石の街、檸檬の国 ~南イタリア旅行記 その10 天空の街ラヴェッロ~
天空の街 ラヴェッロ。
アマルフィの街から車だと20~30分というところだろうか。
印象としては、もっと時間がかかったような気がする。ホテルから海岸通りまで坂を下りて、海岸線をサレルノ方面に少し戻る。海岸線からこれこそ九十九折と言えるようなヘアピンカーブをいくつか越えて、急激に高度を稼ぐ。ああ、そういえばそこそこ車が走っていたから、結構時間が掛かったんだったな。どこも道は狭い。
ここは車で来るしかないから(観光バスは別として)、駐車場は結構ある様子。朝も早めに出てきたから、割と街の近くの駐車場に停めることができた。
車を置いて、階段を登る。
ドゥォーモ(大聖堂前)の前の広場。お土産物屋やオープンカフェ。少し落ち着いた雰囲気だ。
織田裕二のアマルフィでは、アマルフィとの実際の距離は無視されて、この街でのロケもされている。
まずは、兎にも角にも目的地を目指す。Villa Cimbrone(ヴィラ チンブローネ)。天空の庭園だ。
大聖堂前の石畳の広場から、石畳の細い路地を上がったり下がったり。進んでいく。
入り口だ。
すべて石。11世紀から栄えている街。10世紀分の時間がそこに宿って、まだ生きて、時の流れを刻み続けている。これがヨーロッパ。木と紙の文化である日本との違い。どちらが良いとか、そういう話ではなくて、ただただ、それは圧倒されるし、やはり美しい。
冒頭の写真。ラヴェッロの代表的なカットの一つだと思う。
天空の庭園からアマルフィを見下ろす。
真下をみるとこんな感じ。結構怖い。
そして空と海。ただただ圧倒される。まさに無限のテラス。
離れ難い気持ちを抑えて、広い庭園を歩く。
ちょっと一休み。
昼食はJが是非行ってみたかった場所で取ることにしている。アマルフィのホテルから昼食の予約は入れてある。ランチでも結構気合の入った値段設定であるのは当然であるが、フラッと行ったのでは入れない可能性が高いため、予約はしておいた方がいい。
ヴィラ チンブローネ。この庭園は、実はホテル ヴィラ チンブローネのお庭であって、このホテルはラヴェッロでは最高級の5つ星ホテルで、11世紀の建物を改装して使っているらしい。
ここはリストランテだけの利用ができるのだ。
高いだけあって美味しいのか、高いお金を出しているから美味しく感じるのか?
まぁともかく美味しい。
そして何より、素晴らしい雰囲気。
宿泊客専用のプライベートガーデン、プールもある。
絵に描いたようなお金持ちそうな(よくイタリアンマフィアのドンがプールサイドで悪巧みしているような)人たちが、絵に描いたように過ごしている。
食後のカプチーノをいただいた後、お店の人に庭に出てもいいか?と恐る恐る聞いてみると、気さくに許してくれた。
庭に降りると、絵に描いたような人たちは決してマフィアではなくて、気のいいお金持ちのようで、笑いかけてくれている。挨拶して、庭を探索する。
プールの後ろがリストランテだ。さっきまでそこでランチを食べていた。
今度ラヴェッロに来た時は、少し無理してここに泊まろうか?
そんな話をJとしながら、標高350mに吹きあげてくる優しい地中海の風に吹かれる。そんな幸せ。
大聖堂に戻る。
櫓?を支えるライオン達。すべて表情が違う。
大聖堂を出て、少し街を歩く。
路地に僕はいる。上を見ると...
猫に見下ろされる。どこに行っても、猫ってゆったりと、優雅に見える。
天空の街の石塀の上で君は何を思うのかな?
青空に花々が映える。
そんな空や花や猫を見ながら、ぼーっとした時間を過ごしていたわけは、Jがこの店にこもってしまったから。
焼きもの好き、陶器好きのJは、こういうお店には目がない。じっくり時間を掛けて選んで、購入。そして日本へ発送。自由自在だなぁ。
青い人が浅い池に横たわっている...
こんな前衛的なアートと、1200年代の石積みの建物が混在する庭園。こちらはヴィラ・ルーフォロ。チンブローネと並ぶラヴェッロの庭園。
チンブローネの方がゆったりとしていて、好きかな。
とてもよい風と時間の中で過ごせる。素敵なところ。天空の街。また来たいね。
しかし、とにかく歩き回っているので、さすがに疲れてきた。
・・・そろそろ帰ろうか。アマルフィへ。
明日はアマルフィを離れ、アマルフィ海岸を西へ。小さな港町、ポジターノへ入る。
そして、明後日は船でカプリ島へ。
この旅もそろそろ終盤だ。
...to be continued...
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