石の街、檸檬の国 ~南イタリア旅行記 その2 水牛 そしてレンタカーの悲劇その2~
CASEIFICIO。
いや、ここまでの道のりもなかなか...高速をおりてから一般道を走ってきた訳だけれど、相変わらず曲がる意思表示のためにワイパーを動かす、という...いや、必ず間違えるだけだけれど。ほんと、ワイパーとウィンカーのレバーまで反対についていなくてもよさそうなものだけれど...
ふと...GPSを見ると、バッテリの残量がほぼない。
ここまで、なんとかGPSを頼りに、時折ミスリードされつつも走ってきたのだ。
目を疑った。
バッテリの残量がない、ったって、電源はソケットから取っているはず。さては、きちんとはまっていない?
Jが差しなおしたり、ぐりぐり回してみているが、充電されない。
おいおい...
ともかく、水牛モッツアレラの工場CASEIFICIO近くまでたどり着いた。入り口を一旦通り過ぎてしまい、ちょっと戻ってようやく到着。
ふぅ...
駐車場に車を停めて、エンジンを切る。どっと疲れが寄せてくる。
GPS問題はとりあえず置いておいて、水牛モッツアレラのショップに行ってみる。
Jが英語で話しかけている。
以下、想像だ。
「バッファローモッツアレラ、あるんですか?」
ちなみに、ガラスのケースにはモッツアレラは見えない。
「ええ、あるわよ。どれだけいるの?1kgが普通だけど。」
「??1kg!ちなみに、どれくらい日持ちするの?」
「そうね、3日くらいかしら」
「じゃぁ、やっぱりお土産にはならないわね。」
「ハーフサイズもあるわよ。500g。」
それにしてもだ、500gものチーズ、いつ、だれが、どうやって食べるのか??俺たちは旅行中だ。
だが、こういうとき、それを買わない、というのは、何か違うのだ。そういう感覚はJと共有できる。そう、買うしかないのだ。ここまで来たら、買うしかないのだ。買うのだ、J。
「じゃあハーフサイズでください。」
どん!
これは後日の写真だけれど、そう、500gのモッツアレラチーズというのは、いうなればソフトボールだと思ったらいい。
乳清のような水の入った透明なビニール袋に、金魚よろしく入れられて、そしてこのソフトボールはやってきたわけだ。
まぁ...これは追々なんとかするしかない。
さて、ここで水牛...バッファローモッツアレラチーズを買う、というJの小さな夢はとりあえず実現したわけだ。
あとは、水牛や~い。どこだ~
ほのかに香ってくる牛臭さ。放牧されている水牛をイメージしたのだが、広大な牧場っぽいものはあるが、牛は1頭もいない。ともかく、においのする方に行ってみよう。
この子(犬)。
なんだか知らないけれど...いや、きっとこの人はいい人だ、と思ったのだと思うけれど、この後、ず~っと我々の後を愛嬌ふりまきながらついてきた。なかなかかわいい犬だ。この旅で出会った犬猫の一匹目だ。
まだ、猿も雉も出てこないけれど、とにかく犬を連れて牛を探す。
あ!
いた!
いっぱいいた。
巨大な牛舎に、数百頭いるのではないか?100頭以上はいるよな。というくらい、牛だらけだ。バッファローなどというから、少々気が荒いのかと思ったら、実に大人しくエサを食べている。
立派なつのだな。オスかな...といったら、Jが、「ミルクとるんだから、メスに決まってるじゃん」
・・・ああ、そりゃそうだね...たしかに。
さて、犬と一緒にひとしきり水牛を見て回って、まぁ臭いし、そろそろちょっと併設のヨーグルテリアで何か食べるかな。
こんな感じの雰囲気のあるカフェのようなもの。中ではヨーグルト、ジェラート、エスプレッソやカフェラテなどのドリンクと、なんだかよく知らない形をした(聞いたけれど忘れた)パンケーキのようなものが売られている。それとヨーグルトだ。
適当に頼む。パンケーキとヨーグルトのセットにエスプレッソ。なんというか、ボリュームがありすぎて辛い...
エスプレッソは、なんだか飲むというほどの量がないので、今一つ釈然としないコーヒーだ。日本式のコーヒーがやっぱりいいなぁ。濃くて苦いコーヒーに砂糖をたくさんいれてごくっと飲む。何がいいのかよく分らない。いや、正直なところ。苦すぎて繊細な風味も分らないし。
さて、次は勇気を出して初めてのおつかいだ。
Jと一緒に行動していると、海外では自然に頼ってしまう。しかし、それでは立派な大人になれないので、頑張って、ソフトクリームを買ってみる。そう、僕は甘いもの好きだ。苺ソフトなんて、もうメロメロになってしまう。今回は、え~っと、何味だったか忘れた。が、おいしそうなのを選ぶ。見た目だ。
カフェのお姉さんに、これ!コーンでね!いやいや、そっちじゃなくてそっちのワッフルコーン。うん、そうそう。ほとんど手振りだ。
ともかく、そうやって買ったジェラートは、濃厚かつ爽やかで、とても美味しかった。
さて、今日はこれからマテーラまで行かないといけない。
距離にして約190㎞。高速走って2時間とか。う~む、朝の事故以来、1日がとても長くなりそうだ。
出発前に、ずっとついてきた犬にお別れを。もう一匹犬が出てきて、なんだか立場が弱いように見える。
なんだか気に入らないので、手に持っていたコーンを、こっそりずっとついてきた方の犬にあげる。じゃあね!
GPS。そう、問題は解決していない。
もう一度ぐりぐり、ぬきさし、してみる。全然だめだ。本体が悪いのか、コードが悪いのか...
こうなると、もう唯一の頼りは空港で借りてきたwifi。そしてiphone。
結論的にいうと、これがあったら、GPSはほんとにいらない。iphoneとgoogleマップは最強だ。
僕もJもiphoneユーザなので、とりあえずJのiphoneを使う。バッテリが切れたら僕のに変えることにする。そう、バッテリの持続時間が命だ。
そして、バッテリといえばもっと困るのはWIFI。こっちのバッテリが切れれば、すべて終わる。
高速をひた走るときはWIFIの電源を落とす。走行距離からそろそろ高速を降りる、とか、曲がる、とか、そういうときに電源を入れる。涙ぐましい努力だ。
どうにも、これから行こうとしているマテーラ。そして世界遺産サッシ。そして洞窟ホテル。そんなに広い道をドン、と行けるような場所じゃなさそうだ。バッテリが切れたら終わりだ。
随分長い時間、走った気がする。ずいぶん雨も降っていないのにワイパー動かした。
イタリアの交差点はロータリー交差点。これも経験した。未経験の皆さん、大丈夫です。GPSでなくて、googleマップを使いましょう。
「次の交差点、ロータリー、2番目の出口です」と教えてくれる。反時計回りにロータリーを回りながら、一つ、二つ、と数えて、そこから出ればいい。素晴らしい。このロータリー交差点は、慣れると非常に効率的であることが分かる。曲がり損ねても、もう一周すればいいだけだし。
マテーラ。
そして、サッシの表示が見える。
あそこかな?いや、まだ。あそこ曲がるのかな?いや、まだ。随分走って、あ、そこ。
・・・いや、ほんと、そこからが大変だった。イタリアでの車の運転。ほんと、大変...
to be continue...
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