシュ!(と、心の中で)

猛然と、まずは上流に向かって走る。グラス比率の高い柔らかいロッドが絞り込まれる。

と思ったら、今度はさらに猛然と下流に向かって走る。走る。走る。

ラインを手繰ってファイトしようとしたら、リールファイトをしろ、とフィルの指示。

・・・う~む、三平はリール使ってなかったがなぁ。

などと考えている余裕がないくらいの引きだ。

どうも、このフライリールはドラグを内蔵しているらしく(ここまで気づいていなかった)、フィルはラインブレイクを避けるため、ドラグを効かせて魚を走らせて、弱らせろ、と言っているようだ。

任せて!

・・・といいたいのだがとっさに英語も出ないし伝わらない。

魚を掛けてしまえば、実はさほど慌ててはいない。何せシモリも藻場もない浅い川だ。

存分に走らせればいい。

が、どうもやっぱり慌てていると思われているのか、僕が左手をロッドに添えようとすると、どうも僕がリールを巻こうとしているのと勘違いしているようで、左手を出すなと指示が来る。

う~む、僕の磯竿でのロッドワークは基本両手(普段は左で竿をもって、右手は竿を右に倒すときはリールシートより30cm上くらいを、左へ倒すときはロッドエンドに添えている)なので、片手でのファイトは馴染まないだけなんだけどなぁ。

自由にやらせてもらいたいが、まぁ仕方がない。

そう、魚がどんどん走るから、こちらも川岸にあがって魚を追いかけるように走るしかない。

10m、20mは走る。面白い!

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そして、至福の時は、そろそろ終盤に差し掛かる。

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アルビノだろうか。白色の魚体に婚姻色を浮かび上がらせた、60cmは越えているだろうレインボートラウト。

下あごが出っ張り、いかつく、そして美しい。

自然に顔が緩んでくる。

まだ、アドレナリンが出ている。ドキドキする。

釣りって本当に面白いな。

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フィルに渡されたリストバンドのようなもの。これを濡らして、それでレインボーを掴む。

キャッチアンドリリースが基本のこの国では、やはり魚をちゃんと気遣っているね。

日本の形ばかりの放り投げるような似非キャッチアンドリリースとは違う。


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こんな小さなフライがロマンを運んでくれた。

ありがとう。


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そして、フィル。本当にありがとう。

興奮もまだ冷めぬ中、リバーサイドトレッキング、さらにリバーをウェイディングして渡ったり、先へ進む。

流れが速いので、足を取られそうだ。

Jはフィルに助けてもらいながら着いてきている。

リバーではルアーでは釣れないのか、またルアーを投げてしまったらフライはできないだろうから、そのためか、基本的に僕だけが竿を振っている。

なので、Jにはただのトレッキングになっている。

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いくつか指示されたポイントにフライを投げてみるが、反応がない。

一度車に戻り、移動する。

今度は少し狭い川だ。

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立ち込んで、ロッドを振る。振る。振る。

腕がもうパンパンになっている。何せひたすら何度も何度も振り続けるのがフライのキャスティング。ハードだ。

シュートしようとすると、どうしても力が入って、ロッドが後ろに倒れてしまい、ラインが力を失う。

アップ、ダウン、アップ、ダウン、アップ...シュート!

フィルの声。そう、上げる、ロッドはイメージとして直角上方向に向けるくらいで止める。

シュートはダウンのスピードを少し上げるだけ。アップを後ろに倒してはだめ。

分かってはいるのだが、不器用な男だからな~俺は。

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ああ、楽しかった。本当に楽しかった。またいつか、こんなフィールドでロッドを振ってみたい。

いや、みたい、じゃなくて、ロッドを振りに行けばいい。何も難しいことじゃない。

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自然の造形。

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雄大なニュージーランドの風景。

ここへいつか帰る?いや、もっと別の新しい景色を見に行こう。

竿を振れるなら、そこでも振ってみよう。


ああ、本当に楽しかった。

ありがとう。

...to be continue...

羊の国でニジマスと...ニュージーランド旅行記その5 ~雄大なり、鮮烈なり。竿を振る。~

やはり...とても重たい気持ちを引きずってしまうクライストチャーチ。

ガーデンシティと呼ばれるこの街。名物ともいえる美しい庭も見る影もない。少しずつ、しっかりと復興に向けて歩む姿は力強いが、その分重い。

釣りなんてしてもいいのかな?

とはいえ、

これだけは確実にやりたくて、日本から業者を通じてガイドを予約してある。

・・・朝、8:30。

こんな時間でいいのだろうか?

夜討ち朝駆けを基本とする日本の釣り師としては拍子抜けするくらいのゆっくりしたスタートだ。何せ、モーテルにガイドが迎えにくるのがこの時間なのだから。

もっとも、僕の終盤の釣りは、日が昇ってから家を出る、を基本にしていたので、まぁそんなに違いはしないのだけれども、何せニュージーランドにまで来て釣りをしようというのだから、気合が違う。

久しぶりにがまかつのフィッシングパンツに足を通す。かなり年期も入っているが、このあたりも気合の表れ。

こちらに来てからのニュージーランドの寒さは結構なものなので、さらに山間部(だと思っていた...後で甘かったことを思い知るのだが)に行くのだから、もっと寒いだろう。

足はウェーダーを履くだろうからまぁいいとして、上半身は暖かくしないとな。

といっても、釣り用の防寒着なんか当然持ってきていなくて、これも年期が入ったダイワのゴアテックスレインウェアのみ。最近はどうか知らないが、このころのダイワのレインは撥水性を失ってくると、なんだか水がしみてくる。ゴアテックスなのに不思議...

それはさておき寒いのは嫌なので、ユニクロのフルジップのフリースを下に着込むとしようか。

トイレに入っていたら、モーテルの駐車場に車の音がする。

慌てて出てみると、ランクルの脇ですでにJがガイドとにこやかに話をしている。当然英語で...

僕も降りて挨拶する。「おはよう、よろしく、僕田中...」うむ、情けない。

ガイド、フィルは爽やか系タフガイ?な感じで、ニュージーランドの自然に磨かれた、かっこいい男。優しげでよかった。

車に乗り込み、今日だけは、自分にできる最大限のコミュニケーションをとろうと、がんばってフィルに話しかける。

「自分は日本では磯釣り経験はある。でも、フライロッドは1度振ったことがあるだけ。ほぼ素人なのでよろしくね。」などなど...というほどネタは思いつかないが、まぁ見える景色について質問したり、どれくらい走るの?とか、どんなとこ行くの?とか。

Jがいるので、困れば聞けばいい。

車は郊外に向けてひたすら走る。街を抜けると震災のあとはほとんど感じられない。

・・・いた!
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牧場が広がり...いたいた、羊羊羊。牛も。

羊の国に来たつもりが、ここまでほとんど羊を近くで見ていない。

しかし、この羊という生き物、過剰なくらい人見知りなようで、20mほどの距離から一歩踏み出すと、ザザザザっと一斉に退却...

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ほら、こんな風に、すでに見えないほど小さな白い点々点々。

ひとしきり、羊に遊ばれて、あらためて車は進む。

広大な畑に自動散水装置。スケールが大きい。

どこまでも伸びる道...広がる青空...緑...遠くに雪を抱いた山々...

素晴らしい...

車はガソリンスタンドとコンビニ...というより田舎にある商店がくっついたようなところに入る。よく映画で見るような?そんな感じの店だ。

フィルは...

あ、なるほど。

どうやらここでフィッシングライセンスを購入するらしい。

__

なんだか妙にうれしい。これが一番の自分のお土産になりそうだ。

飲み物などをさらに調達して、車はぐんぐんと先へ進む。

わくわくするか?

そりゃ、するさ。こんな景色をどんどん進んでいくんだよ。

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そして、あの雪を抱いた山に迫り、さらにどんどん標高を上げていく。

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山間部の緑に囲まれた湖...を創造していたのだが、これは...

たどり着いたのは山頂近い湖。澄んだ水をたたえている。

しかし連日の寒さでこの標高。とんでもないことに...と思うかもしれないけれど、基本的に晴れ男な私の力が最大限発揮されたのか、この季節初めての初夏の天候。

なんとも気持ちいい。日差しが強烈なので、相当日には灼けそうだ。

まずはレイクでフライフィッシングの基本のお稽古。あとからリバーに入るらしい。

ニュージーランドのトラウトもフライフィッシングも、すべてイギリスからもたらされたものだ。

なので、こういった山頂近い湖にも放流されて、結果として自然に溶け込んだトラウトがたくさんいる。

はたして、生態系を考えた場合、これは正しいのか?

このニュージーランドという国は、もともとの生態系はほぼ破壊されて、外来の生物と外来の人間が、その作られた自然を謳歌している。

いいのか悪いのかも分からない。なんとも不思議な場所だ。

難しい問題だから、考えると楽しめなくなるので、とりあえず、与えられた目の前に確かに存在する自然を...フィッシングフィールドを楽しむことにしよう。

フライロッドを握るのは2回目。

随分前に、会社の先輩にバスのフィールドでバス用のフライを投げさせてもらったことがある。

ただし、フライフィッシングの基本は、もう小学生のころから勉強している。

そう、釣りキチ三平。魚紳さんがアメリカからの手紙で三平にレッスンするやつだ。

はたして何度読み返したことだろう。フライマン(風来満)にダブルホールに磨きをかけな!的なことを言われたり...

そういえば、あのレッスンをまねて、穂先に毛糸を結んで、意味もなくキャスティングの練習っぽいことしてたなぁ~

当然、ニュージーランドに行く前に読み返したのは言うまでもなくて、つまりは釣りキチ三平の対象魚別に編集されたものを全巻持っているのは言うまでもない。

僕らの世代は、まさに釣りキチ三平の現役世代。

少年マガジンで連載していたころに釣りまみれの少年時代を送っていた。

そろばん塾をさぼって近所の池で、なぜかその当時(すでに35年くらい前か?)からいたブルーギルを、こいつが何者かも知らずに釣り、鮒を釣り、鯉をかけてはぶち切られ...そして自転車こいで、荷台はクーラーを括り付けて、竿入れ担いでどこまでも、それこそ1時間でも自転車をこいで海に向かっていた。

なんだか、いい時代だったな。

そのまま大きくなって...というわけではなくて、高校、大学とほとんど釣りには行かなかった。もっと楽しいことがあったのかな?よく分からないけれど。

それから、何故だか大学5年生のころ、ふたたび竿を握る。握った竿は磯竿で、そして、あのいかつく、銀色に輝く、あの魚...チヌにであった。

それから20年。ひたすらチヌを釣りまくり、大切な仲間とであってさらにのめり込み、ホームページを立ち上げ、ちぬ倶楽部、釣りサンデーなどに寄稿を求められ、フカセジャパンというもうかなり前に消えてしまった雑誌には連載記事まで書いて...

そんなことをしているうちに、何か釣りに義務感を感じて、チヌを釣ることに高揚感を感じなくなって...そう、釣りにロマンを感じなくなると、それは辛い...釣りはまだ見ぬ魚との真剣勝負。ハンティング。ロマンなんだな。

仕事も忙しくて、今は亡き家庭も忙しくて、車も自由に使えず、だんだん釣りから離れてしまった。

そのなれの果てが今の僕。

だから、こんな壮大なフィールドを目の前にして、そして未知のタックルを手にして、ドキドキしない訳がない。だから、今は目の前のロマンを楽しもう。

まさか、釣りキチ三平で勉強してきた、とは言えないし伝わらないので、基本的な操作をフィルに教わる。

バックキャストからフォルスキャストへ。ループを維持しながら徐々にラインを送り出していく。

・・・が、頭の中で描いているイメージには何故だか現実は追いつかず、すぐにラインは勢いを失って、後ろの草むらを釣ってしまったり...実に難しい。

やはり、一日でそんな芸術的な、リバーランズスルーイット的な操作ができるわけもなく、つまりは一日中キャスティングには悩まされたわけだが...ただ、フィルには筋がいい、と褒められた。まぁあれだけ磯竿とはいえ振っているのだから、まったくの素人よりはマシでないとねぇ。

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日本の周防大島や、御荘や、その他あちこちで来ていた青いダイワのレイン。

そしてG杯の中国ブロック大会に出場したときかな?もらったがまかつの青いキャップ。

こうやって写真で見ると不思議だな...なんとなく。

さて、Jは...さすがにフライは無理だろう、ということで、事前にルアータックルの準備を頼んでいた。

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こんな虫っぽいルアー。

フィルは見ていない時にこれで一匹掛けたのだが、Jには魚は付き合ってくれなかったようだ。釣れないルアー釣りは、本当に釣れるのか?こんなもんで?という疑心に拍車をかけるので、結構つらいんだよね。で、ときどき寝てて、そのときにフィルが掛けたらしい。

「グッドファイトだった」と言っていた。まぁ30cmくらいのレインボーだったらしいが。

で、じゃあ、僕はどうだったか?

本当にフライは難しい。

懸命に振るのだが、うまくライズしている近くに落とせない。

焦るとラインは湖面をたたき、リーダーが切れる。フライをロストする。

たびたびラインを結んでもらうのも申し訳ないし、どのみちキャスティングのトレーニングだ、と考えて、リーダーが切れたところを勝手に結んで(ライン結びは当然慣れてるし)、結果、結び目がたくさんのリーダをフィルに差し出して、苦笑いされる...

また、風が吹くとまったく飛ばない。フィルは上手に飛ばすのだが...さすがだなぁ。

で、湖面に漂うラインをフィルをまねてロールキャストで伸ばそうとしても、できない。

う~む...

湖の脇の道路から、手近な駆け上がりに向けてキャストする。

背後の斜面のヒースに引っかかって大変だが、頑張る。

すると、ほんの15cmほどの魚が反応して、いったんフッキングした!と思ったら、湖面を魚が切った直後に外れてしまった。

その後、30cm弱の魚がフライにアタックしてくるのは2~3度見えたのだが、結局針には乗らず。

フィルの用意したサンドウィッチをJと頬張る。こういうところで食べると、こんな素朴なサンドウィッチが似合うし、なんとも美味しい。放り投げられたリンゴを受け取り、食べる。いいな...

さて、そのあと、

フィルがルアーでトラウトをかけた場所にまたウェーディングで立ちこんでロッドを振るが、風向きも悪くて思うところに飛ばない。

といったところでタイムアップ。

どちらかというと楽しみにしていたのは、この次。

いよいよリバーだ。

...to be continue...



2013年4月24日 (水)

羊の国でニジマスと...ニュージーランド旅行記その5 ~クライストチャーチ~

また、四川省で大きな地震が起きて、たくさんの人が亡くなられ、怪我をされ、また住むところを失った。

前の四川省の地震、そして東北の震災。

あまりにも無力な僕たち。

2011年2月22日。この街も大きな地震に襲われた。

2012年11月。1年半ほど経って、何気なく観光でこの街を訪れた僕たちは、その光景に唖然とした。・・・そう、正直唖然とした。

もはやその街の中心部は観光地ではなかった。美しい庭、大聖堂、ニュージーランド南島最大の都市...その中心部は封鎖され、立ち入ることもできない。

大聖堂も崩壊しているのが見える。

東北の震災が2011年3月11日。わずかひと月前にこの街も悲劇に襲われていて、いまだ被災した東北の街を見ていない僕は、ここで震災復興の難しさ、またどれほどの時間と労力がかかり、どれほど地元の人がその復興に力を注いでいるのかを感じることになった。

宿泊したモーテルはギリギリ被災していない。

センターポイント オン コロンボ モーテル。日本語ペラペラで陽気で感じのいいご主人と、日本人の奥様が経営されている、このあたりでは一般的な、でも綺麗なモーテルだ。ちょうど地盤の固いエリアにあったため、ギリギリ被害を免れたそうで、すぐ近くの同様のモーテルは営業していない。

荷を解いて、街を歩く。

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でもね、花は咲いているし、鳥もいる。

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ふと、

水路をみると...巨大なイール、つまりウナギが...

デカいなんてものじゃない。胴回りは僕の腕より太いし、軽く1mは越えている。

いや...凄い。

人だって元気だ。

弱いけれど、生命はたくましくもある。

モーテルから立ち入り禁止の中心部を交わして反対側へ歩くと、大きなショッピングモール、そして大きな釣りとハンティングのお店を発見。

ふと、フライロッドが欲しくなるけれど、ここはぐっとこらえて、お土産としてフライを数個購入。

だって、ここでの釣りは素人だし、そもそもフライフィッシング自体も素人だ。

素人が勝手に竿を買ったって、それが適切かどうかは分からない。

いよいよ明日。この旅での僕にとってのハイライトとなる、フィッシングトリップだ。

本来なら数日釣りをしたいが、一人旅ではないのでそれは難しい。それでも丸一日Jも釣りに付き合ってくれる。

さて、会えるのか?

今の時期はサーモンは狙えないので、レイクとリバーでのトラウト。ブラウンを釣ってみたいが、レインボーでももちろん問題ない。

魚の顔に出会えるのか?

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クッキンウィズガスでラムやムール貝を頬張り、そして夜は更けていく。

to be continue...