石の街、檸檬の国 ~南イタリア旅行記 その11 坂の街ポジターノ~
2014年5月4日になっている。
テラスでゆったりと食事をとる。景色は本当に素晴らしい。Grand Hotel Excelsior Amalfi。
ホテルをチェックアウトし、玄関に回されたフォードに乗る。いまだ愛着が湧く、ということもないこの鈍重な車だけれど、アマルフィ海岸を走るのもこれで最後だし、少しは左ハンドルにも慣れてきているので、今日は少しは颯爽と?走れるかな?
山を降り、アマルフィの街をかすめるように抜けて、海岸線を西に向かう。このアマルフィ海岸は、はたから見ていると走って楽しそう、気持ちよさそうだが、道は狭いし、イタリアっ子の運転は荒くてどこででも追い抜きを掛けてくるし、車はドン臭くて走らないし、左ハンドルだとやっぱり運転もエッチラオッチラだし、海側の景色は石積みのガードレール?でほとんど見えないし...正直なところ、まったく心地よくない。
ちょっとフライングするけれど、この南イタリア編を書き終わったら、1年の時間を飛んで、2015年のゴールデンウィークのサンフランシスコ旅行の記憶を記しておこうと思っている。
サンフランシスコでも1泊2日でレンタカーを借りたのだけれど、こちらは車は面白いし、道は広いし、運転していても景色がいいし...ドライブはアメリカ西海岸の方が楽しいなぁ、と心底思った...
ともかく、若干スムーズになった運転で、本来なら小一時間程度の距離のはずのドライブだったのだけれど...
トンネルを抜けたあたりで、また渋滞。これもまったく動かない。先の渋滞は少しずつ動いていたけれど、今度の渋滞はまったく進まない。
30分くらい待っただろうか。それでも動かないし、イタリア人のドライバーや同乗者は車を降りて、様子を見に行っている。
僕もJを車に残して、様子を見に行ってみる。
言葉ができれば、帰ってきている人に「どうなってるの?」と聞けるのだけれど、それができない僕としては、とりあえず小走りに渋滞の先頭を目指していってみる。
ちょっと海側を覗いてみたら、こんな感じ。こういう崖の上の道を走っている訳だ。
さて、どうにも、警察が車を止めているようだ。あとで分かったのだけれど、祭りがあったようで、そのパレード?というほど大掛かりではないけれど、日本の地方都市で子供神輿が出るようなお祭り?そんなものだったのかな。それで交通整理が入っていたらしい。
この交通量が多くて、かつ抜け道のない道路。そんなに長いこと止めるなよな~
と、旅人の僕としては思ってしまう。
渋滞の先頭あたりを見ていると、なんだか、車を動かしそうな気配が見えてきた。
慌てて走って車に戻る。
やれやれ...
ようやく走り始める。
あれ?この日はお昼をどうしたんだっけ?かなり疲労困憊だった記憶はあるのだけれど...
記憶は、ポジターノの狭く、またグネグネとした急な坂を海の方に下っているところに飛んでいる。食べなかったのかな?
ホテルに着いたのはいいのだけれど、そんな狭い曲がりくねった道の脇にひっそりとホテルの入り口がある。車、どうしたらいいんだろう...
どうやら、ここで車を預ければいいらしい。スーツケースを降ろして、鍵を渡す。
このポジターノは本当にほぼ平地がない。崖に建物がへばりついているような状態だ。なので、駐車場なんて、そんなスペースを都合よくホテルの近くに作ることはできないのだろう。
そうか。石の街であるイタリアの都市は、古い歴史をそれぞれが持っている。
馬車が走りやすいように石畳にしているのだろうし、石積みの建物は時間を超えていく。つまり、簡単に建物を撤去して、アスファルトで道を広げる、といったことが難しいのだろうし、石に歴史を宿して生きているヨーロッパでは、古いものを壊す、という考え方も少ないのだろう。だから、自動車社会のいま、これほど走りにくいし、不便なんだろうな。
都市と都市を結ぶ高速道路網は、一方で車社会であるヨーロッパを象徴しているけれど、こんな風に、便利と不便、古代と近代を同居させている文化は、やはり日本とは違うし、きっとアメリカとも違うのだろう。
・・・これもよいね。割と好きかも。こういうの。
Hotel Villa Franca。立地ゆえにコンパクトな部屋だけれど、雰囲気はいい。
だがコンパクト過ぎて、スーツケースを二つ開くのに少々苦労する。
なんだかんだで、移動だけですでに黄昏時を迎えようとしている。部屋の窓からの風景。
ホテルのリストランテ。
さて、晩御飯を...
ポジターノの街に降りれば、美味しいお店は沢山あるらしい。歩いて降りることもできるらしい。
歩いてみる。一昨日のアマルフィの山下り、昨日のラヴェッロの散策で疲労している足は少々嫌がっているが、これまた、降り始めてみると、なかなか下に着かない。バスにすればよかった...
結局、夜はこんなところで過ごした。
地元のリストランテ、という感じで、気さくかついい加減そうなイタリアンな店員に案内され、少し寒い思いをしながら、道路わきの外席で過ごす。雰囲気は悪くない。味も上品ではないけれど悪くない。
バスを待って、ホテルに戻る。
翌朝、少し早目に起きる。
ポジターノの朝。
バスでポジターノの街へ降りる。
今日はカプリ島へ行く予定だ。
船のチケットをどこで買ったらよいのか?さっぱり分からない。
チャーター船のチケット売り場も沢山あるし(カプリの青の洞窟のツアーなど)、しばらくウロウロして、ようやくチケット売り場を把握し、購入。
ここだった。
船を待つ間、しばしそのあたりをウロウロしながらくつろぐ。
絵になる街だなぁ。
君は何を思うのかな?
船が来た。
さて、カプリに行こう。
...to be continued...
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