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2014年8月

2014年8月31日 (日)

石の街、檸檬の国 ~南イタリア旅行記 その5 サッシを出る~

旅の記憶を文字に綴っている途中だったのだけれど、友達、兄貴分の一人が逝ってしまって、文章を書く気にならない...そんな日々がしばらく続いた。

人生というのは、いつどうなるか分からない。明日がある、と漠然に信じているけれど、そこに確証はあり得ない。もやもやとした気持ちを抱えて、そのまま死んでいくという人生もあるのだけれど、もし、そのもやもやが何かの選択の結果生じたのだと考えてしまったなら、別の選択はした方がいいのかも知れない。

それによって周りを傷つけることもあるから、何が正しいとか間違っているとか、そんなことを言っているのではなくて、少しでも納得感のある道を歩いてみたいというただの我儘。

人はただ生まれて、ただ死んでいくだけ。そこに意味を見出すことはそもそもあり得ない。けれど、人はそこに意味を見出そうと考える唯一の生き物なのだとすれば、少しでも、今より納得感のある人生を過ごせるよう、選択肢があるなら、そこから目を背けず、よく考えて、選択して、実行すべきなのだろうな、と思う。

人の死は、自分の人生を見つめてみるために、故人が与えてくれる機会なのかも知れない。

ニュージーランド、南イタリア、バリ。来年のGWはアメリカ本土に行ってみようかなと思って、計画も始めようとしている。こういうことが考えて実行できる人生も、3年前くらいまでは想像していなかった。

もちろん、もっと昔、釣りを始めたころは、南紀や秋田に釣りに行くことなんかも考えられなかったのだけれど。

変わっていこう。

それから、先月7月末、また人生の転機を迎えた。

2度目の結婚。バリでこぢんまりと、とても素晴らしい式をあげた。

そんなこともあって、イタリア旅行記もすっかり頭の中から遠ざかってしまって、さてさてどうしたものか?と悩んでしまっているところなのだけれど、書きかけたので、心の中にずっと引っかかってしまっていて、これをすっきりさせるには続きを書くしかないかな、と思って、筆を...いや、キーボードを叩くことにした。いつものようにたくさん書くのはしんどいので、少しずつ書くことにしよう。

さて、どこまで書いたっけ?

アルベロベッロから帰ろうとしたところか。

・・・来た道をサッシに向かって進む。相変わらず、南イタリアの原野に草が風にたなびいている。風景を思い出す。イタリアに行ってきたんだなぁ。

疲れを感じつつ、サッシに向かって山を登り、市街地に入る。結構車が多い。狭い道を抜けて、サッシに降りる交差点に差し掛かると、警官に誘導されて、サッシに降りる急な下り坂方面へは入れてくれない。

どうにも、サッシ地区に観光客が車で流れ込むのを阻止しているようだ。

しかし、入れてくくれないと、当然ながらとっても困る。

Jに警官に説明してもらうと、それなら、とサッシへ誘導してくれ始めた...のはいいのだけれど、こちらはすでに交差点を行き過ぎていて、交差点は車が詰まっている。その詰まった車の間をバックして、切り返して、それでサッシへ降りる道に入れ、という。

何度も言うが、左ハンドルで非常に疲れるのだ。バックは。それにもうそもそもクタクタなのだ。などと泣き言いっても始まらないので、頑張る。

そんなこんなで、今日もクタクタになりながら、なんとか車を停めて、石の階段を登って、ホテルの部屋に戻る。うう...疲れた...

正直なところあまり食欲はないのだけれど、そうも言ってられない。一番目立つところにあって、そんなに高くなくて、そこそこの評価、ということで、この日はBACCUSという店に入った。

Img_3665_r

ひたすら疲れていて、まったく食欲がないのだけれど、がんばって食べる。

しかし野菜がない。フレッシュなものが食べたい。どうも、このエリアは食事はちょっとしんどいな。

このお店。陽気なおじさんが一人で料理も給仕もする、というスタイルで、雰囲気は悪くなかったのだけれど、これだけ時間が経つと、まったく料理の印象を覚えていない、という感じの味?だった。

P5020313_rサッシの夜が更けていく。なんだか幻想的だ。

部屋に戻り、WIFIその他の充電を確実にしておく。明日はいよいよアマルフィに向かって出発だ。そうなると、WIFIとiphoneが命綱になる。

P5020336_r

翌朝。さすがイタリア、という事件?が起こる。

Jにチェックアウトを任せて、僕は車を移動させて、荷物を積み込んでおくことにする。

しかし、いつまで経ってもJが降りてこない。

う~ん...と思いつつ、そのあたりの写真を改めて撮ったりしつつ時間を過ごす。

30分ほどして、ようやく帰ってきた。

どうしたの?と聞くと、パスポートがない、とかフロントで言われたらしい。

無いはずはないだろう、と延々と言い合って、何度も探させたが見つからず、そこの引き出しは見たのか?と言うと、そこには入れてない、と言う。

結局、その引き出しにパスポートが入っていたとのことなのだけれど、客から預かったもっとも大事なものの一つであるパスポートが見つからなくなるって...ほんと、イタリアだよなぁ。そもそも預からなきゃいいだろうに...

海外旅行歴はたいしてないのだけれど、今まで、パスポートはチェックされるけれど、預かられたことはなかったのだけれど、ヨーロッパは基本的に預かられるのかな?

パスポート預けてしまうと、たとえば街中で警官とかに職務質問などされると、身分を証明するものが出せなくなるんじゃないかと思うのだけれど...

そんなこんなで、南イタリアの前半、世界遺産サッシ、そしてアルベロベッロの旅を終えた。

アマルフィに向けて出発だ。

...to be continue