« 石の街、檸檬の国 ~南イタリア旅行記 その11 坂の街ポジターノ~ | メイン | 石の街、檸檬の国 ~南イタリア旅行記 epilogue~ »

2015年6月23日 (火)

石の街、檸檬の国 ~南イタリア旅行記 その12 カプリ島 歩く~

P5051228__r

カプリ島の長い防波堤の内側に船が着けられた。ポジターノからカプリ島までは25分ほどの、あっという間のクルーズだ。

こういう防波堤を歩くと、自然に海をのぞき込んでしまう。偏光グラスをかけて、魚影を探す。人が多すぎるのが難点だが、紀州釣りにはよさそうな防波堤。もちろん、船も沢山、観光客も沢山で、誰も港内向きに釣りなどしていない。港外向きもしていないが。

防波堤を人込みに紛れながら陸へ向かう。

P5051241__r港のすぐ横にあるビーチ。なかなか綺麗。考えてみると、砂浜らしい砂浜はここしか見なかったな...

P5051247__rカプリ島の全景だ。

カプリ島といえば青の洞窟なのだけれど...

今日は天気もよくて、やっぱり日頃の行いの良さだよなぁ、などと思いつつ、さて青の洞窟のツアーは...沢山、小型船が青の洞窟を宣伝しつつ係船してあるのだけれど...なんだか、今日は潮が高くて洞窟に入れないとか...なるほど、天気が良くてもダメなんだ。

なんとも、タイミングの難しい観光だなぁ。

が、まぁそんなことは実はどうでもいい。あまり固執していないので、さほど残念でもない。

ポジターノの港でも青の洞窟ツアーの看板と船、カプリに来てもそればかり。メジャーを嫌う、混雑を嫌う、というJと僕の共通のひねた価値観があって、どうでもいいや、と二人とも思っていたわけだ。

さて、では、カプリ島を楽しめるように楽しもう。旅は無理なく楽しめるように楽しむのが一番...無理なく...無理なく...なんだけどね...このあと、この旅で最大の無理(それはレンタカーかもしれないが)に晒されるなどとは、このときはまだ思ってもみなかった。

P5051248__rチケットを買って、こんな入り口を入る。

P5051542_rこんな感じのチケットで、こんな感じのゲートを通過して、

P5051254__rこんなケーブルカーに乗って、

P5051259__rこんな景色が目に入り、

P5051270__rこんなところに出る。

ここがカプリの街。カプリ島には、カプリとアナカプリという二つの街があり、カプリからアナカプリにはバスが出ている...らしいが、行ってないのでよく分らない。

しかし、極めて日本人的に考えると、こういった島、あるいは沿岸部の街は、だいたい海岸線に沿って開けているような気がするのだけれど、カプリもアナカプリも山之上。平地がないから、なのだろうけれど、少し不思議な気もする。

P5051271__rここでもワンコのお出迎えを受けつつ、少し散策。

P5051274__rカニ。

P5051275__rエビ。

P5051276__r魚。

P5051277__rタコ。

ウィンドウショッピング、という訳でもないが、いちいちアートで面白い。カプリはこういうところなんだな。

揚句、

P5051534_r魚にプチトマトを咥えさせていたり...面白い人たちだ。

何か食べたいなぁ、などと言いながら、相変わらず優柔不断気味な僕はお店を決められず(だって、ピンとこないんだもんなぁ)、ともかく、アウグスト庭園に出てみる。

かなり乱暴なことを言うと、カプリの港、マリナ グランデの位置が四国でいうと新居浜あたりで、アウグスト庭園は高知市くらいにある。

カプリ島は四国に形状が似ている。ただし、四国より愛媛が大きくて、徳島と香川が小さい。例えたら逆に訳が分からなくなるけれど、あとあと便利なので例えておこう。

P5051291__r

P5051307__rふと目に入ったリストランテ。雰囲気が良さそう。

なにより、テラス席から、カプリの象徴ともいえるファラリヨ-ニ(海に突き出た岩山)が見える。

P5051314__rここは、Ristorante il Geranio。

P5051304__r

P5051321__rこれ、小さなイカのフリット(揚げ物)なのだけれど...ちょうど日本のホタルイカのようなサイズで、これが滅茶苦茶美味い。

Img_3883_r

いくつかいただいて、まぁ美味しいのではある。景色もいい。

しかし、騒音が...

どうして、食事中、大騒ぎして動き回って...こんなに落ち着きがないのだろう。隣国のアジア人は。周りへの気配りというのは、日本人はそれはそれで気の使い過ぎの面もあるけれど。

なんとなく気分も悪いので、店を出る。

公園を散策。

P5051353__r

P5051358_r

P5051359_rマリーナピッコラに降りる九十九折の道。クルップ通り。降りてみたい気もするが、降りたら上がらないといけない。やめておく。

・・・考えてみたら、ここを降りておくくらいにすればよかったんだよな...

さて、このあとどうしよう?と考えた。

四国で言うところの室戸岬方面に、どうにも遊歩道がありそうだ。海岸線というか断崖絶壁の上を歩く感じ。距離的にいって、室戸岬を回り込んで、経常的には阿南市。位置的にはもっと南かなぁ、というところに、天然のアーチ、という景勝地があるらしい。

とりあえず、トラガナ展望台というところに行くが、ここが通常の観光客のビュースポットである、ということも知らずに、ずんずんと先へ進む。

P5051411_r

P5051413_r

P5051418_rたしかに景色は素晴らしい。トレッキングモードで歩いている人もそれなりにいるが、それほど多いわけではない。

当初は、別荘かな?という建物がおしゃれに並ぶ小路を歩いている感じだったのだが、どんどん道がハードになってくる。起伏も激しい。

P5051419_r分かるだろうか?カモメではないよ。これはアルバトロス、アホウドリだ。初めて見た。

P5051421_rこんな道を延々と歩く。Jはだんだん無口になる。僕はこういう状況は結構燃えてくる。

P5051424_r

P5051430_r

P5051442_rそして、Jにとってはとどめ。こんな登り階段が延々と続く。

P5051446_rこんな洞窟が途中にある。

P5051468_r洞窟を抜けても階段は続く。

P5051477_r入口にようやく到着。

ここにリストランテっぽいものがあるのだけれど、さほどおいしそうな雰囲気ではない。

ここからは、今度は海へと下る坂道が実は続いている。

Jは、ここを降りたらもう登れない、と断念。

ここまで付き合わせて、歩かせて、肝心の天然のアーチが見れないというのは申し訳ないのだけれど...

仕方なく、独りで行ってみる。

P5051481_rこれが天然のアーチだ。なかなかの景観。Jのために沢山写真を撮る。

P5051506_r

こんな感じにいくつか展望場所がある。ただ、近すぎて、全体感がカメラに収まらない。

坂を登り、一休みしたJと合流。

帰り道、ヴィラ ジョヴィスという宮殿跡地など近くにあったようなのだけれど、もうできるだけ歩きたくない、というJの心をくみ取って、カプリの街の方に戻る。

P5051520_r

白い石の歴史。そんな街並みを臨む。

P5051524_r

ケーブルカーに乗り、港へ。流石に疲れたので甘いものを...ジェラートをいただく。

かなりの疲弊。

カプリって、なんと疲れる島なのだろうか。

本来、見るべきところではなくて、あまり行かないようなところを見てきた、というのと、その分思い出にはなるけれど、犠牲にした体力は大きかった。

個人的にはちょっと面白かったのだけれど、Jには悪かったなぁ。

船に乗り、ポジターノへ戻る。

少し、砂浜で夕暮れの風に吹かれる。気持ちいい。

P5061564_r

P5061559_r何が釣れるのだろう?

P5061575_r夕方なのだけれど、まだ空は昼間だね。

P5061578_r

ホテルのリストランテで夕食を取る。南イタリア最後の夜が更けていく。

to be continued...

 

コメント

コメントを投稿