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2014年10月

2014年10月22日 (水)

石の街、檸檬の国 ~南イタリア旅行記 その8 アマルフィのディナー~

フロントに戻って、どこか美味しいお店がないか?とJが聞いている。

教えてもらったのは、ホテルよりさらに山の上側に進んだところにある、La Carcaraというリストランテ。

そんなに気取った店ではないようだけれど、美味しいそうだ。フロントから予約してもらう。嬉しいことに送迎付き。

正直なところ、マテーラでの食事、また昼のサレルノの食事も、もう、辛い...という状況。イタリアンってこんなもんじゃないだろう?と思ってしまう。野菜などフレッシュな素材にほとんど出会っていない。

さてさて、どんなもんだろうか。

迎えの車が来て、これに乗り込む。・・・速い...俺の運転とはエライ違いだな。

5分ほど走っただろうか?もう少しかな?La Carcaraに到着。

店内に入ると、本当に気取らない食堂、という雰囲気のお店。店員は優しげで雰囲気がいい。落ち着くな。席に案内されて少し待つと...

Img_3698_rでーん!!

来た来た!これだよな。見るからに新鮮そうな、美味しそうな魚。

真鯛?スズキ、チヌっぽい魚も。

どれか選んで料理してもらう、というスタイルなんだな。こっちは。

おすすめの魚を聞くと、真鯛?のような魚を勧められた。料理の仕方もおすすめに従う。

Img_3700_rもう料理の名前もチーズの名前も忘れたけれど、生ハムとなんとかチーズがかけられたサラダだな。新鮮な野菜、久しぶり。野菜をみて嬉しくなるなんて...

Img_3701_rこのパスタ、こいつがまた美味い。ようやくあっさりとしたロングパスタに出会えた。

誰が何と言おうが、僕はパスタはロングが好きだ。ペンネやニョッキやファルファッレはいらん。

それに、ソースもペペロンチーノでいい。

Img_3702_r真鯛?はこんな感じ。なんていう??アクアパッツアでいいのかな?

Img_3703_rサラダも追加。

気取った味ではないけれど、香りもよく、胃が喜ぶような味だ。

最後は自家製ティラミスでしめる。

Img_3704_rこれにJがワインを2杯かな?くらいのんで、70ユーロ 1万円くらい。

あまり日本と変わらないか、少し高いかな、という感じだろうか。イタリアは物価が高い。

さて、少し飛んで、翌日のディナーの話もしてしまう。

今度はもう少し高い、割と有名なリストランテらしい。

DA CICCIO CIELO MAREE TERRA。海辺のリストランテだ。

ホテルで予約してもらって、ロビーで迎えの車を待つ。

今度の車も、陽気なイタリア人ドライバーは、飛ばす飛ばす。峠のワインディングロード的な道を、藤原拓海よろしく、ダウンヒルだ...いやいや、うそうそ、ドリフトはしない(頭文字D知らない人は分からないか)。

完全に海岸線に降り、サレルノとは反対方向に進む。

前夜に比べると、明らかにかなり洒落た店だ。

Img_3754_r

Img_3745_rなんて料理か覚えていないが、ムール貝、タコ、ハマグリ的なものなど。美味しかった。

Img_3746_rこの店でこれは外せない。硝酸紙で包み蒸ししたスバゲッティーニ。これは無茶苦茶美味い。

Img_3750_r何の魚だったか忘れたが、上品な白身魚に檸檬ソースが掛かっている。これも美味い。

Img_3758_rサービスで出してくれたリモンチェロ。当然、僕は舐めるだけ。

Img_3757_rデザート。

さすが本場のイタリアン。南イタリアの料理はこうでなくては。

100ユーロ 1万5千円くらいかかったので、決して安くはないけれど、ここはおすすめのお店だ。トリップアドバイザーでも高評価されている。

ちなみに、僕がワインを飲まないからこれくらいの費用になっている。二人が飲んでたら2万円は超えてるかもね。

しかし、料理というのは、よほど印象に残ったものでないと、時間が経つと記憶が薄れてくる。これだけは早く書かないとだめだなぁ、と思った。ほら、この文章から、あまり美味しそう!って雰囲気、伝わらないでしょ?

でも、両店とも、おすすめです。

to be continue...

2014年10月19日 (日)

海の中を見ていた

前々から興味のあったことの一つに、ダイビング、というものがある。

20年以上、ずっと、主に磯の上から海を見て、海中を、そして海底を想像してきたから、そこを実際にこの目で見てみたい、というのは、当たり前の欲望ではある...のだけれど、それほど器用でないから、海に行けば釣りがしたい、という思いが先走って、とても悠長に潜ってなんかいられないという気もしていた。5年くらい前までは。

再婚した妻は、典型的なリゾートダイバーで、誰もが羨むモルディブで潜ったり、マンタに接近遭遇したりと、その持前の幸運も手伝って、結構いい思いをしている。一方で、怖い思いもしている。

まだここで書いていないバリでも思ったが、ダイビングができるとできないでは、海のリゾートでは楽しみ方の広がりが全く違ってくるから、そのうちライセンスだけでも取得しておこうと思っていた。

さて、そんな僕の思いを知っている妻からの今年の僕の誕生日プレゼント。ダイビングライセンス取得費用だった。

幸い、広島にもダイビングショップはいくつかあって、広島湾でライセンス取得ができることも分かった。いっそ沖縄にでもいって..という思いもないではなかったけれど、それだとお金もかかるし、独りで沖縄にいくのも寂しいしね。

ネットを見ていると、L.M.MARINEというショップが30周年記念ということで、ライセンス取得費用がかなり割引になっていることを発見。

車がない僕としては、公共交通機関で行きにくい場所だと困るのだが、ここは広電路面電車の電停の目の前なので、アクセスにも便利そう。

早速、メールで問い合わせをして、ライセンス取得を前提に平日夕方、お邪魔してみた。

一通り説明を聞いて、もともとライセンス取得するつもりで行っていたので、そのまま必要な費用を支払った。時期的にウェットスーツでも大丈夫だが、ドライスーツの方がいいかも...ただし一日3千円ちょっと余分に費用は掛かるらしい。まぁ、無理するような歳でもないので、ドライでお願いする。登録費用7千円も支払い、講習のターゲットを10月11日~13日の3連休に定める。

ここは、妻がインド出張でいないので、自分で予定を入れない限り暇なのだ。

ちょっと用語解説

・BCD:釣りのフローティングベストのような感じで、空気を入れて浮力確保、抜いて沈下したりするもの。背中にシリンダ(空気ボンベ)を固定するベルトがついている。

・レギュレータ:シリンダに取り付けて、エアを分配するファーストステージ、そこからホースが複数伸びている。口にくわえるセカンドステージ、残圧計などがホースの先についている。またBCDに接続する中圧ホースがあって、これはBCDについている少し径の太いホースの先端にあるインフレータに接続される。インフレータはBCDに空気を送ったり、抜いたりするもので、このインフレータの操作で沈下したり、浮力確保したりする。

で、BCDへのシリンダのセット方法、シリンダへのレギュレータのセット方法、中圧ホースとインフレータの接続、またすべてセットした後の残圧確認、セカンドステージやインフレータへエアが来ているかどうかの確認など教えてもらった。

さて、いよいよ、10月11日の朝が来た。週中から心配していたのは、大きな台風、19号。18号に続いて週末にやってきそうな厄介者だ。幸い、少なくとも11日土曜は問題なさそう。12日日曜も天気は不安だけど、大きな問題はなさそう。13日は無理かなぁ、という感じ。

さて、ショップで所在なく座っている僕。何せ勝手が全く分からないし、どの人がショップの人で、どの人がお客さんかも分からない。

「田中さん、機材の積み込み、確認をしますから、来てください。」と言われてついていく。

今回、僕の指導をしてくれるのは、nimoさんという、小柄な女性のようだ。

説明を受ける。

またしばらく所在なく座って、ようやく出発。

ランドクルーザーと、たぶんハイエースかな?。2台に分乗して五日市港へ。五日市に住んでいる僕としては、朝、移動してきた距離を帰っている訳だけれど、まぁこれは仕方ない。

桟橋前に車がつけられ、車から降りる。周りの動きにならって、シリンダやらメッシュバッグ(機材を入れる袋)やら、桟橋に運ぶ。そうすると、港の奥の方から船がきた。ちょうど、磯渡しの渡船くらいのサイズの船で、なんとなくなじみ深い感じ。違いと言えば、磯に渡すために船の先端から飛び出た...えっと何ていうんだっけか...まぁ橋のようなものがない。

機材を積み込んで、出航。

広島湾でダイビングというと、白石灯台(白石群礁)が有名。しかし、この白石はダイビング、というより、僕からすれば広島湾でもっとも有名なチヌ釣り場だ。ノッコミのシーズンなどは、まっくらなうちから渡船が出て場所取りしているし、なかなか上がれない磯だ。僕はそもそも場所取りとか、混雑したところが嫌いだし、常連が優遇されたりするのを見ているのもイライラするので、シーズンには行ったことがない。一方で、オフシーズンの真夏に、秋田のkishiさんを連れて行ったことがある。このとき、ダイバーが潜っていたのを見ている。海の中見れたら、釣りには有利だろうなぁ、などと思っていた。

だから、白石に是非行きたかったのだが...台風の影響でちょっと風がある。白石は完全に独立磯(大きいが)なので、風を遮るものがない。船は小黒神島の、とても平坦で広い足場となる岩がある磯につけられた。

小黒神、大黒神の両島も、チヌ釣りで有名な場所。しかし、ちょっと早いとはいえ秋磯のシーズンに入ろうかというのに、釣り師がまったくいない。釣れてないのかな?

機材を磯に渡して、安定した陸の上で機材のセットをして、ドライスーツを着る。しかしこいつがなかなか着れない。分厚いネオプレン素材(かな?)を足先から首元まで着るわけだから、窮屈なぬいぐるみの中に入ろうというようなものだ。最後にnimo先生に背中の防水ファスナーを締めてもらって、一息。ちなみに、ぬいぐるみといっても、ファスナーは背骨に沿って縦にあるわけではなくて、両肩を結ぶように真横についている。

まずは機材をつけずに、シュノーケリングで少し泳ぐらしい。バリの海のような透明度はまったくないが、水中マスクの下には、海面からは見えない世界が広がる。スズメダイ、メバル、ベラ類がちらちら見えている。面白い。考えてみると、磯で泳ぐこと自体が初めてかも。

ん?げっ!クラゲだらけじゃん!と思ったら、早速フードとマスクの間から、唇の少し上にクラゲの触手があたったようで、ピリピリする。まったく、厄介者だ...ダイバーとか、水族館が好きな人は、結構クラゲ好きの人がいるように思うが、僕はクラゲは嫌い。釣りをしていてもラインが当たって邪魔なことこの上ないし、触ると痛いし、なにより形がなさ過ぎて気持ち悪い。

一旦陸に上がる。nimo先生がクラゲの触手に触れたときの処置を教えてくれたので、「すみません、早速あたってピリピリしてます。」と報告。すると、酢を湿らせたティッシュを持ってきてくれた。酢を当てておくと、中和するし、刺胞も溶けるらしい。実際、しばらくそうしていたら、痛みは取れたし、後も残らなかった。

磯際。水面まで低くなったところに移動して、ヨタヨタしながら機材を背負い、フィンを履いて、水に入る。ウエイトやらなんやらつけて重たくなった身体が水に浮く。

浮くのはいいが、ドライスーツだから、なのか、足が浮いて、立った状態になれない。足にも小さなウェイトはつけているのだが...しかし、nimo先生はちゃんと立っている。散々苦労して、ようやく足を沈める。

いよいよ潜水だ。インフレータを高く持ち上げて、BCDのエアを抜きながら沈んで...ん?沈まない...なんで??これ、ほんとに沈むの??

頭が沈むところまで来たら、前傾をとる、と聞いたように思うのだが、前傾をとったら足も浮いてしまった。

解決策は、完全に頭が沈むまで落ち着いて待つ。沈んだ後前に倒れる、ということのようなのだけれど、これがなかなかね。

沈むと、そこは磯の底。ああ、こんなに複雑なんだ。とくに黒神あたりは磯際から急激に深くなっていて、磯回りは大きな岩がごろごろしている、ということは知っていたけれど、知っている、ということと、それを体験している、ということでは、大きな違いがある。

いろいろと規定のトレーニングを進めていく。沈んでいても気を抜くと浮いてくる。

ダイビングの基本原理は、沈めば気体が圧縮され(10m潜れば圧力が2倍になり、空気の体積は1/2、浮力も1/2になる)て沈みやすくなり、浮けば逆に浮きやすくなる。急激に沈むと圧力平衡...つまり耳抜きができないし、急激に浮くと、圧力症といって、体内の窒素の処理ができなくなるから、ゆっくり沈んで、ゆっくり浮く、というのが大切らしい。あと、呼吸は停めないこと。

深度が深くなるほどBCDにエアを入れて浮力を確保してゆっくり沈み、浮くときはBCDから空気を抜きながらゆっくり浮く。中性浮力を保つためには、これをバランスさせる、ということ。

理屈はわかるが、空気を吸えば身体は浮くし、吐けば沈む。しかもこれには2~3秒のタイムラグがある(...と言われるまで、なんで空気吸ったのに沈んで、吐いたののに浮くの??と悩んでいた。)。慣れないと、海中に留まっておくこともできない。気を抜くと浮いてしまい、浮き始めるとなかなか止まらない。

沈んで海底に当たったり、浮き始めて焦ったりと、あっという間に午前が終わり、シーフードヌードルとおにぎりを食べて、一休みして、午後。これもあっという間に終わる。

楽しい。海の中、すごい。こんなにきれいな色のウミウシがいたんだ。こんなにメバルだらけなんだ、広島湾の海は。チヌには会えなかった。

Pa110337_r2ちょいと貧相な初心者ダイバーの図(nimo先生撮影)

初日が終わり、ショップでログブック(その日の海の状況、深度、潜水時間、エアの使用量などを書く)の書き方を教えてもらって、ショップで出してくれたたこ焼きなどをつつきつつ、ベテランの皆さんの話に耳を傾ける。かなりの常連さんばかりのようで、ちょっと話には入りにくいが、新しい世界がそこに広がっていた。

二日目。曇天ながら雨は降っていない。この日も小黒神島の同じポイント。

nimo先生に指導してもらいながら、初日よりはマシになったかな?と思いつつ、浮き始めて慌てたり..

しかし、ダイビングはあまり疲れない。基本的に泳ぐ、というより浮いているだけなので(特に講習中だから、ということもあるけれど)、これなら歳とってもやれそうだ。

そして三日目。

台風は確実に来そうだが、状況次第、とのことだったので、一旦ショップ行ってみる。五日市港まで移動したら、港自体が閉鎖されていた。まぁこれは仕方がない。

折角きたから、筆記試験を先に受けさせてもらう。

しかし、ほんとに勉強嫌いだなぁ、と思った。また、根が生真面目なものだから、教本を与えられると、一から全部読まないと気が済まないし、可能な限り全部覚えないと気が済まない。なので、寝る前に1週間ほど、ずっと、ちょっとずつ勉強していた...のだが、結構厚みのある教本なので、何度も嫌になった。

が、結果として、2問間違えて96点。問題なく合格。

三日目は5日後、10月18日土曜。秋晴れ、快晴だ。

船は白石灯台に向かっている。

Pa180714_r2_2やはりチヌ釣り師には、ここは特別だ。

Pa180719_r2昼休憩に磯上がりして、少し散策。

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kishiさんとあがった、西の岩場が見える。Pa180721_r2

Pa180723_r2涎が出そうな(釣り師的には)磯だ。

そして、海の中。バリ島でシュノーケリングするために買ったオリンパスのTG2という15m防水のカメラを午後は持ち込んでみる。

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Pa180769_r2

とにかくメバルが多い。

減った、と言われる広島湾のメバルだけれど、写真にはうまく取れないけれど、100や200ではきかない群れがいたり、岩の隙間や、案外何もない海底に大きめのメバルがいたり。

そして厄介者のスズメダイの乱舞。

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Pa180791_r2一瞬、スズメダイの壁、ともいえるような群れが静止し、次の瞬間、僕らの方に向かってきた。一瞬びっくり。

その向こう側にはハマチ。大したサイズではないが、大き目と小さ目の二尾。

20年前なら見れなかった光景だな。聞くところによると、カンパチも回っているらしいし、ミノカサゴもいたとか。ミノカサゴは死滅回遊のようなものだろうけれど、水温の上昇は怖くなるくらいだ。

Pa180728_r2

Pa180730_r2分かりにくいけれど、中央の盛り上がったところは巨大な真牡蠣。nimo先生に教えてもらわないと分からない。

Pa180737_r2メバルの帯。

Pa180744_r2岩にへばりついたカサゴ。

Pa180756_r2綺麗なアオウミウシ。シロウミウシやヒロウミウシなど、広島湾にはこういう小さな(これは2cmほど)美しい生き物がたくさんいる。

Pa180751_r2名前を聞いたかもしれないけれど忘れてしまった。ゼンマイのような海藻。

Pa180750_r2釣り師には割とにっくきハオコゼ。ダイビング中もうっかり手をつくと危ない。

Pa180793_r2ウマヅラハギ。

Pa180771_r2海底の駆け上がり。こういうところを狙って釣るわけだけれど、白石はずどん、と深くなっていると思ったら、こういう割と急角度の駆け上が続いていた。底を釣る、なんてこと、実際には難しいな。

Pa180778_r2真鯛、というかチャリコ。

Pa180823_r2分かるだろうか?中央右寄り、頭を下にしてオコゼがいる。

Pa180799_r2ガラモの林。この中に割と方のいいメバルやアイナメ、クジメなどが潜んでいた。

Pa180804_r2小さな小さな、アミメハギ。

Pa180747_r2キサンゴ?

Pa180829_r2美しい。

そんなわけで、とりあえずPADI オープンウォーターダイバーが一人誕生。

新しい海とのかかわり方、その幕があいた。

さてさて、これからどうするかな。とりあえず、暇を見つけて海に行ってみよう。

もう少し上のライセンスを取るのもいいかもな~

nimo先生から、グレの写真いただいたので、追加!

チヌは小さいの一枚見かけた。グレの方が多くて、なかなか近づけないけれど、さすがnimo先生は写真も上手。

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