2016年1月 6日 (水)

奥飛騨の秋

奥飛騨旅行記、アップしました。

温泉♪温泉♪

・・・のまど...旅のまど、湯のまど、食のまど...

http://www.futari-nomad.com/index.html

能登路

新HP「・・・のまど...」開設。

2015/7/18~7/20の能登旅行記、アップしました。

能登、よいところですね~

よろしかったらこちらをご覧ください。

・・・のまど...旅のまど、湯のまど、食のまど...

http://www.futari-nomad.com/index.html

2015年7月26日 (日)

石の街、檸檬の国 ~南イタリア旅行記 epilogue~

青い海、広がる蒼い空と広がる雲。檸檬の黄色。そして石の家と、石畳の街。

ポジターノの朝。2014年5月6日。

ナポリ空港から11:40のフライト。ルフトハンザ航空でミュンヘン経由。来た時と逆のコースをたどる。

villa Francaをチェックアウト。車はホテルの前まで回してくれているらしい。結局車がどこにどのように滞在中駐車されていたのか分からない。何せ土地がないのだから、凄い状態で保管されていたのだろうなぁ。

ホテルの前に出てびっくり。

Img_3903_rこうやって写真をみると、車が横転しているみたいに見えるな。

おいおい、これ、壁に当たっているんじゃないのか?と思って近寄ってみる。

Img_3904_r当たってない。最接近部は1cmも空いてない。この人たち、これが誇りなのか...いや、そこまでしてくれなくていいんだけどなぁ。万一当てても笑って済ませられそうで、ちょっと怖い。イタリアだもんなぁ。

さて、ナポリ空港まで1時間半ほどの最後のドライブだ。

Img_3912_rアマルフィ海岸の道路とも別れを告げる。

大変だったなぁ。

Img_3915_r半島を横切って、ナポリ方面の街が見えてきた。

ナポリ市街を抜けて、間もなくレンタカー店。そうそう、ここだ。ここで車のミラーをベンツに当ててから、この波乱の南イタリア旅行がスタートしたんだよな~

レンタカー店に到着。ここを出た時に比べると、格段に左ハンドル、右車線通行に慣れたし、ワイパーとウィンカーも間違えなくなった。鈍重な車だったが、ちょっとだけ愛着を感じつつ、レンタカーを返す...

・・・僕一人ならここで素直にレンタカー返して終わりだったと思うのだが...

Jが最後のバトル。理不尽な点はきっちり落とし前つけなければ終われない、という気概と、堪能な英語力、仕事で培った交渉力が火を噴く。

我々にはそもそも命綱となるべきはずだったGPS。たしかに、GPS付というプランで借りたから、GPS分を余分にお金払ったわけではない。

だが、GPSが使えるという前提で車を借りたのに、ほとんど使えず、大変な目にあった。これに対して、どう補償してくれるのか云々...と多分言っているのだ思うけれど、僕には何を言っているのかよく分らない。

受付の女性がバックヤードに入って上司とおそらく相談したり、どうだろう、20分くらい掛かっただろうか?

とうとう、GPSを別に借りた場合必要な費用分をレンタル代から割引、さらにABISレンタカーの金券までもらった。

いやはや、凄い...

なんにせよ、頼れるパートナーだな。

この旅では、こういう直接的なJのパワーにも助けられたし、失敗して同様したり、疲れ果てたり、何か思うようにいかなかったり、色んなことがあったけれど、全部おおらかに、柔らかく包んでくれて、終わってみれば、ときに驚きもあったけれど、とても心地よい時だけが過ぎていたようだ、と気づく。

旅のパートナーとして、本当に最適だな。これからもよろしく。

Img_3931_r

さぁ、帰ろう。

次はどこに行こう?

旅は続く。こうやって、楽しく旅ができる程度の幸せ。本当に贅沢だよね。

fin

2015年6月23日 (火)

石の街、檸檬の国 ~南イタリア旅行記 その12 カプリ島 歩く~

P5051228__r

カプリ島の長い防波堤の内側に船が着けられた。ポジターノからカプリ島までは25分ほどの、あっという間のクルーズだ。

こういう防波堤を歩くと、自然に海をのぞき込んでしまう。偏光グラスをかけて、魚影を探す。人が多すぎるのが難点だが、紀州釣りにはよさそうな防波堤。もちろん、船も沢山、観光客も沢山で、誰も港内向きに釣りなどしていない。港外向きもしていないが。

防波堤を人込みに紛れながら陸へ向かう。

P5051241__r港のすぐ横にあるビーチ。なかなか綺麗。考えてみると、砂浜らしい砂浜はここしか見なかったな...

P5051247__rカプリ島の全景だ。

カプリ島といえば青の洞窟なのだけれど...

今日は天気もよくて、やっぱり日頃の行いの良さだよなぁ、などと思いつつ、さて青の洞窟のツアーは...沢山、小型船が青の洞窟を宣伝しつつ係船してあるのだけれど...なんだか、今日は潮が高くて洞窟に入れないとか...なるほど、天気が良くてもダメなんだ。

なんとも、タイミングの難しい観光だなぁ。

が、まぁそんなことは実はどうでもいい。あまり固執していないので、さほど残念でもない。

ポジターノの港でも青の洞窟ツアーの看板と船、カプリに来てもそればかり。メジャーを嫌う、混雑を嫌う、というJと僕の共通のひねた価値観があって、どうでもいいや、と二人とも思っていたわけだ。

さて、では、カプリ島を楽しめるように楽しもう。旅は無理なく楽しめるように楽しむのが一番...無理なく...無理なく...なんだけどね...このあと、この旅で最大の無理(それはレンタカーかもしれないが)に晒されるなどとは、このときはまだ思ってもみなかった。

P5051248__rチケットを買って、こんな入り口を入る。

P5051542_rこんな感じのチケットで、こんな感じのゲートを通過して、

P5051254__rこんなケーブルカーに乗って、

P5051259__rこんな景色が目に入り、

P5051270__rこんなところに出る。

ここがカプリの街。カプリ島には、カプリとアナカプリという二つの街があり、カプリからアナカプリにはバスが出ている...らしいが、行ってないのでよく分らない。

しかし、極めて日本人的に考えると、こういった島、あるいは沿岸部の街は、だいたい海岸線に沿って開けているような気がするのだけれど、カプリもアナカプリも山之上。平地がないから、なのだろうけれど、少し不思議な気もする。

P5051271__rここでもワンコのお出迎えを受けつつ、少し散策。

P5051274__rカニ。

P5051275__rエビ。

P5051276__r魚。

P5051277__rタコ。

ウィンドウショッピング、という訳でもないが、いちいちアートで面白い。カプリはこういうところなんだな。

揚句、

P5051534_r魚にプチトマトを咥えさせていたり...面白い人たちだ。

何か食べたいなぁ、などと言いながら、相変わらず優柔不断気味な僕はお店を決められず(だって、ピンとこないんだもんなぁ)、ともかく、アウグスト庭園に出てみる。

かなり乱暴なことを言うと、カプリの港、マリナ グランデの位置が四国でいうと新居浜あたりで、アウグスト庭園は高知市くらいにある。

カプリ島は四国に形状が似ている。ただし、四国より愛媛が大きくて、徳島と香川が小さい。例えたら逆に訳が分からなくなるけれど、あとあと便利なので例えておこう。

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P5051307__rふと目に入ったリストランテ。雰囲気が良さそう。

なにより、テラス席から、カプリの象徴ともいえるファラリヨ-ニ(海に突き出た岩山)が見える。

P5051314__rここは、Ristorante il Geranio。

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P5051321__rこれ、小さなイカのフリット(揚げ物)なのだけれど...ちょうど日本のホタルイカのようなサイズで、これが滅茶苦茶美味い。

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いくつかいただいて、まぁ美味しいのではある。景色もいい。

しかし、騒音が...

どうして、食事中、大騒ぎして動き回って...こんなに落ち着きがないのだろう。隣国のアジア人は。周りへの気配りというのは、日本人はそれはそれで気の使い過ぎの面もあるけれど。

なんとなく気分も悪いので、店を出る。

公園を散策。

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P5051359_rマリーナピッコラに降りる九十九折の道。クルップ通り。降りてみたい気もするが、降りたら上がらないといけない。やめておく。

・・・考えてみたら、ここを降りておくくらいにすればよかったんだよな...

さて、このあとどうしよう?と考えた。

四国で言うところの室戸岬方面に、どうにも遊歩道がありそうだ。海岸線というか断崖絶壁の上を歩く感じ。距離的にいって、室戸岬を回り込んで、経常的には阿南市。位置的にはもっと南かなぁ、というところに、天然のアーチ、という景勝地があるらしい。

とりあえず、トラガナ展望台というところに行くが、ここが通常の観光客のビュースポットである、ということも知らずに、ずんずんと先へ進む。

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P5051418_rたしかに景色は素晴らしい。トレッキングモードで歩いている人もそれなりにいるが、それほど多いわけではない。

当初は、別荘かな?という建物がおしゃれに並ぶ小路を歩いている感じだったのだが、どんどん道がハードになってくる。起伏も激しい。

P5051419_r分かるだろうか?カモメではないよ。これはアルバトロス、アホウドリだ。初めて見た。

P5051421_rこんな道を延々と歩く。Jはだんだん無口になる。僕はこういう状況は結構燃えてくる。

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P5051442_rそして、Jにとってはとどめ。こんな登り階段が延々と続く。

P5051446_rこんな洞窟が途中にある。

P5051468_r洞窟を抜けても階段は続く。

P5051477_r入口にようやく到着。

ここにリストランテっぽいものがあるのだけれど、さほどおいしそうな雰囲気ではない。

ここからは、今度は海へと下る坂道が実は続いている。

Jは、ここを降りたらもう登れない、と断念。

ここまで付き合わせて、歩かせて、肝心の天然のアーチが見れないというのは申し訳ないのだけれど...

仕方なく、独りで行ってみる。

P5051481_rこれが天然のアーチだ。なかなかの景観。Jのために沢山写真を撮る。

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こんな感じにいくつか展望場所がある。ただ、近すぎて、全体感がカメラに収まらない。

坂を登り、一休みしたJと合流。

帰り道、ヴィラ ジョヴィスという宮殿跡地など近くにあったようなのだけれど、もうできるだけ歩きたくない、というJの心をくみ取って、カプリの街の方に戻る。

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白い石の歴史。そんな街並みを臨む。

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ケーブルカーに乗り、港へ。流石に疲れたので甘いものを...ジェラートをいただく。

かなりの疲弊。

カプリって、なんと疲れる島なのだろうか。

本来、見るべきところではなくて、あまり行かないようなところを見てきた、というのと、その分思い出にはなるけれど、犠牲にした体力は大きかった。

個人的にはちょっと面白かったのだけれど、Jには悪かったなぁ。

船に乗り、ポジターノへ戻る。

少し、砂浜で夕暮れの風に吹かれる。気持ちいい。

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P5061559_r何が釣れるのだろう?

P5061575_r夕方なのだけれど、まだ空は昼間だね。

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ホテルのリストランテで夕食を取る。南イタリア最後の夜が更けていく。

to be continued...

 

2015年6月17日 (水)

石の街、檸檬の国 ~南イタリア旅行記 その11 坂の街ポジターノ~

2014年5月4日になっている。

テラスでゆったりと食事をとる。景色は本当に素晴らしい。Grand Hotel Excelsior Amalfi。

ホテルをチェックアウトし、玄関に回されたフォードに乗る。いまだ愛着が湧く、ということもないこの鈍重な車だけれど、アマルフィ海岸を走るのもこれで最後だし、少しは左ハンドルにも慣れてきているので、今日は少しは颯爽と?走れるかな?

山を降り、アマルフィの街をかすめるように抜けて、海岸線を西に向かう。このアマルフィ海岸は、はたから見ていると走って楽しそう、気持ちよさそうだが、道は狭いし、イタリアっ子の運転は荒くてどこででも追い抜きを掛けてくるし、車はドン臭くて走らないし、左ハンドルだとやっぱり運転もエッチラオッチラだし、海側の景色は石積みのガードレール?でほとんど見えないし...正直なところ、まったく心地よくない。

ちょっとフライングするけれど、この南イタリア編を書き終わったら、1年の時間を飛んで、2015年のゴールデンウィークのサンフランシスコ旅行の記憶を記しておこうと思っている。

サンフランシスコでも1泊2日でレンタカーを借りたのだけれど、こちらは車は面白いし、道は広いし、運転していても景色がいいし...ドライブはアメリカ西海岸の方が楽しいなぁ、と心底思った...

ともかく、若干スムーズになった運転で、本来なら小一時間程度の距離のはずのドライブだったのだけれど...

トンネルを抜けたあたりで、また渋滞。これもまったく動かない。先の渋滞は少しずつ動いていたけれど、今度の渋滞はまったく進まない。

30分くらい待っただろうか。それでも動かないし、イタリア人のドライバーや同乗者は車を降りて、様子を見に行っている。

僕もJを車に残して、様子を見に行ってみる。

言葉ができれば、帰ってきている人に「どうなってるの?」と聞けるのだけれど、それができない僕としては、とりあえず小走りに渋滞の先頭を目指していってみる。

P5051140__r

ちょっと海側を覗いてみたら、こんな感じ。こういう崖の上の道を走っている訳だ。

さて、どうにも、警察が車を止めているようだ。あとで分かったのだけれど、祭りがあったようで、そのパレード?というほど大掛かりではないけれど、日本の地方都市で子供神輿が出るようなお祭り?そんなものだったのかな。それで交通整理が入っていたらしい。

この交通量が多くて、かつ抜け道のない道路。そんなに長いこと止めるなよな~

と、旅人の僕としては思ってしまう。

渋滞の先頭あたりを見ていると、なんだか、車を動かしそうな気配が見えてきた。

慌てて走って車に戻る。

やれやれ...

ようやく走り始める。

あれ?この日はお昼をどうしたんだっけ?かなり疲労困憊だった記憶はあるのだけれど...

記憶は、ポジターノの狭く、またグネグネとした急な坂を海の方に下っているところに飛んでいる。食べなかったのかな?

ホテルに着いたのはいいのだけれど、そんな狭い曲がりくねった道の脇にひっそりとホテルの入り口がある。車、どうしたらいいんだろう...

どうやら、ここで車を預ければいいらしい。スーツケースを降ろして、鍵を渡す。

このポジターノは本当にほぼ平地がない。崖に建物がへばりついているような状態だ。なので、駐車場なんて、そんなスペースを都合よくホテルの近くに作ることはできないのだろう。

そうか。石の街であるイタリアの都市は、古い歴史をそれぞれが持っている。

馬車が走りやすいように石畳にしているのだろうし、石積みの建物は時間を超えていく。つまり、簡単に建物を撤去して、アスファルトで道を広げる、といったことが難しいのだろうし、石に歴史を宿して生きているヨーロッパでは、古いものを壊す、という考え方も少ないのだろう。だから、自動車社会のいま、これほど走りにくいし、不便なんだろうな。

都市と都市を結ぶ高速道路網は、一方で車社会であるヨーロッパを象徴しているけれど、こんな風に、便利と不便、古代と近代を同居させている文化は、やはり日本とは違うし、きっとアメリカとも違うのだろう。

・・・これもよいね。割と好きかも。こういうの。

P5051148__rHotel Villa Franca。立地ゆえにコンパクトな部屋だけれど、雰囲気はいい。

だがコンパクト過ぎて、スーツケースを二つ開くのに少々苦労する。

P5051161__rなんだかんだで、移動だけですでに黄昏時を迎えようとしている。部屋の窓からの風景。

P5051168__rホテルのリストランテ。

さて、晩御飯を...

ポジターノの街に降りれば、美味しいお店は沢山あるらしい。歩いて降りることもできるらしい。

歩いてみる。一昨日のアマルフィの山下り、昨日のラヴェッロの散策で疲労している足は少々嫌がっているが、これまた、降り始めてみると、なかなか下に着かない。バスにすればよかった...

Img_3802_r結局、夜はこんなところで過ごした。

地元のリストランテ、という感じで、気さくかついい加減そうなイタリアンな店員に案内され、少し寒い思いをしながら、道路わきの外席で過ごす。雰囲気は悪くない。味も上品ではないけれど悪くない。

バスを待って、ホテルに戻る。

翌朝、少し早目に起きる。

P5051169__rポジターノの朝。

バスでポジターノの街へ降りる。

今日はカプリ島へ行く予定だ。

P5051180__r船のチケットをどこで買ったらよいのか?さっぱり分からない。

チャーター船のチケット売り場も沢山あるし(カプリの青の洞窟のツアーなど)、しばらくウロウロして、ようやくチケット売り場を把握し、購入。

P5051182__rここだった。

船を待つ間、しばしそのあたりをウロウロしながらくつろぐ。

P5051183__r絵になる街だなぁ。

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P5051210__r君は何を思うのかな?

船が来た。

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さて、カプリに行こう。

...to be continued...

石の街、檸檬の国 ~南イタリア旅行記 その10 天空の街ラヴェッロ~

P5040923__r天空の街 ラヴェッロ。

アマルフィの街から車だと20~30分というところだろうか。

印象としては、もっと時間がかかったような気がする。ホテルから海岸通りまで坂を下りて、海岸線をサレルノ方面に少し戻る。海岸線からこれこそ九十九折と言えるようなヘアピンカーブをいくつか越えて、急激に高度を稼ぐ。ああ、そういえばそこそこ車が走っていたから、結構時間が掛かったんだったな。どこも道は狭い。

ここは車で来るしかないから(観光バスは別として)、駐車場は結構ある様子。朝も早めに出てきたから、割と街の近くの駐車場に停めることができた。

車を置いて、階段を登る。

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ドゥォーモ(大聖堂前)の前の広場。お土産物屋やオープンカフェ。少し落ち着いた雰囲気だ。

織田裕二のアマルフィでは、アマルフィとの実際の距離は無視されて、この街でのロケもされている。

まずは、兎にも角にも目的地を目指す。Villa Cimbrone(ヴィラ チンブローネ)。天空の庭園だ。

大聖堂前の石畳の広場から、石畳の細い路地を上がったり下がったり。進んでいく。

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P5040888__r入り口だ。

すべて石。11世紀から栄えている街。10世紀分の時間がそこに宿って、まだ生きて、時の流れを刻み続けている。これがヨーロッパ。木と紙の文化である日本との違い。どちらが良いとか、そういう話ではなくて、ただただ、それは圧倒されるし、やはり美しい。

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P5040935__r冒頭の写真。ラヴェッロの代表的なカットの一つだと思う。

天空の庭園からアマルフィを見下ろす。

P5040951__r真下をみるとこんな感じ。結構怖い。

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そして空と海。ただただ圧倒される。まさに無限のテラス。

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離れ難い気持ちを抑えて、広い庭園を歩く。

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ちょっと一休み。

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昼食はJが是非行ってみたかった場所で取ることにしている。アマルフィのホテルから昼食の予約は入れてある。ランチでも結構気合の入った値段設定であるのは当然であるが、フラッと行ったのでは入れない可能性が高いため、予約はしておいた方がいい。

ヴィラ チンブローネ。この庭園は、実はホテル ヴィラ チンブローネのお庭であって、このホテルはラヴェッロでは最高級の5つ星ホテルで、11世紀の建物を改装して使っているらしい。

ここはリストランテだけの利用ができるのだ。

Img_3798_r

Img_3799_r高いだけあって美味しいのか、高いお金を出しているから美味しく感じるのか?

まぁともかく美味しい。

そして何より、素晴らしい雰囲気。

P5041000__r宿泊客専用のプライベートガーデン、プールもある。

絵に描いたようなお金持ちそうな(よくイタリアンマフィアのドンがプールサイドで悪巧みしているような)人たちが、絵に描いたように過ごしている。

食後のカプチーノをいただいた後、お店の人に庭に出てもいいか?と恐る恐る聞いてみると、気さくに許してくれた。

庭に降りると、絵に描いたような人たちは決してマフィアではなくて、気のいいお金持ちのようで、笑いかけてくれている。挨拶して、庭を探索する。

P5041006__rプールの後ろがリストランテだ。さっきまでそこでランチを食べていた。

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今度ラヴェッロに来た時は、少し無理してここに泊まろうか?

そんな話をJとしながら、標高350mに吹きあげてくる優しい地中海の風に吹かれる。そんな幸せ。

大聖堂に戻る。P5041040__r

P5041061__r櫓?を支えるライオン達。すべて表情が違う。

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大聖堂を出て、少し街を歩く。

路地に僕はいる。上を見ると...

P5041050__r猫に見下ろされる。どこに行っても、猫ってゆったりと、優雅に見える。

天空の街の石塀の上で君は何を思うのかな?

P5041090__r青空に花々が映える。

P5051095__rそんな空や花や猫を見ながら、ぼーっとした時間を過ごしていたわけは、Jがこの店にこもってしまったから。

焼きもの好き、陶器好きのJは、こういうお店には目がない。じっくり時間を掛けて選んで、購入。そして日本へ発送。自由自在だなぁ。

P5051119__r青い人が浅い池に横たわっている...

P5051108__rこんな前衛的なアートと、1200年代の石積みの建物が混在する庭園。こちらはヴィラ・ルーフォロ。チンブローネと並ぶラヴェッロの庭園。

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チンブローネの方がゆったりとしていて、好きかな。

とてもよい風と時間の中で過ごせる。素敵なところ。天空の街。また来たいね。

しかし、とにかく歩き回っているので、さすがに疲れてきた。

・・・そろそろ帰ろうか。アマルフィへ。

明日はアマルフィを離れ、アマルフィ海岸を西へ。小さな港町、ポジターノへ入る。

そして、明後日は船でカプリ島へ。

この旅もそろそろ終盤だ。

...to be continued...

 

2015年5月24日 (日)

石の街、檸檬の国 ~南イタリア旅行記 その9 アマルフィ~

アマルフィ。

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美しい海岸線から立ち上がる急な山肌にへばりつくように家々が建ち、檸檬などのかんきつ畑がやはり急な山肌に広がる。

どうにも違和感がない。気持ちが馴染む。

ああ、そうか。瀬戸内の風景と似ているんだ。

僕が生まれ育ったのは、広島県は尾道市。海沿いではなかったけれど、家にはみかん畑もあったし、釣りに行くのに自転車を漕いで向島にフェリーで渡り、山を乗り越えて走ると、周りはみかん畑や八朔などのその他の柑橘の畑が広がっていた。

広島県は広島市中心部のデルタを除くと平地がほとんど無いところで、家も畑も山肌にへばりついている。

穏やかな地中海と相まって、とても似た雰囲気を感じた。

さて、このイタリア編のブログを書き始めて何か月になるのだろう。

少なくとも、これは2014年のゴールデンウィークの話で、実は、2015年、今年のゴールデンウィークはサンフランシスコ界隈に行ってきたりもしていて、その前にバリ島にも行ったりしていて、とっても今更な感じがしながら、久しぶりにペン...いや、キーボードに触っているところ。始めたことは収束させねば...

記憶も薄れてきてはいるのだけれど、逆に、鮮明に記憶に残っていることだけにセレクトされてきているともいえるから、そんなレベルで少し駆け足で残りを紡いでみたい。

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眺めの良いテラスで朝食を食べ、とりあえずアマルフィの街に降りてみることにする。

聞くと、小路

をひたすら下っていくと、歩いて街に行けるらしい。では、行ってみよう。

降り始めるとすぐに、作業用のモノレール...みかん畑を知っている人は知っているかも知れないけれど、みかんを畑から降ろすためのものがあって、それを乗用に変えたようなもの...があった。

下からおじさんと子供があがってきた。あ、これ、使っていいのかな?と思って、乗ってボタンを押してみる。

お、動いた!

道沿いにゆっくりと下っていくのだが...あれ?人の家の敷地に入ってしまった!

と思ったら、家の中から人が出てきて怒られた...どうも個人的に敷設しているようだ。けど、この小路、個人所有の道じゃないよね??それを一部占有しているような気もするのだけれど...

まぁ、なんて言って怒っているのか僕には分からないので、とりあえず謝る。

P5030564_rこんな感じの小路をひたすら降りる。景色はいい。

しかし遠い...J、へばり気味。

下の方に来ると、生活道、という雰囲気になってくる。はためく洗濯物。いかにもイタリアらしい建物。これはこれで楽しい。体力のある人にはおすすめするが、少なくとも僕は登る気にはならんな。

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降りたところから海に向かって突堤が伸びている。アマルフィの街を見る。

振り返る。

P5030638_r_2ここを降りてきたんだな。ほとんど崖だよなぁ。

P5030659_r街に向かって歩く。

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P5030668_r大聖堂。

P5030671_r人、多い。

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P5030741_r豪華絢爛。美しい天井画、モザイク、彫刻。

宗教がこれほど華美であれば、そこにはお金の匂いが感じられるけれど、そういう余裕があればこそ発展する芸術もあるのだろうから、何が正しいとか間違いとか、そいう話ではないような気がする。

その時代の香りと感じられるこの石の街は、やはり素敵な場所だと思う。

P5030766_r

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なんだかイタリアっぽい店先。

レモンのジェラートを食べながら歩く。

急な雨。

駆け込んだ店でカプチーノとピザを食べる。

Img_3736_rデカすぎ!

とても全部食えない。

どうにも、海外旅行に来るとお腹が張って調子悪くなる傾向がある。これは時差の影響なのか、緊張(ストレス)が原因なのか、はたまた食べ物のせいなのか。だから、あまり大量の味の濃いものはちょっと食えない。

土産物屋を覗く。陶器の店を覗く。歩き疲れてくたくただけれど、そうして時間が過ぎていく。よいね。

帰りはバスに乗ろう、と思ってバス停らしきところで延々待つのだけれど、なかなかそれらしいバスが来ない。

Jはバス停近くのお土産物屋に行ってしまって、僕はバスを見張る。けれど、携帯電話が使えないから、バスが来てもJに伝えられない。でも、Jはなかなか出てこない。う~む...なんとなく、1年以上経っても記憶に残っているということは、結構イライラしてたんだな。俺。

ディナーの話はもうしたね。

さて、明日は天空の街だ。

to be continue...

2014年10月22日 (水)

石の街、檸檬の国 ~南イタリア旅行記 その8 アマルフィのディナー~

フロントに戻って、どこか美味しいお店がないか?とJが聞いている。

教えてもらったのは、ホテルよりさらに山の上側に進んだところにある、La Carcaraというリストランテ。

そんなに気取った店ではないようだけれど、美味しいそうだ。フロントから予約してもらう。嬉しいことに送迎付き。

正直なところ、マテーラでの食事、また昼のサレルノの食事も、もう、辛い...という状況。イタリアンってこんなもんじゃないだろう?と思ってしまう。野菜などフレッシュな素材にほとんど出会っていない。

さてさて、どんなもんだろうか。

迎えの車が来て、これに乗り込む。・・・速い...俺の運転とはエライ違いだな。

5分ほど走っただろうか?もう少しかな?La Carcaraに到着。

店内に入ると、本当に気取らない食堂、という雰囲気のお店。店員は優しげで雰囲気がいい。落ち着くな。席に案内されて少し待つと...

Img_3698_rでーん!!

来た来た!これだよな。見るからに新鮮そうな、美味しそうな魚。

真鯛?スズキ、チヌっぽい魚も。

どれか選んで料理してもらう、というスタイルなんだな。こっちは。

おすすめの魚を聞くと、真鯛?のような魚を勧められた。料理の仕方もおすすめに従う。

Img_3700_rもう料理の名前もチーズの名前も忘れたけれど、生ハムとなんとかチーズがかけられたサラダだな。新鮮な野菜、久しぶり。野菜をみて嬉しくなるなんて...

Img_3701_rこのパスタ、こいつがまた美味い。ようやくあっさりとしたロングパスタに出会えた。

誰が何と言おうが、僕はパスタはロングが好きだ。ペンネやニョッキやファルファッレはいらん。

それに、ソースもペペロンチーノでいい。

Img_3702_r真鯛?はこんな感じ。なんていう??アクアパッツアでいいのかな?

Img_3703_rサラダも追加。

気取った味ではないけれど、香りもよく、胃が喜ぶような味だ。

最後は自家製ティラミスでしめる。

Img_3704_rこれにJがワインを2杯かな?くらいのんで、70ユーロ 1万円くらい。

あまり日本と変わらないか、少し高いかな、という感じだろうか。イタリアは物価が高い。

さて、少し飛んで、翌日のディナーの話もしてしまう。

今度はもう少し高い、割と有名なリストランテらしい。

DA CICCIO CIELO MAREE TERRA。海辺のリストランテだ。

ホテルで予約してもらって、ロビーで迎えの車を待つ。

今度の車も、陽気なイタリア人ドライバーは、飛ばす飛ばす。峠のワインディングロード的な道を、藤原拓海よろしく、ダウンヒルだ...いやいや、うそうそ、ドリフトはしない(頭文字D知らない人は分からないか)。

完全に海岸線に降り、サレルノとは反対方向に進む。

前夜に比べると、明らかにかなり洒落た店だ。

Img_3754_r

Img_3745_rなんて料理か覚えていないが、ムール貝、タコ、ハマグリ的なものなど。美味しかった。

Img_3746_rこの店でこれは外せない。硝酸紙で包み蒸ししたスバゲッティーニ。これは無茶苦茶美味い。

Img_3750_r何の魚だったか忘れたが、上品な白身魚に檸檬ソースが掛かっている。これも美味い。

Img_3758_rサービスで出してくれたリモンチェロ。当然、僕は舐めるだけ。

Img_3757_rデザート。

さすが本場のイタリアン。南イタリアの料理はこうでなくては。

100ユーロ 1万5千円くらいかかったので、決して安くはないけれど、ここはおすすめのお店だ。トリップアドバイザーでも高評価されている。

ちなみに、僕がワインを飲まないからこれくらいの費用になっている。二人が飲んでたら2万円は超えてるかもね。

しかし、料理というのは、よほど印象に残ったものでないと、時間が経つと記憶が薄れてくる。これだけは早く書かないとだめだなぁ、と思った。ほら、この文章から、あまり美味しそう!って雰囲気、伝わらないでしょ?

でも、両店とも、おすすめです。

to be continue...

2014年10月19日 (日)

海の中を見ていた

前々から興味のあったことの一つに、ダイビング、というものがある。

20年以上、ずっと、主に磯の上から海を見て、海中を、そして海底を想像してきたから、そこを実際にこの目で見てみたい、というのは、当たり前の欲望ではある...のだけれど、それほど器用でないから、海に行けば釣りがしたい、という思いが先走って、とても悠長に潜ってなんかいられないという気もしていた。5年くらい前までは。

再婚した妻は、典型的なリゾートダイバーで、誰もが羨むモルディブで潜ったり、マンタに接近遭遇したりと、その持前の幸運も手伝って、結構いい思いをしている。一方で、怖い思いもしている。

まだここで書いていないバリでも思ったが、ダイビングができるとできないでは、海のリゾートでは楽しみ方の広がりが全く違ってくるから、そのうちライセンスだけでも取得しておこうと思っていた。

さて、そんな僕の思いを知っている妻からの今年の僕の誕生日プレゼント。ダイビングライセンス取得費用だった。

幸い、広島にもダイビングショップはいくつかあって、広島湾でライセンス取得ができることも分かった。いっそ沖縄にでもいって..という思いもないではなかったけれど、それだとお金もかかるし、独りで沖縄にいくのも寂しいしね。

ネットを見ていると、L.M.MARINEというショップが30周年記念ということで、ライセンス取得費用がかなり割引になっていることを発見。

車がない僕としては、公共交通機関で行きにくい場所だと困るのだが、ここは広電路面電車の電停の目の前なので、アクセスにも便利そう。

早速、メールで問い合わせをして、ライセンス取得を前提に平日夕方、お邪魔してみた。

一通り説明を聞いて、もともとライセンス取得するつもりで行っていたので、そのまま必要な費用を支払った。時期的にウェットスーツでも大丈夫だが、ドライスーツの方がいいかも...ただし一日3千円ちょっと余分に費用は掛かるらしい。まぁ、無理するような歳でもないので、ドライでお願いする。登録費用7千円も支払い、講習のターゲットを10月11日~13日の3連休に定める。

ここは、妻がインド出張でいないので、自分で予定を入れない限り暇なのだ。

ちょっと用語解説

・BCD:釣りのフローティングベストのような感じで、空気を入れて浮力確保、抜いて沈下したりするもの。背中にシリンダ(空気ボンベ)を固定するベルトがついている。

・レギュレータ:シリンダに取り付けて、エアを分配するファーストステージ、そこからホースが複数伸びている。口にくわえるセカンドステージ、残圧計などがホースの先についている。またBCDに接続する中圧ホースがあって、これはBCDについている少し径の太いホースの先端にあるインフレータに接続される。インフレータはBCDに空気を送ったり、抜いたりするもので、このインフレータの操作で沈下したり、浮力確保したりする。

で、BCDへのシリンダのセット方法、シリンダへのレギュレータのセット方法、中圧ホースとインフレータの接続、またすべてセットした後の残圧確認、セカンドステージやインフレータへエアが来ているかどうかの確認など教えてもらった。

さて、いよいよ、10月11日の朝が来た。週中から心配していたのは、大きな台風、19号。18号に続いて週末にやってきそうな厄介者だ。幸い、少なくとも11日土曜は問題なさそう。12日日曜も天気は不安だけど、大きな問題はなさそう。13日は無理かなぁ、という感じ。

さて、ショップで所在なく座っている僕。何せ勝手が全く分からないし、どの人がショップの人で、どの人がお客さんかも分からない。

「田中さん、機材の積み込み、確認をしますから、来てください。」と言われてついていく。

今回、僕の指導をしてくれるのは、nimoさんという、小柄な女性のようだ。

説明を受ける。

またしばらく所在なく座って、ようやく出発。

ランドクルーザーと、たぶんハイエースかな?。2台に分乗して五日市港へ。五日市に住んでいる僕としては、朝、移動してきた距離を帰っている訳だけれど、まぁこれは仕方ない。

桟橋前に車がつけられ、車から降りる。周りの動きにならって、シリンダやらメッシュバッグ(機材を入れる袋)やら、桟橋に運ぶ。そうすると、港の奥の方から船がきた。ちょうど、磯渡しの渡船くらいのサイズの船で、なんとなくなじみ深い感じ。違いと言えば、磯に渡すために船の先端から飛び出た...えっと何ていうんだっけか...まぁ橋のようなものがない。

機材を積み込んで、出航。

広島湾でダイビングというと、白石灯台(白石群礁)が有名。しかし、この白石はダイビング、というより、僕からすれば広島湾でもっとも有名なチヌ釣り場だ。ノッコミのシーズンなどは、まっくらなうちから渡船が出て場所取りしているし、なかなか上がれない磯だ。僕はそもそも場所取りとか、混雑したところが嫌いだし、常連が優遇されたりするのを見ているのもイライラするので、シーズンには行ったことがない。一方で、オフシーズンの真夏に、秋田のkishiさんを連れて行ったことがある。このとき、ダイバーが潜っていたのを見ている。海の中見れたら、釣りには有利だろうなぁ、などと思っていた。

だから、白石に是非行きたかったのだが...台風の影響でちょっと風がある。白石は完全に独立磯(大きいが)なので、風を遮るものがない。船は小黒神島の、とても平坦で広い足場となる岩がある磯につけられた。

小黒神、大黒神の両島も、チヌ釣りで有名な場所。しかし、ちょっと早いとはいえ秋磯のシーズンに入ろうかというのに、釣り師がまったくいない。釣れてないのかな?

機材を磯に渡して、安定した陸の上で機材のセットをして、ドライスーツを着る。しかしこいつがなかなか着れない。分厚いネオプレン素材(かな?)を足先から首元まで着るわけだから、窮屈なぬいぐるみの中に入ろうというようなものだ。最後にnimo先生に背中の防水ファスナーを締めてもらって、一息。ちなみに、ぬいぐるみといっても、ファスナーは背骨に沿って縦にあるわけではなくて、両肩を結ぶように真横についている。

まずは機材をつけずに、シュノーケリングで少し泳ぐらしい。バリの海のような透明度はまったくないが、水中マスクの下には、海面からは見えない世界が広がる。スズメダイ、メバル、ベラ類がちらちら見えている。面白い。考えてみると、磯で泳ぐこと自体が初めてかも。

ん?げっ!クラゲだらけじゃん!と思ったら、早速フードとマスクの間から、唇の少し上にクラゲの触手があたったようで、ピリピリする。まったく、厄介者だ...ダイバーとか、水族館が好きな人は、結構クラゲ好きの人がいるように思うが、僕はクラゲは嫌い。釣りをしていてもラインが当たって邪魔なことこの上ないし、触ると痛いし、なにより形がなさ過ぎて気持ち悪い。

一旦陸に上がる。nimo先生がクラゲの触手に触れたときの処置を教えてくれたので、「すみません、早速あたってピリピリしてます。」と報告。すると、酢を湿らせたティッシュを持ってきてくれた。酢を当てておくと、中和するし、刺胞も溶けるらしい。実際、しばらくそうしていたら、痛みは取れたし、後も残らなかった。

磯際。水面まで低くなったところに移動して、ヨタヨタしながら機材を背負い、フィンを履いて、水に入る。ウエイトやらなんやらつけて重たくなった身体が水に浮く。

浮くのはいいが、ドライスーツだから、なのか、足が浮いて、立った状態になれない。足にも小さなウェイトはつけているのだが...しかし、nimo先生はちゃんと立っている。散々苦労して、ようやく足を沈める。

いよいよ潜水だ。インフレータを高く持ち上げて、BCDのエアを抜きながら沈んで...ん?沈まない...なんで??これ、ほんとに沈むの??

頭が沈むところまで来たら、前傾をとる、と聞いたように思うのだが、前傾をとったら足も浮いてしまった。

解決策は、完全に頭が沈むまで落ち着いて待つ。沈んだ後前に倒れる、ということのようなのだけれど、これがなかなかね。

沈むと、そこは磯の底。ああ、こんなに複雑なんだ。とくに黒神あたりは磯際から急激に深くなっていて、磯回りは大きな岩がごろごろしている、ということは知っていたけれど、知っている、ということと、それを体験している、ということでは、大きな違いがある。

いろいろと規定のトレーニングを進めていく。沈んでいても気を抜くと浮いてくる。

ダイビングの基本原理は、沈めば気体が圧縮され(10m潜れば圧力が2倍になり、空気の体積は1/2、浮力も1/2になる)て沈みやすくなり、浮けば逆に浮きやすくなる。急激に沈むと圧力平衡...つまり耳抜きができないし、急激に浮くと、圧力症といって、体内の窒素の処理ができなくなるから、ゆっくり沈んで、ゆっくり浮く、というのが大切らしい。あと、呼吸は停めないこと。

深度が深くなるほどBCDにエアを入れて浮力を確保してゆっくり沈み、浮くときはBCDから空気を抜きながらゆっくり浮く。中性浮力を保つためには、これをバランスさせる、ということ。

理屈はわかるが、空気を吸えば身体は浮くし、吐けば沈む。しかもこれには2~3秒のタイムラグがある(...と言われるまで、なんで空気吸ったのに沈んで、吐いたののに浮くの??と悩んでいた。)。慣れないと、海中に留まっておくこともできない。気を抜くと浮いてしまい、浮き始めるとなかなか止まらない。

沈んで海底に当たったり、浮き始めて焦ったりと、あっという間に午前が終わり、シーフードヌードルとおにぎりを食べて、一休みして、午後。これもあっという間に終わる。

楽しい。海の中、すごい。こんなにきれいな色のウミウシがいたんだ。こんなにメバルだらけなんだ、広島湾の海は。チヌには会えなかった。

Pa110337_r2ちょいと貧相な初心者ダイバーの図(nimo先生撮影)

初日が終わり、ショップでログブック(その日の海の状況、深度、潜水時間、エアの使用量などを書く)の書き方を教えてもらって、ショップで出してくれたたこ焼きなどをつつきつつ、ベテランの皆さんの話に耳を傾ける。かなりの常連さんばかりのようで、ちょっと話には入りにくいが、新しい世界がそこに広がっていた。

二日目。曇天ながら雨は降っていない。この日も小黒神島の同じポイント。

nimo先生に指導してもらいながら、初日よりはマシになったかな?と思いつつ、浮き始めて慌てたり..

しかし、ダイビングはあまり疲れない。基本的に泳ぐ、というより浮いているだけなので(特に講習中だから、ということもあるけれど)、これなら歳とってもやれそうだ。

そして三日目。

台風は確実に来そうだが、状況次第、とのことだったので、一旦ショップ行ってみる。五日市港まで移動したら、港自体が閉鎖されていた。まぁこれは仕方がない。

折角きたから、筆記試験を先に受けさせてもらう。

しかし、ほんとに勉強嫌いだなぁ、と思った。また、根が生真面目なものだから、教本を与えられると、一から全部読まないと気が済まないし、可能な限り全部覚えないと気が済まない。なので、寝る前に1週間ほど、ずっと、ちょっとずつ勉強していた...のだが、結構厚みのある教本なので、何度も嫌になった。

が、結果として、2問間違えて96点。問題なく合格。

三日目は5日後、10月18日土曜。秋晴れ、快晴だ。

船は白石灯台に向かっている。

Pa180714_r2_2やはりチヌ釣り師には、ここは特別だ。

Pa180719_r2昼休憩に磯上がりして、少し散策。

Pa180720_r2

kishiさんとあがった、西の岩場が見える。Pa180721_r2

Pa180723_r2涎が出そうな(釣り師的には)磯だ。

そして、海の中。バリ島でシュノーケリングするために買ったオリンパスのTG2という15m防水のカメラを午後は持ち込んでみる。

Pa180812_r2

Pa180775_r2

Pa180769_r2

とにかくメバルが多い。

減った、と言われる広島湾のメバルだけれど、写真にはうまく取れないけれど、100や200ではきかない群れがいたり、岩の隙間や、案外何もない海底に大きめのメバルがいたり。

そして厄介者のスズメダイの乱舞。

Pa180827_r2

Pa180791_r2一瞬、スズメダイの壁、ともいえるような群れが静止し、次の瞬間、僕らの方に向かってきた。一瞬びっくり。

その向こう側にはハマチ。大したサイズではないが、大き目と小さ目の二尾。

20年前なら見れなかった光景だな。聞くところによると、カンパチも回っているらしいし、ミノカサゴもいたとか。ミノカサゴは死滅回遊のようなものだろうけれど、水温の上昇は怖くなるくらいだ。

Pa180728_r2

Pa180730_r2分かりにくいけれど、中央の盛り上がったところは巨大な真牡蠣。nimo先生に教えてもらわないと分からない。

Pa180737_r2メバルの帯。

Pa180744_r2岩にへばりついたカサゴ。

Pa180756_r2綺麗なアオウミウシ。シロウミウシやヒロウミウシなど、広島湾にはこういう小さな(これは2cmほど)美しい生き物がたくさんいる。

Pa180751_r2名前を聞いたかもしれないけれど忘れてしまった。ゼンマイのような海藻。

Pa180750_r2釣り師には割とにっくきハオコゼ。ダイビング中もうっかり手をつくと危ない。

Pa180793_r2ウマヅラハギ。

Pa180771_r2海底の駆け上がり。こういうところを狙って釣るわけだけれど、白石はずどん、と深くなっていると思ったら、こういう割と急角度の駆け上が続いていた。底を釣る、なんてこと、実際には難しいな。

Pa180778_r2真鯛、というかチャリコ。

Pa180823_r2分かるだろうか?中央右寄り、頭を下にしてオコゼがいる。

Pa180799_r2ガラモの林。この中に割と方のいいメバルやアイナメ、クジメなどが潜んでいた。

Pa180804_r2小さな小さな、アミメハギ。

Pa180747_r2キサンゴ?

Pa180829_r2美しい。

そんなわけで、とりあえずPADI オープンウォーターダイバーが一人誕生。

新しい海とのかかわり方、その幕があいた。

さてさて、これからどうするかな。とりあえず、暇を見つけて海に行ってみよう。

もう少し上のライセンスを取るのもいいかもな~

nimo先生から、グレの写真いただいたので、追加!

チヌは小さいの一枚見かけた。グレの方が多くて、なかなか近づけないけれど、さすがnimo先生は写真も上手。

Pa180369_r2_2

2014年9月21日 (日)

石の街、檸檬の国 ~南イタリア旅行記 その7 アマルフィ海岸。その渋滞。~

サレルノの海岸線の道路からすぐに出ることができる護岸では、釣り糸を垂れている人がちらほらいる。そんなに真剣に釣りをしているような雰囲気ではなく、なんとなく、日本でもちょっと気軽に釣りをしている方たちを護岸や防波堤で見かけるけれど、そんな感じ。

あ、真剣に...というのは表現悪いな。スタイルはそれぞれ自由。10万円の竿使っていようが、5000円の竿使っていようが、それはその人の楽しみ方だから、真剣とか真剣じゃないとか、そういう問題ではない。

僕らのようなマニアっぽい釣り師の方が、実は妙な思い込みに捉われて、楽しみ方を減らしているのかも知れない。

Img_3690_r人に迷惑を掛けず、ゴミを捨てず、楽しめれば、それはたぶん一番心地よい釣りなのだろうと、今は思う。

さて、サレルノを出れば、間もなく起伏と九十九折。海沿いの崖の上をひたすら走る、アマルフィ海岸沿いの道路に入る。

日本で地磯で釣りをしていると、こういう道は結構通るのだけれど、何しろ距離が長い。ひたすら同じような道が続き、しかも車幅は狭いし、トロトロ走っていると、まったく先の見えないコーナーで後ろから追い抜かれるし、前からも平気で反対車線、つまりは僕の目の前にはみ出して追い抜きを掛ける車がいるし...で、これがまた大変。

織田裕二のアマルフィの映画では、この道を心地よく駆け抜けていくシーンが記憶に残っているが、走っている本人は海を見ている訳にもいかないし、ひたすらに次から次にやってくるきついコーナーを、まったくトルクのないドン臭い車で抜けていくしかない訳で...本人的にはまったく心地よくはない。

しかし、距離が長い、とはいっても、サレルノからアマルフィまでは25kmほど。25kmこの道を走るというと気が遠くなるが、遠すぎる距離ではない。1時間も走れば着く距離なのだが...

アマルフィ海岸SS163道路は、渋滞する。混むのだ。観光案内にも混む、書いてある。これはほんとだ。観光バスもどんどん入ってきて、どんどん混む。あの映画は美化し過ぎだと思う。

しばらくは、ほどほどに車がいる状態で、先述したような状況ではあるけれど、淡々と距離を稼いでいた。

ところが...だ。

いくつかの街。その海岸通りを抜け、崖の上を走る。

...と、少し海岸から離れて街の中へ入る。道なりだから仕方がない。

あとで地図を見てみると、ここはMINORIという街だったようだ。何故だか知らないが、いきなり90度、山手方向に道が曲がり、180度Uターンして、また海岸方向に出る、という、しかもそのUターンする地点までの距離が無意味に長い、という、意味不明な道路の形状?になっている。しかもしかも、そのUターンポイントが交差点になっていて、もう無茶苦茶。

とにかく渋滞でまったく車が動かない。最初は事故でもあったのか?と思ったけれど、そうではなかった。小一時間、ここでつかまる。

ようやくここを抜けて、心地よく走っていると、ふと海側に、なんだかすごい建物が目に入る。

P5020443_rおそらくは相当古い建物なのだろうけれど、岩場、磯場の景観と馴染んで、圧倒的な雰囲気を醸し出している。

車を停めて、ちょっと近づいてみる。

どうにもリストランテとして営業しているようだ。

P5020446_r階段を降りると入り口がある。

P5020450_r階段の上に足が見えているが、これはJ。

物怖じをしないJは、食事をするわけでもないのに、「ちょっと中を見せてもらっていい?」と聞いて、それで「いいよ!」という返事をもらってくる。

小心者の僕には、本当にありがたいパートナーだ。

P5020451_r当然ながら、圧倒的に見晴らしのいい、素晴らしいリストランテ。

時間が取れたら、ここでディナーしてもいいね、などと言いながら、結局、併設のカフェでカプチーノを...飲むこともなく、お礼をいってここを出る。

しかし、本当に石が伝える歴史は、そのまま後世に伝えられていて、普通に使われている。凄いなぁ。ヨーロッパは。

そしてとうとう...

Img_3696_r

アマルフィだ。

1時間で着くと思ったら、3~4時間かかってしまった。

最後の渋滞。アマルフィの街中だ。

バスの駐車場かな?その山手側に、これまた石積みの建物?道路の上にアーチが掛かっているような形になって、そこの下を抜ける山へ登る道がある。

この手前で交通整理のおじさんにさんざん停められて、ようやく坂を登り始める。

この日宿泊するホテルは、Grand Hotel Excelsior Amalfi。

ホテルサッシからはグレードアップして、4つ星のホテルだ。

アマルフィはほとんど平地がないため、急峻な山肌にへばりつくようにしてホテルが建てられている。このホテルもそんなホテルのようだ。

しばらく走って、ようやくホテルに到着する。

そんな地形なので、駐車スペースも極めて狭い。

とりあえず、ホテルの入り口前(ロータリーなんてものはない)に車を停め、ホテルの人たちに荷物を預け、車の鍵も預ける。

ふぅ...今日も何事もなく運転を終えられてよかったよ、ほんと。

P5040808_rチェックインはJにお任せ。

完了したら、部屋に案内される。どうも本館?ではないようだ。

本館内のエレベータで下に降りて(ロビーはホテルの一番上にあって、部屋は下の崖沿いにへばりついている)、本館から海側に抜けて右手方向に進むと、石積みのエレベータがある(エレベータが石積みではなくて、外壁がね)。写真に写っているのは、誰か知らないが、これは別の宿泊客。

ガタビシいってるエレベータで下に降りると、客室の建物の入り口がある。

P5040815_r_2ここを入ってすぐ、ようやく僕らの部屋だ。

P5030454_r広くはないが、綺麗な部屋。

ホテルサッシが特殊だったから、なんだか、少しホッとする。

P5030466_rもう、夕暮れ迫るアマルフィの街をホテルの窓から見下ろす。

ふぅ。着いた。

飯、食いにいかなきゃなぁ...

何か、フレッシュなものが食べたいのだけれど、さてさてアマルフィの食事は??

to be continue...