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2014年5月

2014年5月23日 (金)

石の街、檸檬の国 ~南イタリア旅行記 その2 水牛 そしてレンタカーの悲劇その2~

CASEIFICIO。

いや、ここまでの道のりもなかなか...高速をおりてから一般道を走ってきた訳だけれど、相変わらず曲がる意思表示のためにワイパーを動かす、という...いや、必ず間違えるだけだけれど。ほんと、ワイパーとウィンカーのレバーまで反対についていなくてもよさそうなものだけれど...

ふと...GPSを見ると、バッテリの残量がほぼない。

ここまで、なんとかGPSを頼りに、時折ミスリードされつつも走ってきたのだ。

目を疑った。

バッテリの残量がない、ったって、電源はソケットから取っているはず。さては、きちんとはまっていない?

Jが差しなおしたり、ぐりぐり回してみているが、充電されない。

おいおい...

ともかく、水牛モッツアレラの工場CASEIFICIO近くまでたどり着いた。入り口を一旦通り過ぎてしまい、ちょっと戻ってようやく到着。

ふぅ...

駐車場に車を停めて、エンジンを切る。どっと疲れが寄せてくる。

GPS問題はとりあえず置いておいて、水牛モッツアレラのショップに行ってみる。

P4300012_rJが英語で話しかけている。

以下、想像だ。

「バッファローモッツアレラ、あるんですか?」

ちなみに、ガラスのケースにはモッツアレラは見えない。

「ええ、あるわよ。どれだけいるの?1kgが普通だけど。」

「??1kg!ちなみに、どれくらい日持ちするの?」

「そうね、3日くらいかしら」

「じゃぁ、やっぱりお土産にはならないわね。」

「ハーフサイズもあるわよ。500g。」

それにしてもだ、500gものチーズ、いつ、だれが、どうやって食べるのか??俺たちは旅行中だ。

だが、こういうとき、それを買わない、というのは、何か違うのだ。そういう感覚はJと共有できる。そう、買うしかないのだ。ここまで来たら、買うしかないのだ。買うのだ、J。

「じゃあハーフサイズでください。」

どん!

0194de87a071708af07323b1d459c54a02fこれは後日の写真だけれど、そう、500gのモッツアレラチーズというのは、いうなればソフトボールだと思ったらいい。

乳清のような水の入った透明なビニール袋に、金魚よろしく入れられて、そしてこのソフトボールはやってきたわけだ。

まぁ...これは追々なんとかするしかない。

さて、ここで水牛...バッファローモッツアレラチーズを買う、というJの小さな夢はとりあえず実現したわけだ。

あとは、水牛や~い。どこだ~

ほのかに香ってくる牛臭さ。放牧されている水牛をイメージしたのだが、広大な牧場っぽいものはあるが、牛は1頭もいない。ともかく、においのする方に行ってみよう。

P4300027_rこの子(犬)。

なんだか知らないけれど...いや、きっとこの人はいい人だ、と思ったのだと思うけれど、この後、ず~っと我々の後を愛嬌ふりまきながらついてきた。なかなかかわいい犬だ。この旅で出会った犬猫の一匹目だ。

まだ、猿も雉も出てこないけれど、とにかく犬を連れて牛を探す。

あ!

P4300034_rいた!

P4300046_rいっぱいいた。

巨大な牛舎に、数百頭いるのではないか?100頭以上はいるよな。というくらい、牛だらけだ。バッファローなどというから、少々気が荒いのかと思ったら、実に大人しくエサを食べている。

立派なつのだな。オスかな...といったら、Jが、「ミルクとるんだから、メスに決まってるじゃん」

・・・ああ、そりゃそうだね...たしかに。

さて、犬と一緒にひとしきり水牛を見て回って、まぁ臭いし、そろそろちょっと併設のヨーグルテリアで何か食べるかな。

P4300065_rこんな感じの雰囲気のあるカフェのようなもの。中ではヨーグルト、ジェラート、エスプレッソやカフェラテなどのドリンクと、なんだかよく知らない形をした(聞いたけれど忘れた)パンケーキのようなものが売られている。それとヨーグルトだ。

適当に頼む。パンケーキとヨーグルトのセットにエスプレッソ。なんというか、ボリュームがありすぎて辛い...

エスプレッソは、なんだか飲むというほどの量がないので、今一つ釈然としないコーヒーだ。日本式のコーヒーがやっぱりいいなぁ。濃くて苦いコーヒーに砂糖をたくさんいれてごくっと飲む。何がいいのかよく分らない。いや、正直なところ。苦すぎて繊細な風味も分らないし。

さて、次は勇気を出して初めてのおつかいだ。

Jと一緒に行動していると、海外では自然に頼ってしまう。しかし、それでは立派な大人になれないので、頑張って、ソフトクリームを買ってみる。そう、僕は甘いもの好きだ。苺ソフトなんて、もうメロメロになってしまう。今回は、え~っと、何味だったか忘れた。が、おいしそうなのを選ぶ。見た目だ。

カフェのお姉さんに、これ!コーンでね!いやいや、そっちじゃなくてそっちのワッフルコーン。うん、そうそう。ほとんど手振りだ。

ともかく、そうやって買ったジェラートは、濃厚かつ爽やかで、とても美味しかった。

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さて、今日はこれからマテーラまで行かないといけない。

距離にして約190㎞。高速走って2時間とか。う~む、朝の事故以来、1日がとても長くなりそうだ。

出発前に、ずっとついてきた犬にお別れを。もう一匹犬が出てきて、なんだか立場が弱いように見える。

なんだか気に入らないので、手に持っていたコーンを、こっそりずっとついてきた方の犬にあげる。じゃあね!

GPS。そう、問題は解決していない。

もう一度ぐりぐり、ぬきさし、してみる。全然だめだ。本体が悪いのか、コードが悪いのか...

こうなると、もう唯一の頼りは空港で借りてきたwifi。そしてiphone。

結論的にいうと、これがあったら、GPSはほんとにいらない。iphoneとgoogleマップは最強だ。

僕もJもiphoneユーザなので、とりあえずJのiphoneを使う。バッテリが切れたら僕のに変えることにする。そう、バッテリの持続時間が命だ。

そして、バッテリといえばもっと困るのはWIFI。こっちのバッテリが切れれば、すべて終わる。

高速をひた走るときはWIFIの電源を落とす。走行距離からそろそろ高速を降りる、とか、曲がる、とか、そういうときに電源を入れる。涙ぐましい努力だ。

どうにも、これから行こうとしているマテーラ。そして世界遺産サッシ。そして洞窟ホテル。そんなに広い道をドン、と行けるような場所じゃなさそうだ。バッテリが切れたら終わりだ。

随分長い時間、走った気がする。ずいぶん雨も降っていないのにワイパー動かした。

イタリアの交差点はロータリー交差点。これも経験した。未経験の皆さん、大丈夫です。GPSでなくて、googleマップを使いましょう。

「次の交差点、ロータリー、2番目の出口です」と教えてくれる。反時計回りにロータリーを回りながら、一つ、二つ、と数えて、そこから出ればいい。素晴らしい。このロータリー交差点は、慣れると非常に効率的であることが分かる。曲がり損ねても、もう一周すればいいだけだし。

マテーラ。

そして、サッシの表示が見える。

あそこかな?いや、まだ。あそこ曲がるのかな?いや、まだ。随分走って、あ、そこ。

・・・いや、ほんと、そこからが大変だった。イタリアでの車の運転。ほんと、大変...

to be continue...

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2014年5月18日 (日)

石の街、檸檬の国 ~南イタリア旅行記 その1 ナポリ 悲劇。レンタカーについて~

P4300004_r朝、ホリデイインナポリの部屋の窓から見た風景。

P4300006_rヴィスヴィオ火山が遠く霞んでいる。

眠く、また怠い身体に鞭打って、とりあえず朝食をとりに行く。

さすがに大きなホテルだけのことはあって、メニューも豊富で、結構楽しい。

前日の無駄な食事と不規則な生活?から、お腹はあまり空いていなくて、それほど胃や腸の調子は良くないのだけれど、ついつい興味から食べてしまう。

ホテルから空港への送迎バスを待ち、これでナポリ カポディキーノ国際空港に戻る。

しかし、この旅でつくづく思ったのだけれど、イタリア人のおじさんが妙にかっこいい。この送迎バスの、そうただのホテルから空港への送迎バスのおじさんなのに、妙にダンディで、おしゃれで、気取っていて...う~む、そろそろ俺もこういう路線でいきたいものだ。ん?無理か??

そのかっこいいおじさんに荷物を降ろしてもらい、一旦空港に入り、レンタカーのオフィスを探す。探すが見つからない。日本の空港だと、レンタカー会社のカウンターが空港内にあったりするのだが、ない。

レンタカーこっち、という表示はあるのだが...Jに案内カウンタで聞いてもらうと、外にあるレンタカー用バス乗り場でバスに乗って移動するのだそうだ。

ちょうどバスがいたので、ちょっと待って!と意思表示したのだが、無視された。

冷たいなぁ。

すると間もなくバスがやってきて、今度は我々二人が乗っただけなのに、すぐに出発した。この人たち、せっかちなんだな、きっと。

BaggetとAVISが同じ系列とは知らなったが、複数のレンタカー会社が入った建屋で、同じカウンタで両社を取り扱っていた。

Img_3923_r

ここに行き、楽天レンタカーで予約したときのプリントを渡すと、「日本語で書いてあるから読めないわ?しょうがないわね、この子ったら。」的な指摘を受けているらしい。Jが教えてくれた。

英語もよくわからん。イタリア語はまったくわからん。という状態なので、こうして文章にしていても、実際相手がどういっているかなど分かるわけもなく、ニュアンスもろもろ...勝手に顔つきやしゃべり方から想像していること、あらかじめご容赦を。

しかし、楽天レンタカーの予約サイトでは、これを印刷して持っていけ、と書いてあるのだ。俺が悪いんじゃないぞ。楽天、恥かいたじゃないか。ちなみに、必要なところは英語も並記してあったので、僕的にはこれで十分だとも思ったりする。

こだわったのは、できればイタリア車に乗りたい、ということ。「こだわる」と「できれば」を続けるのは日本語的におかしいような気もするが、イタ車を希望してそれ以外の車が配車されても、それを交渉でどうこうしようとするつもりはない、という意味だ。

で、結局のところ、指定された駐車区画に停まっている車を探すと...なんだ、フォードかよ...アルファロメオ ジュリエッタ、または同クラスの車、というのが条件だったのだが、フォードC-MAXというフォードフォーカスのミニバン仕様だ。デカくて、鈍重そうだ。まぁこのフォーカスはヨーロッパ生まれのフォードらしいから、まぁいいのか。でもマツダ アクセラと同じプラットホームらしいが。

Jが、ジュリエッタに変えてもらえるように交渉しようか?と言ってくれていたが、すでに気後れ感満載の僕は、「いや、もういいよ」と小声で答える。

荷物をラゲッジに入れる。大きなスーツケースが普通に二つ横に並んで入って、なお余裕がある。ジュリエッタだと無理かも。

さて、エンジン。まずかからない。キーレスエントリーでスタートボタンを押すのだが、電源は入るが、エンジンはかからない。

ちなみにこの車、マニュアルミッションだ。ヨーロッパではAT車は少ないらしい。加えてディーゼルだ。同じくヨーロッパではディーゼルが主流らしい。

クラッチを踏んでスタートボタンを押すとかなんとか、適当にやっていたらようやく始動。

次に、GPSを借りていたので、こいつの様子をみる。どうにもイタリアには日本車のようにビルトインされたGPSはないのかな?ハンディタイプのGPSが貸し出された。こいつがないと、とてもイタリアをドライブなどできないので、これは命綱だ。日本語表示できる。

行先(後述)をセットし、シガーソケットに電源を差して..よし、出発だ。

リバースギアはシフトレバーを一番左にして、前に倒すといいようだ。

久しぶりのマニュアル車で、少々緊張する。ちなみに、僕が最初に車に乗ったのは(親の車とかは別として)、大学生のころ、バイト先のカローラバンを3万円で譲ってもらったのが最初。当然マニュアル。何しろもう23年くらい前だ。

その後、2馬力をいいことに、一気に車をグレードアップして、パジェロのショートボディ V6 3000 DOHC しかもマニュアル、というマニアックな仕様の車を買った。このパジェロを12年くらい乗っていたので、もともとマニュアル車自体に抵抗感はない。ただその後はずっとATなのでね。

で、バックで駐車スペースから出ようとしたら、なぜか車が前に行きたがる。

いやいや、後ろに行くんだよ、となだめすかして、なんどシフトレバーをリバースに入れても、前に行きたがる。

「誰か、呼ぼうか?」

「はい、お願いします...」前途多難だ。

パジェロは確か、リバースギアはオーバートップ(5速)の下側、つまり一番右の手前側だったように思うが、違ったかな?

おじさんが「やれやれ」という顔でやってきて、なんと、シフトレバーノブの下のカバーの部分の一番上端の金属リング(留め金的な)を上に引き上げながら、1速よりさらに左に倒して前に倒すと、リバースに入った。

・・・んなもん、知るか!

一応ね、レバー自体を引っ張るのかな?とか、その程度は試していたんだよ。カバーの上端をまさか引っ張らないといけないとは...

さて、とにかく、車は動いた。

このあたり、非常に緊張していたので、写真は一切ありません。あしからず。

とりあえず、この大型駐車場のようなレンタカーの敷地を出よう。

走り始めるとすぐにJが「右、怖い!」と訴える。

よくあることだ。なにせ、僕が左ハンドルの車に乗ったのは、それこそ25年ほど前、バイト先のちょっとやんちゃなお兄さんが中古のポルシェ911を持っていて、それを少し運転させてもらったことがあって、それ以来だ。

こういう状況は、事前にチェックしたブログ等の記載にもよく書かれていた。

「あ、ごめん。大丈夫大丈夫。」・・・ちっとも大丈夫ではない。

少し進むと、やっぱり右に寄っていく。

しかも、シフトレバーのストロークが大きくてシフトチェンジもし難いし、どうにもドロっとした感じで、どこに入っているかも分かりにくい。さらにさらに、余計なことにオーバートップの上に、6速がある。その癖に、というよりディーゼルの癖に低速のトルクが妙に弱くて、いや、馬力の割にこの車体が重すぎるのか、ローで発進しないとエンストしそうになる。絶対に自分では買いたくないような車だ。

ジュリエッタがよかったな~ と、まだここでは少しだけ、頭の片隅で思っていた。

そして駐車場を出る。

・・・悲劇はすぐにやってきた。

駐車場を出るとそこは道路だ。当たり前だけど。

つまりは道路を走らないといけない。超がつくほど舞い上がってしまっていた俺。

Jが危ないだ、怖いだ、と言っているのに、本人的にはまったく大丈夫なつもりで、ひきつった笑顔で車を進めていたら...

バキッ!

とても嫌な音がした。

道路脇はすべて路上駐車で、道路は実質車幅よりかなり狭い。

右ハンドル、左車線に慣れている僕らは、通常、自分の右側に中央線なりを見なが走っている。なので、中央線が自分の左側にあると、何か妙な錯覚にとらわれてしまって、中央線から一定の距離を置こうとするようだ。

結果、何が起こるか、というと、慣れない海外でのこういう悲劇だ。

血の気が引いた。

で、小心者の僕としては、当たったのはドアミラーで、相手の車もドアミラーのはずなので(音からして)、まぁ不運だと諦めよう(相手にも諦めてもらおう)、ほら、なんて言ったって、駐車するときに前後の車にバンパーを当てるらしい国なんだから、まぁいいだろう。

と、無視して進んだ。すると、後ろからクラクションが聞こえる。

なんと、間の悪いことに、その車には人が乗っていたようだ。

「止まった方がいいみたい。」とJ。

僕も、当然ながらこのヨチヨチとした運転で逃げれるわけもないし(逃げる気もないが)、道路脇の建物前が開けている(歩道への縁石が切れている)ところに停めることにした。が、停めようと車を寄せると、本人的には当たるはずがないのに、タイヤが縁石に乗り上げる。もう無茶苦茶だ。

車を停めると、後ろから問題の(いや、問題なのはこっちだが)車だ。

・・ああ、まじかよ...

よりによってベンツだ。日本なら、東京湾に沈められるか、中途半端に社会的地位が高いと自覚しているような人にネチネチといじめられそうな状況だ(すみません、冗談です)。

どんなことになるやら、と思いつつ、いざとなったら腹をくくるタイプの僕は(まぁ、ここまでの状況になると、どうしようもないけれど)、車を降りて、相手の比較的体格のいいイタリアのおじさんに、誠心誠意と見えるように努めながら「I'm sorry!」を連呼する。いや、それ以外にこの状況でどうこうと語る語学力がない。

ああ、不自由だ。

相手のおじさんも、まさか出てくるのが言葉もできない、ちょっとだけいかついという噂の顔をした日本人(というかアジア人)とは思わなかったのだろう。少々動揺している。

とにかく、何かひたすら訴えていて、その中には、お前の車は大丈夫か?的なことを言っているような気もする。いいおじさんなのか??

仕方なく、Jに通訳を頼む。というか、それは結局交渉してもらうことになるのだけれど。

Jは、某社の国際法務部門にいて、NY州弁護士の資格を持っている。帰国子女で、さらに留学経験もある。つまり英語はネイティブ並で、企業間のややこしいビジネス上の契約交渉で最前線に立っているという、極めてドメスティックな知財マンの僕とは次元の違う能力を持っている。

英語での交渉が続く。ベンツのドアミラーには、確かに少し黒い傷のようなものが見えるが、見様によっては大したこともなく、実際それ以外の傷もついていて、本人もあまり気にしていないようにも見える。

このイタリアのおじさん。やっぱりこちらが逃げたように見えて(まぁ、そう言われればそうなのだけど)、それが気に入らなくて追いかけてきた様子。まぁ逆でも僕もそうする。

でも、まぁそれほど怒っているようにも見えず、だんだん会話の内容が小さくなってくる。なんだか、20ユーロだか、小金をくれ、と言っている。ベンツに乗っているのにみみっちい話だ。まぁこっちが悪いのでそれくらいは出してもいいかな、と思ったのだけれど、そこはさすがに国際法務。

「何言ってるの。それ、大した傷には見えない。払う必要ない!」的なことを主張して、とうとう押し通してしまった。

・・・凄い。こりゃ、勝てないな。・・・なんとも力強い味方を得たものだ。

かわいそうな立場のイタリアのおじさんなのだけれど、お前のミラーの部品落ちてるぞ、と教えてくれて、車に戻っていった。

とにかく、気を落ち着けよう。

建物の方から車が出てきて、どけ、と言われたので、少しだけ車を動かすと、そんなつもりはないのに、また縁石に乗り上げる。落ち着け、落ち着け。

なのに、先ほどのベンツのおじさん。いい人を最後まで演じてくれようとして、先に出ろ、と合図している。もういいから早く行って...

しばし粘って、ようやくベンツが出発してくれた。

さて、改めて外に出て、先ほどまで悪態ついていたフォードC-MAXへの影響を見る。

この段階では、アルファロメオじゃなくてほんとによかった、とつくづく思う。あの美しいイタ車に傷はつけたくない。

見てみると、ドアミラーの先端に、最近よくある、ウインカーがついているタイプの車だった(今頃気づく)。そして、そのウインカー部分の透明なカバーが吹っ飛んでいた。つまりは、ウィンカーのランプがぶらぶらしていた。

さて、次の問題は、レンタカー店への面倒な説明。また、この壊れた状態でこの先1週間、車に乗り続けても大丈夫なのだろうか?ということだ。

普通に考えると、レンタカー店にもどって、事情を説明することになるのだろうけれど、そうすると、時間的なものも含めて、この後のスケジュール(というほどのきついスケジュールはさすがに立てていない)に影響がある。すぐに治らない場合、車の変わりがないと、非常に困る。

ともかく、ランプ自体は生きていて、ウィンカーを入れると...ここでウィンカーを入れると、かならずワイパーを動かすという状態もある。なにせ、ウィンカーのレバーとワイパーのレバーが日本車と逆なのだ...ちゃんと点滅している。

とりあえず、吹っ飛んだウィンカーのカバーを探しに行くことにした。とりあえず、接着剤とかで1週間持たせられないか?

Jに車の番をしてもらい、走って問題の場所まで戻る。駐車できる場所を探している間にかなり前に進んだので、そこそこ距離はある。

だいたいこのあたりだよな。まあレンタカー店を出てすぐなのだけれど。

あ、あった。

幸い、ほかの車にも踏まれず、カバーが原型をとどめてそこに転がっていた。

回収!

また走って車に戻る。イタリア、ナポリで、早々にウィンカーのカバーを掴んで走り回ることなるとは...人生、何が起こるかわからないものだ。

さて、一応理系。工学部卒。知財の仕事はしているけれど、会社もがちがち製造業だ。加えて自分でバイクに乗っていたころは、ちょっとしたことは自分でやっていたし、こういうときの対応は...一応なんとかしてみよう、という気になる。

ようは、外れただけなのだ。もしかすると、少しくらい欠けたところがあるかもしれないけれど、致命的な外傷はない。奇跡的なくらいだ。

こういう部品のはめ込みは、ようは気合だ。ようするに、ちょっとした爪で引っかかっているだけなので、その分、はめ込みはきつい。バックミラー側のカバーをたわませて、隙間を広げて、がんばって押しこむ。

Jは心配そうにしているが、ここは文系より理系の出番だ?

5分ほど粘って、まだ入らない。なにかコツがあるはず。

Jに声を掛けられて、あとちょっと待って、たぶん、治るから、と伝える。

その2分後。はまった。えらい、俺。

完全に元通りに見える!走行振動で外れて落ちたりするようなレベルでなく、しっかりとはまっている。

落ち着いた。

なんというか、厄払いになったかも。

冷静に考えれば、つまりは自分が中央線になるべく寄って走るようにだけ気を付ければいい。あとは、徐々に、無駄に1.8mを超える車の車幅間隔になれればいい。

再スタート。気を付けて車を進める。うん、大丈夫そうだ。やっぱり緊張でかなり舞い上がっていたみたいだ。

しかし、相当に神経を使いながら、とにかく、ナポリからの脱出を目指す。高速道路に入ってしまえば、負担は減る。

シフトチェンジがぎこちない。思うところにシフトが入らない。ローに入れたつもりが3速に入っていて、エンストしそうになったり...

曲がるたびにワイパーが動いたり...

寝不足を忘れるほどの緊張感で車を進め、ようやく高速道路っぽいところに入る。

料金所のシステムがよく分らないけれど、しばらく走っていたら料金所があった。TELEPASSという日本のETCのようなものもあって(ETCの先駆けらしい)、それ専用レーンがあるが、ここには用はない。とにかく様子が分からないので、一番手動?っぽいところを常に選択する。

カードの発券機。お決まりのように車幅のつかめない車なので、シートベルトをはずして、身体を窓から乗り出して、ようやく取る。やれやれ。

高速道路。ついつい右に寄ってしまい、Jにそれを指摘されながら(助手席は怖いらしい)、ともかく進む。

どこへ進んでいるか?

本当は、まずカゼルタ、という王宮を中心にした広大な公園を見学しようかと思っていた。Jがこの日一番行きたがっていた場所と同じ方向だったと思ったのだけれど、ここはJの勘違いがあって、行きたがった場所をGPSに入れていたら、どんどん南下してしまっていた。カゼルタはナポリから見ると北のはず。

もう高速に入ってしまっているので、カゼルタは無視。ポンペイも無視。

すでに車は位置的にはアマルフィの東側を抜けてしまい、サレルノを抜けている。

Jが行きたがった場所。

チーズ好きのJとしては、この地方で作られる、水牛(バッファロー)モッツアレラチーズの工場見学と、チーズの購入がこの日の第1希望だった。そもそも賞味期間が3日くらいという非常に生っぽいチーズだから、お土産にはならないが...とにかく行ってみたい、とのこと。今回はエリア的にワイナリーにはいけそうにないので(ワイナリーはイタリア北部に多いとか)、これは是非希望に沿いたいところ。

目指すは、CASEIFICIOというチーズ工場だ。

to be continue...

ここまでの走行距離、だいたい80㎞ほど。

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石の街、檸檬の国 ~南イタリア旅行記 Prologue~

2014年のゴールデンウィーク。

何処へ行こうか?と考えていた。もう何か月も前のことだけれど。

海外が案外気分的に近いし、結構お金もかからないな、と、1年半ほど前に出かけたニュージーランド旅行で感じた。いや、確かに旅行期間がそれなりに長いし、なんだかんだでお金は使うのだけれど、国内で...そう、青森の温泉三昧旅行なんて、相当コスト高だ...それに比べると、あまり贅沢をしなければ(たとえばホテルは4つ星以上とか)、そんなに掛からない。何はともあれ、特典航空券、マイル様様だ。

ということで、一度行ってみたかったところ。

織田裕二主演の映画でおなじみ、南イタリア、アマルフィ。

イタリアには何度も行っているJも南イタリアには行っていない、ということで、今回はアマルフィを中心に、南イタリアを回ってみることにした。

回る、というけれど、南イタリアはどちらかというと田舎...(そんなことはないのかな?)

行きたいところを探してみると、交通の便は至極不便というか、ほとんどない。

それに、そもそも、どうせアマルフィ海岸に行くなら、そこはそれ、車で...できればフェラーリは無理としても、アルファロメオくらいで駆け抜けてみたいではないか。

そういう安易な考えが、後々悲劇?を生み、また疲労を生むとは...いや、まったく考えなかったわけではないけれど、うちの子に限って...という親と同じ心境というか...まぁ俺に限って...と...

とりあえず、楽天経由でBuggetレンタカーを予約。アメリカ系のレンタカーチェーンの方が安心だろうと...何分、気のいい陽気な、かついい加減な?イタリア人を信用するのが怖いというか...

事前にネットでいろいろ先人のコメントなどを見ていると、結構いろいろいい加減なことをされて、困った方もおられるようだしね。

ホテルはあまり高価なところは使わない。けれど、気分がよい程度にはしておきたい。小さな街の小さめなホテル。今回は一番高いところで4つ星(でも、安い方の)。徐々によいホテルへと推移していくプランだ。Jとしては、旅は最後が気分がいい方がいい、とのこと。確かにそれはそうだ。

今回の旅は、4月29日出国、5月7日帰国。イタリアでは7泊の予定だ。

到着当日はナポリに宿泊し、その翌日から本格的に動き始める。マテーラはサッシに2泊。アマルフィに2泊。ポジターノに2泊。

ゴールデンウィークの休暇は4月27日から5月6日。26日の土曜は出勤日だったが、結構休んでいる人も多かった。僕は出社。なぜなら、当然ながら少なくとも5月7日は休まないといけないし、時差ボケと疲れも予測できるから5月8日も休んでしまえ!ということ。

さて、

4月27日、日曜日。少しゆっくり目に広島空港から羽田空港へ飛ぶ。ここも特典航空券を利用。

少し前に御殿場プレミアムアウトレットでスーツケースを購入した。

Img_3924_r2これは帰る直前の状態なので、すでに使用感があふれているが、この派手な色がとても気に入った。

買った後で調べると、エアリアルというシリーズのスリランカ政府観光局とサムソナイトが組んだ限定カラーでサンセットオレンジというカラーらしい。だからどうした、というのではないけれど、こういうオレンジ、結構好きなんだよな。

考えてみると、ダウンジャケットもエディバウアーのこんな感じの色のを着ている。

もっとカッコいいヨーロッパ製のものもあった。これはカーボンブレーディングのシェルでなかなかなのだが、高い。滅多に海外にいかず、出張では中国あたりが中心で、この場合は機内持ち込みのキャリーバッグで十分(・・・だし、うちの会社は上海から国内線に乗り換えたりしないといけないため、荷物を預けると不安だったりする。)なので、あまりコストはかけられない。ちなみにエアリアルシリーズは中国製だったか?と思う。

いつも通り横道にそれていっているが、ともかく他の用事もあったので27日に東京に入って、28日は東京でブラブラしつて、29日に京急で羽田空港国際線ターミナルに向かった。

羽田空港国際線ターミナルは初めて。成田だと、東京からでも行くだけで相当時間がかかるし、結構大変なのだけれど(これは関西空港にも言える。本当に不便だ)、羽田は楽でいい。羽田発着の国際線が増えてくれているのは、今後を考えても本当に助かるね。

今回使う航空会社は、ドイツのルフトハンザ航空。ANA運航便でフランクフルト経由ナポリ、というものあったと思うのだけれど、日程の都合もあって、やむを得ず、ルフトハンザでミュンヘンへ。ミュンヘンからもルフトハンザでナポリへ、ということになった。

このあたりは、おおよそ調べて、ANAのプラチナデスクとかスーパーフライヤーズデスクに電話して相談すれば調べてくれるので、とても助かる。

こうやって、マイルとサービスで一般消費者は抱え込まれていくのだなぁ。

羽田空港国際線ターミナルのルフトハンザのカウンターは、空港の建物から出国ゲート方向に向かって一番左端のようだ。

カウンターに行く前に、予約していたグローバルWIFIの借り受けに行く。予約情報を伝えれば、あっという間に貸し出ししてくる。

ちなみに今回の旅程でWIFIを借りて、税込みで11,216円。これを高いとみるかどうみるか??

だが、これは結果としてはとても大成功で...というよりこれを借りていたから、ほぼ予定通りに行動できた、という...図らずもWIFIを試しに借りてみたことが今回の旅行の最大の功績?だった。このあたりの話は追々。

借りたWIFIをスーツケースに入れて、カウンターへ行く。まだ少し早かったので、カウンターはガラガラ。

そのあと、折角なので一つ上のフロアにあるショップ街をブラブラするが、なんだか疲れるので、Jに、「もう(出国ゲート抜けて)ラウンジに行こうよぉ」と、出国前から弱音をはく。どうも、こういう平らなところをダラダラあるくと疲れる足を持っているようで、こういうの苦手だ。

ゴールデンウィーク中で混雑を心配していたけれど、混み合うこともなくスムーズに出国ゲートを抜けて、ANAのラウンジに入る。

ついつい...そんなにお腹が空いているわけでもなく、また飛行機に乗ると何か食べさせられるのを分かっていて...蕎麦食べたり、おむすびを食べたり、ケーキを食べたり...

そんなこんなで1時間半ほど。旅慣れているJは、「飛行機に早く乗っても、狭い空間に閉じ込められる時間が長くなるだけだから、そんなに慌てなくていい。」と言うのだけれど、僕としては、早めに早めに行動したい。小心者なのだ。加えて、国内線だが飛行機に乗る回数は僕の方がはるかに多いわけだけれど、そこで優先搭乗で感じる最大のメリットは、頭の上の手荷物収納棚の確保だと思っている。

運が悪いと、やたら荷物の多い人が周辺席に座っていて、自分の手荷物を収納するスペースが近くに確保できなくなることがある。

今回、搭乗開始が40分くらい前から始まったようで、そんなにギリギリに言ったわけでもないのだけれど、機内に入ったら、自分の頭上はすでに荷物で埋まっていた。

国際線で搭乗時間が長いと、なんだかんだで荷物を取り出したくなることも多いから、人の頭の上から遠慮しながら荷物を取り出すのはどうも...今度から、もうちょっと早く搭乗しようと改めて心に誓う。

ルフトハンザの座席。狭い。ANAの国内線のシートの方が前席との間隔が広いような気がする。これで12時間か...少々気が萎える。

そう、トランジットのミュンヘンまで12時間。日本とイタリアの時差は+7時間。

出張でいく中国、少し前にいったマレーシア、また1年半前のニュージーランドも、時差が1時間といったレベルなので、あまり時差を感じない。

以前、出張でラスベガスに行ったが、あれで時差が-8時間だから、時差的にはそんな感じか。

いずれにしても欧州は遠い。そもそも、中国成都より西に行くのは初めてだ。あ、正確には九寨溝までは行ったな。

欧州といっても、北欧と南欧はまったく別の世界が広がっているだろうし、イタリアとドイツでは文化も違うし、ひとまとめにする意味は、通貨がユーロで統一されている、というくらいのことだろうか。

・・・と思っていたのだけれど、今回の旅で一番感じたのは、ドイツで入国すると、そこから先は入国、出国という概念なしに国内線に乗る感じで国境を越えられるということの凄さ。

あれほど、戦の歴史を繰り返し、侵略し、侵略され、奪い、奪われ、殺し、殺された歴史をもつこれらの国々が、国境の枠を取り払うことができている。これは凄いことだと思う。

欧州は我々にとって歴史の先輩だろうと思う。中国、韓国と、実は運命共同体であることが分かっていながら、未だにお互いの嫌悪感を高めるような言動が繰り返されているこの状態も、いずれはEUのような概念のもとで、落ち着いた関係を構築できるのではないか?という期待を持たせてくれる。宗教的な諍いが起こりにくい環境なのだから、時間を掛けなくても、まずは経済からでも、できるはずだと思えてくる。

欧州、イタリアなんて、あまり僕の人生には関係がなかったのだけれど、こうやって足を延ばすとなると、少しだけ、考えることも違ってくる...というより、意識しなかったことを意識し始める。旅はいいね。

さて、南イタリアへ向かっているのだけれど、欧州は初めてなのだから、ローマとか、もう少しメジャーなところに行けばいいようなものだけれど、根っからの田舎好きの僕としては、そういう美術観光的な旅行は後回しでもいい。

不安。といえば、治安と車。

ナポリあたりは治安最悪、といろいろなHPやブログを見ていると書いてある。ナポリは初日に一泊するだけなのだけれど、少々怖い。襲われてどうこう、というより、財布やパスポートを紛失すると、それからのリカバリーの面倒さを考えてしまう。

それと何より車。

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国際免許証を発行してもらっている。

それにしても、広島。滅茶苦茶不便だった。広島の運転免許センターへの公共交通機関は路線バス、しかも本数が多いとは言えない路線バス。しかも、広島バスセンターまで行くだけで小一時間かかるようなところに住んでいると、とんでもなく時間がかかる。

しかも、国際免許は平日しか発行してくれない。車があればいいのだけれど、免停の人とか、講習を受けに行くのに大変ではなかろうか...ちなみに、免停を繰り返していた、バイクに乗っていた若かりし頃。そのころは広島の街中に免許センターがあったので、大変楽でした。

やむを得ず、わざわざレンタカーを借りて、出勤時刻を少し遅くさせてもらって、なんとか発行してもらったのだった。

しかし、本当にこんなことでいいのだろうか?

交通ルールも違う。そもそも右車線を走ったことがなく、左ハンドルの車にも乗ったことがない。イタリアのロータリー式交差点なんて、訳が分からない。

なのに、日本の免許持ってたら気軽に発行される国際免許。

イタリアは交通マナーが(広島以上に?)悪いらしい。追い越し割り込み当たり前。2車線道路を車が3台並走するとか...違法駐車だらけで道も狭い云々。マイナスな事前情報ばかりで、「やめた方がいい」と記載されたWEB上の記事もたくさん。

小心者的には、初めての海外での運転で、こんな国で運転して大丈夫なのか?と不安になる要因は山ほどあった。

そんな不安を抱えつつ、飛行機は西進する。

今回、機中の新兵器として、電子ブックを持ち込んだ。あまり電子書籍は好きでなくて、kindleにも興味を示していなかったのだけれど、bookliveという凸版印刷が中心?で展開している電子書籍専用のlideoという端末をもらったので、ここに本をダウンロードしておいた。

bookliveのいいところは、キャンペーンなどで書籍のディスカウントがあるところだろうか。今回はディスカウントのあった本や、割引セールを利用して購入したものばかりダウンロードしている。

ダンブラウンの「インフェルノ」(イタリアが一部舞台になっている)、まだ文庫化されずに読めていなかった横山秀夫の「64」、池井戸潤はキャンペーン中でいろいろ安かったので適当に...といった感じ。

しかし、kindleはどうなのか知らないが、このlideo。バッテリ弱すぎ...

飛行機の中で読んでいたら、7~8時間も持たない感じ。ゆっくり読んでいると2冊は読めない。旅行中、ホテルで本を読んでいたりするときには随分助かったが、飛行機での移動中には、このバッテリの弱さには少々参った。画面の切り替わりの遅さなど、どうにも処理速度が弱いとしか思えない部分もある。bookliveの書籍販売は結構よいので、もう少し頑張ってもらいたいところだ...けれど、やっぱり本は紙がいいので、自分では買わないだろうな。

ということで、文庫本で池波正太郎とか、村上春樹翻訳のサリンジャー「フラニーとズーイ」など読みつつ、機内を過ごした。

機内といえば食べ物。行きも帰りも含めてだけれど、所詮...というと怒られそうだが、ドイツの航空会社なので、こちらは最悪だった。ニュージーランド航空の方がよほどよかった。帰りの最後の朝食など、食べる気になれないほど酷く、そのまま残してしまった。

さて、あっちこっちと話が飛びつつ、また長くなっている。

いつになったらこの話がイタリアに入れることやら...

飛行機はミュンヘンに到着。入国審査を抜けて、一旦ターミナルの外に出てみる。

預けた荷物はそのままナポリまで行ってくれるので、身軽だ。

初の欧州の空気。それはドイツ。空港に併設される形でスーパーや、その他の商業施設があったので、とりあえずスーパーを覗いてみる。色とりどりの野菜や果物が、ウィンナーとビールの国とは思えないくらい?並んでいる。苺や柑橘類など、結構おいしそう。チーズやヨーグルトなどの乳製品も、さすがに日本とは比べ物にならないくらい豊富だ。

ミュンヘンの時刻で17時過ぎだから、日本ではもう深夜。寝不足でボケボケした頭を引きずりながら、とりあえず、手近にあったマックカフェでカフェラテを頼む。アルバイトと思しき若い女性店員が要領悪くたまった注文を処理していて、やれやれ、と思っていたところでようやく我々のカフェラテ(ホット)を作り始めた。できあがったカフェラテを見て、何を思ったか、冷たい牛乳をどぼどぼと注いでしまった。

・・・量が足りなかったのかい?でも、それじゃ冷たくなるし、そもそもフォームミルクで飲むカフェラテじゃなくなるんじゃないのかい??

店外のオープンエリア。大きなため息をつきつつ、近寄って足元をつつく雀を眺めつつ、半分冷たいカフェラテをいただく。

こういう経験をすると、日本の高校生、大学生のアルバイトのレベルの高さを、つくづく感じる。アルバイトという社会経験だけでもこれだけの教育が行われ、子供のころから実戦できる国民性。日本の教育レベルの高さは本当に素晴らしい。もっと日本は頑張れるね。

ターミナルビルに戻り、チェックインしてルフトハンザのラウンジで、また食べなくてもいいようなものを(お腹が張るなぁ、などと思いつつ)食べてから...そしてナポリへ飛び立った。

広島-東京ほどの時間でナポリへ。もう現地時間で23時。日本は明け方か。

朦朧とした頭を頑張って引きずって、ここからはJにお任せだ。

英語が通じないところも多いらしいイタリアだけれど、空港などでは問題ない。英語が使えればJに任せておけば大丈夫だ。

空港の案内カウンタでタクシー乗り場の位置と、おおよそのタクシー料金(イタリアでは空港からのタクシーはエリアごとに均一料金になっている様子)を聞くなど(ぼられないように)、適切な情報を入手していく。僕一人だとできない技だ。

タクシーでこの日の宿、ホリデイインナポリへ。

深夜だったこともあるが、うら寂しく、大丈夫か?という立地条件にどきどきしつつ、また日本のビジネスホテル並みの狭苦しいロビーに、ほんとに四つ星か?と疑いつつ、また日本のツアー団体に遭遇しつつ、ようやく部屋へ。

ああ、疲れた。とにかく寝よう。

いよいよ明日から本格的なイタリア旅行だ。

to be continue...







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