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2013年1月

2013年1月29日 (火)

出汁に凝る

独り暮らし。

ということは、必然的に料理をしないといけない訳だけれど、これがまた、しないといけない、というものではなくて、積極的にしたいほど、結構楽しい。
なにより、美味い。
当然といえば当然だけれど、自分の舌が好む味に仕上げるのだから、口に合う。
また、結構こういうことを面倒とは思わないタチのようで、まったく苦痛に感じない。
面倒でなくて、安く、かつ美味いものが食えるのだから、楽しくて当たり前といえば当たり前。
本当に安上がりだしね。一食500円もかけてないと思う。
さて、8ヶ月ほどの独り暮らしで、料理はだんだんステップアップしてて、ここのところ凝っていたのは出汁。
もともと茶碗蒸しを作ろう、と思ったのがキッカケなのだけれど、あれら出汁が命なんだよね。
最初の茶碗蒸しがイマイチだったものだから、火がついた。
出汁の探求。まさに旅だ。
当初、昆布と粉末のカツオ出汁の合わせでやっていたのだけれど、これだと、出汁だけで味見しても物足らない。
次の工夫は、カツオ出汁もキチンと鰹節から取ることに。
昆布を水から入れて、煮立つ直前に取り出し、ここに鰹節を一掴みドバっと入れる。
5分ほど煮込んで、金笊とキッチンペーパーで濾してみる。
いい色、いい香り。
味見。
...う~ん、確かによくはなったが、今一つ物足りない。
とりあえずこれで茶碗蒸しも作ってみたが、どうにも...
さて次は...
昆布を鍋にはった水にいれて、20分ほど置く。
そこに、イリコだ。
えぐみがでないよう、頭とはらわたの部分をとって、軽く水で洗って鍋に投入。
火をかける。弱火でじっくり。
沸騰する直前に昆布を取り出し、イリコのみ残ったところに鰹節投入。
5分ほど煮込む。
どうだ??
濾しとった出汁はいい香り。
味見...うん、いい。いいではないか。ふふふ。
これで茶碗蒸しを作ってみる。
ちなみに茶碗蒸しはスチームオーブンレンジについていたレシピ集をとりあえずそのまま使っている。出汁による味の変化を見たいからね。
うん、美味い。
Chawanmushi

しかし、これは...もしかして...
次は、昆布とイリコだけで出汁をとって、カツオは粉末ダシですませてみる。
これで十分美味い??
もしかしたら...僕は瀬戸内生まれの瀬戸内育ち。
ということは、小さいころからイリコ出汁に慣れている。
ああ、そういうことか。だから昆布やカツオだけでは納得できなかったのか。
舌は結局そういうものなのかもね。
ただね。明らかに美味しいと思うんだよね。これ。
さらに出汁の探求は続いていて、実はちょっとした工夫でさらに味が向上しているのだけれど...それは次の機会に...

2013年1月24日 (木)

羊の国でニジマスと...ニュージーランド旅行記その3 ~ごろごろ...ミルフォードサウンド~

ミルフォードサウンド。

サウンド、というのは、入江とか小湾で、単純にそんな風に呼ばれてしまっているけれど、ここは立派なフィヨルド。

この地を発見した人たちがフィヨルド(氷河によって削られて海に落ち込んだ地形)についての知識がなかったため、ミルフォードフィヨルドとは呼ばれず、ミルフォードサウンド、と呼ばれるようになったとか。

ただ、フィヨルドも入江には違いないように思うのだけれど...間違いではないのではないかな?などと思う。

何故そんなことをいうか、というと、バスガイドさんは間違いだ、と言っていたので...

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海に落ちる滝。こういう風景がたくさん見えるのだけれど...

あれ?なんか見たことがあるような風景なんだけどなぁ...

200607236

あ、ちょっと違うか。

でも、直接海に落ちている滝もあったような記憶が...

え?どこの写真か??

北。かの土地、かの海。いまだ憧れの海。秋田は男鹿半島。これは確か白糸の滝だったかな?

当然フィヨルドではないけれど、日本にも圧倒的な風景はたくさんあって、そして日本は本当に美しい。

話が飛ぶけれど、ニュージーランドから帰って、羽田から広島空港へ。

そして空港から広島駅へのリムジンバスの車窓に映る広島の山々は本当に美しかった。

これほど奥ゆかしくて表情豊かで、どこかくすぐったいような自然はそうはないのではないかな?

そして、少し移動すれば、その風景もどんどん変わっていく。

確かに、ニュージーランドの自然には圧倒されて、また行きたいし、大好きな場所になった。

住んでもいい、と思えるようなところだった。

たとえば、中国はチベット自治区九寨溝あたりの自然も圧倒的で、時に神秘的でもあった。

でも、やはりこの国で生まれて、この国の空気を肺に溜め込んで生きてきた僕ら日本人は、この国の風景に落ち着きを覚えるんだろうな。

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この風景は、対馬、浅茅湾の風景をダイナミックにした感じだね。

ほら...

Asouwan6(浅茅湾http://www.geocities.jp/yuumi0915/tabitabi05.htm)

観光船はかなりのスピードで湾口に向かって走る。

滝など、近くで見れるように近寄る。観光船なので...

船の中は外人だらけ。・・・あ、俺か...外人...

まぁ観光地では誰もノリは似たようなもんだね。

で、探していた彼ら発見!

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ペンギン!

動物園では近くで見れるのだけれど、やはり遠くから野生のペンギンを見るほうが...しみじみ良いね。

そして、湾口。

P1040001


瀬戸内育ちの僕は、水平線を見ると、ほとんど無条件反射的に感動する。

水平線のない海に生まれて、育って、今も生きているからな。

湾口で船はターンして、帰路についたのだが...

そんなときだった。

ごろごろ...

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ごろごろ...

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ああ、なんてうらやましい。

ああ、なんて素晴らしい。

ああ、アザラシになりたい。

あれ、絶対気持ちいい。気持ちいいに違いない。

ああ、アザラシになって岩の上で太陽の光浴びてごろごろしたい...

しかもアザラシはハーレムらしい。

・・・といったら、Jに、「強いオス以外は大変らしいよ。アザラシ。」

・・・やっぱりやめておこう、アザラシになるのは...

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大瀑布。

この滝を浴びると寿命が延びるとか??あれ、違ったか??

まぁあちこちで寿命が延びるお茶飲んだり、卵食べたり、水飲んだりしてるから、もともとの寿命もよく分からないんだけどね。

飛沫が気持ちいい。


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バスで4時間。帰りもまた同じ時間かかるわけだけれど、まぁ仕方がないね。

ちなみに、セスナでミルフォードサウンドや山々を眼下にクイーンズタウンに戻る手もあるのだけれど、そこはね...高いとこ怖いし...ちなみに値段も高くて怖いんだけどね。

to be continue...

2013年1月10日 (木)

羊の国でニジマスと...ニュージーランド旅行記その2 ~ミルフォード・ロードと伝説と~

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一夜明けて、モーテル前の道路を走るバスが気になる。

Jが予約してくれたミルフォードサウンドツアーは、どうにも隣のホテルの前から出発するはずなのだが、なかなかバスが見えない。

あれかな?これかな?などと言っていると、モーテルに迎えが来たらしい...あれ(^^;

慌てて向かうと、確かにバスがあった。

乗ってみると、中はほとんどアジア系。

このバスは日本語でアナウンス、というかいろいろガイドをしてくれるからかな。

Jの配慮。確かに英語でガイドされても、僕にはさっぱりわからないからなぁ。

もうほとんど覚えてはいないけれど、日本人ガイドがヘッドホン越しに聞かせてくれる話には、ゴールドラッシュでこの地が開けたころの話、キャプテンクックによるニュージーランド発見の話、マヌカハニーの話、原住民マオリ族の神話でキアの羽の内側だけにオレンジ色が残った話、テアナウ湖の巨人神話、土ボタル(ヒカリキノコバエの幼虫)という洞窟と天空の城ラピュタの飛行石の関係などなど、いろいろ聞かせてくれて、なかなか面白かった。

たとえばキア。

彼らはニュージーランドの固有種。保護鳥で、生息数は1000羽とも5000羽とも言われている。ほかの鳥が済まない高い岩山の高所に巣を作る。

とても好奇心旺盛でイタズラもの。トレッキングをしている人の傍に舞い降りて愛嬌をふりまいたり、そうかと思ったら、リュックサックを開けて中を漁ったり。かなり賢い鳥。

彼らの特徴は、非常に地味な緑がかったグレー?っぽい色なのだが、羽の内側だけが鮮やかなオレンジであること。

さて、そのキア。マオリの伝説では...(うる覚えなので間違っていたらすみません)

神様がニュージーランドに住む動物たちに色を与えようとした。早く並んだ順に好きな色を選ばせるのだ。

ところが、イタズラもののキアは、そんな神様の言うことを聞かず、隠れてしまった。

さらに、一番目立つ鮮やかなオレンジ色を盗んでしまった。

怒った神様は、キアから色を奪い、ほかの動物が住めない岩山の上に追いやって森に棲めなくした。

だからキアは色を失ったが、羽の内側部分は羽を閉じていたため色が残り、そこだけが鮮やかなオレンジになった。

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・・・そんなお話。

さて、

英語のガイドは陽気な運転手がしていたのだけれど、Jによると、随分違う話をしていたようだ...でも、折角だから、陽気なニュージーランド人の話を直接聞けたほうが楽しいだろうね。

・・・と思ったら、ずっと聞いているのはやはりしんどいようで、聞き流していた様子...いろいろ聞いた話を僕がJに教えてあげたのだが、だったら日本語で聞けばいいような気もするが...どうもヘッドフォンがわずらわしかったらしい。

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途中、ミラーレイク(鏡面的に穏やかな湖面で、湖面に山々が美しい。写真は反射した文字を読ませるお遊びですね)、テアナウ湖、名前は忘れたが草原、清らかな清水、雪崩の址など見ながら、高原から徐々に標高を下げていく。

すると、だんだんと雲が多くなってくる...

ところで、僕は基本的に晴れ男として有名だ。

僕がどこかに旅行にいって楽しんでいると、だいたい雨は降らない。建物のなかにいるとき、車の中にいるときに降っていても、外に出ると止む。

例外はゴルフで、これはたぶん、あまり楽しめていないからではないか?と思う。

ニュージーランド南島は、東側は比較的乾燥していて、西側は湿度が高く雨が多い。

なので、これから向かうミルフォードサウンドは、絵葉書のように晴れていることはほとんど無いそうだ。まぁ俺がいけば大丈夫...かな?

そして...

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ミルフォードサウンドの乗船ターミナルに到着。

ほら、晴れた。

2013年1月 6日 (日)

羊の国でニジマスと...ニュージーランド旅行記その1 ~旅立ち編~

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2012年11月。

勤続20周年の休暇と、それと溜まったANAマイルを有効活用して、かねてから行ってみたかったニュージーランド(NZ)への旅行を計画。

ニュージーランド航空がスターフライヤーズ加盟航空会社なので、ANAのプラチナデスクに電話して相談して、そのままNZ国内線も含めて特典航空券の予約を完了。素晴らしい。

宿は高価なホテルではなくて、NZでは一般的なモーテルをHOTELS.COMで予約。

一部屋1万円で二人で宿泊なので、つまりは一人5千円×6泊で3万円。

マイル、偉い!現地で楽しむための費用を除いたら、だって3万円で済むんだもの...

まぁもっとも、現地でやっぱりお金はいるのだけれどね。

広島から成田へ、これまた特典航空券で飛んで、成田でJと合流。

Jって誰か?

それは追々と。

成田からクライストチャーチへ。

今回の旅はクライストチャーチとクイーンズタウンを拠点としたものとなるのだけれど、まずはクイーンズタウンを目指すため、そのまま国内線に乗り換えて、さらに空に舞い上がる。

国際線ですでに11時間以上飛行機に乗っているので、結構しんどいのではあるけれどね。

NZ航空は結構洒落が効いていて面白い。搭乗後の安全の案内のビデオが、ロードオブザリング仕様になっていて、なんともほのぼの。そう、まさにこれから向かうクイーンズタウンはロードオブザリングのロケ地でもある。

機内もなかなか清潔で、食事はいまいちだけれど、なかなかよい航空会社だった。

もっとも、外国の国内線はほぼ中国でしか乗っていないので、比較対象が悪い、という話もあるけれど。

ともかく、そんなこんなで到着したクイーンズタウン。

NZ南島。オタゴ地方のワカティプ湖畔の小さな町。・・・綺麗、の一言。風光明媚とはこの町のためにあるんじゃないか、という気すらする。ヴィクトリア女王にふさわしい、と名付けられたこの名前も頷ける。

Jはネイティブ並に英語を話すので、空港からはタクシーを使わず、バスを利用。

Jと一緒だと、海外でも自由度が高くて、言葉の壁がまったくなくなる。いや、正確には、自分が理解できていないことをいちいち確認しないといけないし、やっぱり自分で理解してしゃべれないといけないなぁ、と痛感する時間でもあるのだけれど。・・・相変わらず英語は苦手で...

モーテルに到着して荷物を解いて、まだお昼を回ったところなので、早速出かけてみる。

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湖畔を歩いて、クイーンズタウンの町へ。

そして、とりあえずゴンドラでクイーンズタウン・ヒルへのぼり、その風景にしばし見惚れる。

綺麗な湖と、ほんの小さな町。澄んだ空気と日本とは違う空の色。そして雪を抱いた山々。

ひと時を過ごしたのち、町へ降りて、夕食をとるためのレストランを探す。

折角なのでニュージーランドっぽいものがいいなぁ~

ふらっと入れた、CAPTAINへ。

リーズナブルだけれど、ここで食べたムール貝、そしてサーモンはなかなかのものだった。サーモンは、あきらかに日本で食べるより美味しいのは何故なのだろう??デザートまで食べて二人で8千円程度なので、なかなかリーズナブルかも。

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サーモン!

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ムール貝!

そして、やっぱりデザートは苺!

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ふふふ...

そして、一日目の日が暮れる...南緯が高いので、この時期21時でこれくらい明るいんですね。

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さて、明日はミルフォードサウンドだ。

to be continue...

あの頃、いつも海を見ていた

時間が流れた。

HP「いつも海を見ていた」を頻繁に更新していたころは、釣りに行ける程度の幸せがそこにあったということだろう。

今はすっかり釣りに行ける状態ではなくなってしまった。

今の状況をお伝えしようか...興味を持っている方はおられないだろうけれど...

現在、独り暮らし中。

つまりはいろいろあった訳です。自分の時間が流れて、揺れて、周りの時間まで揺らせてしまったのか、はたまた周りの時間の揺れが自分を別の流れに流したのか?当の本人にはよくは分からないのだけれど、間違いなく、罪を新しく背負って、でも、そうでないともう自分らしくは生きられないことに気が付いて、一つの線を越えてしまった。

そんなこともあって、現在、車がない。車を買うゆとりもない。

これはさらに釣りに行くハードルを高くしていて、海に向かいたいな...と、心は切望しているのだけれど、ただ無目的に海に向かうのはやはり釣り師としてはちょっと違っていて、竿を握って、彼ら(チヌなど)に向かっていないと、やはり落ち着かないのだろう。

ということで、今は何をしているか、というと、料理が案外面白い。

作ると案外美味い。作るのは面倒でない。狭いながらもキッチンを好きなように使い、欲しいと思った香辛料やら調味料やら好きなように揃えられるし、調理器具も(安いものをアマゾンで...)揃えられるし、食べたいと思ったものを作れるし。

それと、相変わらず、というか、頻度を上げて旅行、特に温泉には行っている。

まぁ、お金にゆとりがあるわけではないので、そうはいってもそんなに頻繁に、というわけにはいかないけれど、これはとても楽しんでいます。一緒に旅する人が、今は言葉が通じて、新しい発見を与えてくれる人なので、旅に広がりもでています。

そういう意味では、ちょっといいものを食べに行くことも増えています。

広島でもなかなか美味しいお店を発見したり...ちょっとこちらもお金はかかるけれど、少しばかり大人の贅沢ですね。口が肥えてくるのが難点だけれど、知らないことを知る(味)歓びですね。

相変わらずお酒は飲めないのだけれど、広島の地酒や、ウィスキーには興味が湧いていて、少しずつ舐めながら、そういう世界の面白さも知りつつある状況です。

また、そのうちに海に帰ろうと思っています。

それまで、あの頃見ていた海を思い出しながら、こんなありきたりな生活を少しでも楽しんでいきたいと思うところです。

2013年元旦を過ぎて... 田中優海