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2014年5月18日 (日)

石の街、檸檬の国 ~南イタリア旅行記 Prologue~

2014年のゴールデンウィーク。

何処へ行こうか?と考えていた。もう何か月も前のことだけれど。

海外が案外気分的に近いし、結構お金もかからないな、と、1年半ほど前に出かけたニュージーランド旅行で感じた。いや、確かに旅行期間がそれなりに長いし、なんだかんだでお金は使うのだけれど、国内で...そう、青森の温泉三昧旅行なんて、相当コスト高だ...それに比べると、あまり贅沢をしなければ(たとえばホテルは4つ星以上とか)、そんなに掛からない。何はともあれ、特典航空券、マイル様様だ。

ということで、一度行ってみたかったところ。

織田裕二主演の映画でおなじみ、南イタリア、アマルフィ。

イタリアには何度も行っているJも南イタリアには行っていない、ということで、今回はアマルフィを中心に、南イタリアを回ってみることにした。

回る、というけれど、南イタリアはどちらかというと田舎...(そんなことはないのかな?)

行きたいところを探してみると、交通の便は至極不便というか、ほとんどない。

それに、そもそも、どうせアマルフィ海岸に行くなら、そこはそれ、車で...できればフェラーリは無理としても、アルファロメオくらいで駆け抜けてみたいではないか。

そういう安易な考えが、後々悲劇?を生み、また疲労を生むとは...いや、まったく考えなかったわけではないけれど、うちの子に限って...という親と同じ心境というか...まぁ俺に限って...と...

とりあえず、楽天経由でBuggetレンタカーを予約。アメリカ系のレンタカーチェーンの方が安心だろうと...何分、気のいい陽気な、かついい加減な?イタリア人を信用するのが怖いというか...

事前にネットでいろいろ先人のコメントなどを見ていると、結構いろいろいい加減なことをされて、困った方もおられるようだしね。

ホテルはあまり高価なところは使わない。けれど、気分がよい程度にはしておきたい。小さな街の小さめなホテル。今回は一番高いところで4つ星(でも、安い方の)。徐々によいホテルへと推移していくプランだ。Jとしては、旅は最後が気分がいい方がいい、とのこと。確かにそれはそうだ。

今回の旅は、4月29日出国、5月7日帰国。イタリアでは7泊の予定だ。

到着当日はナポリに宿泊し、その翌日から本格的に動き始める。マテーラはサッシに2泊。アマルフィに2泊。ポジターノに2泊。

ゴールデンウィークの休暇は4月27日から5月6日。26日の土曜は出勤日だったが、結構休んでいる人も多かった。僕は出社。なぜなら、当然ながら少なくとも5月7日は休まないといけないし、時差ボケと疲れも予測できるから5月8日も休んでしまえ!ということ。

さて、

4月27日、日曜日。少しゆっくり目に広島空港から羽田空港へ飛ぶ。ここも特典航空券を利用。

少し前に御殿場プレミアムアウトレットでスーツケースを購入した。

Img_3924_r2これは帰る直前の状態なので、すでに使用感があふれているが、この派手な色がとても気に入った。

買った後で調べると、エアリアルというシリーズのスリランカ政府観光局とサムソナイトが組んだ限定カラーでサンセットオレンジというカラーらしい。だからどうした、というのではないけれど、こういうオレンジ、結構好きなんだよな。

考えてみると、ダウンジャケットもエディバウアーのこんな感じの色のを着ている。

もっとカッコいいヨーロッパ製のものもあった。これはカーボンブレーディングのシェルでなかなかなのだが、高い。滅多に海外にいかず、出張では中国あたりが中心で、この場合は機内持ち込みのキャリーバッグで十分(・・・だし、うちの会社は上海から国内線に乗り換えたりしないといけないため、荷物を預けると不安だったりする。)なので、あまりコストはかけられない。ちなみにエアリアルシリーズは中国製だったか?と思う。

いつも通り横道にそれていっているが、ともかく他の用事もあったので27日に東京に入って、28日は東京でブラブラしつて、29日に京急で羽田空港国際線ターミナルに向かった。

羽田空港国際線ターミナルは初めて。成田だと、東京からでも行くだけで相当時間がかかるし、結構大変なのだけれど(これは関西空港にも言える。本当に不便だ)、羽田は楽でいい。羽田発着の国際線が増えてくれているのは、今後を考えても本当に助かるね。

今回使う航空会社は、ドイツのルフトハンザ航空。ANA運航便でフランクフルト経由ナポリ、というものあったと思うのだけれど、日程の都合もあって、やむを得ず、ルフトハンザでミュンヘンへ。ミュンヘンからもルフトハンザでナポリへ、ということになった。

このあたりは、おおよそ調べて、ANAのプラチナデスクとかスーパーフライヤーズデスクに電話して相談すれば調べてくれるので、とても助かる。

こうやって、マイルとサービスで一般消費者は抱え込まれていくのだなぁ。

羽田空港国際線ターミナルのルフトハンザのカウンターは、空港の建物から出国ゲート方向に向かって一番左端のようだ。

カウンターに行く前に、予約していたグローバルWIFIの借り受けに行く。予約情報を伝えれば、あっという間に貸し出ししてくる。

ちなみに今回の旅程でWIFIを借りて、税込みで11,216円。これを高いとみるかどうみるか??

だが、これは結果としてはとても大成功で...というよりこれを借りていたから、ほぼ予定通りに行動できた、という...図らずもWIFIを試しに借りてみたことが今回の旅行の最大の功績?だった。このあたりの話は追々。

借りたWIFIをスーツケースに入れて、カウンターへ行く。まだ少し早かったので、カウンターはガラガラ。

そのあと、折角なので一つ上のフロアにあるショップ街をブラブラするが、なんだか疲れるので、Jに、「もう(出国ゲート抜けて)ラウンジに行こうよぉ」と、出国前から弱音をはく。どうも、こういう平らなところをダラダラあるくと疲れる足を持っているようで、こういうの苦手だ。

ゴールデンウィーク中で混雑を心配していたけれど、混み合うこともなくスムーズに出国ゲートを抜けて、ANAのラウンジに入る。

ついつい...そんなにお腹が空いているわけでもなく、また飛行機に乗ると何か食べさせられるのを分かっていて...蕎麦食べたり、おむすびを食べたり、ケーキを食べたり...

そんなこんなで1時間半ほど。旅慣れているJは、「飛行機に早く乗っても、狭い空間に閉じ込められる時間が長くなるだけだから、そんなに慌てなくていい。」と言うのだけれど、僕としては、早めに早めに行動したい。小心者なのだ。加えて、国内線だが飛行機に乗る回数は僕の方がはるかに多いわけだけれど、そこで優先搭乗で感じる最大のメリットは、頭の上の手荷物収納棚の確保だと思っている。

運が悪いと、やたら荷物の多い人が周辺席に座っていて、自分の手荷物を収納するスペースが近くに確保できなくなることがある。

今回、搭乗開始が40分くらい前から始まったようで、そんなにギリギリに言ったわけでもないのだけれど、機内に入ったら、自分の頭上はすでに荷物で埋まっていた。

国際線で搭乗時間が長いと、なんだかんだで荷物を取り出したくなることも多いから、人の頭の上から遠慮しながら荷物を取り出すのはどうも...今度から、もうちょっと早く搭乗しようと改めて心に誓う。

ルフトハンザの座席。狭い。ANAの国内線のシートの方が前席との間隔が広いような気がする。これで12時間か...少々気が萎える。

そう、トランジットのミュンヘンまで12時間。日本とイタリアの時差は+7時間。

出張でいく中国、少し前にいったマレーシア、また1年半前のニュージーランドも、時差が1時間といったレベルなので、あまり時差を感じない。

以前、出張でラスベガスに行ったが、あれで時差が-8時間だから、時差的にはそんな感じか。

いずれにしても欧州は遠い。そもそも、中国成都より西に行くのは初めてだ。あ、正確には九寨溝までは行ったな。

欧州といっても、北欧と南欧はまったく別の世界が広がっているだろうし、イタリアとドイツでは文化も違うし、ひとまとめにする意味は、通貨がユーロで統一されている、というくらいのことだろうか。

・・・と思っていたのだけれど、今回の旅で一番感じたのは、ドイツで入国すると、そこから先は入国、出国という概念なしに国内線に乗る感じで国境を越えられるということの凄さ。

あれほど、戦の歴史を繰り返し、侵略し、侵略され、奪い、奪われ、殺し、殺された歴史をもつこれらの国々が、国境の枠を取り払うことができている。これは凄いことだと思う。

欧州は我々にとって歴史の先輩だろうと思う。中国、韓国と、実は運命共同体であることが分かっていながら、未だにお互いの嫌悪感を高めるような言動が繰り返されているこの状態も、いずれはEUのような概念のもとで、落ち着いた関係を構築できるのではないか?という期待を持たせてくれる。宗教的な諍いが起こりにくい環境なのだから、時間を掛けなくても、まずは経済からでも、できるはずだと思えてくる。

欧州、イタリアなんて、あまり僕の人生には関係がなかったのだけれど、こうやって足を延ばすとなると、少しだけ、考えることも違ってくる...というより、意識しなかったことを意識し始める。旅はいいね。

さて、南イタリアへ向かっているのだけれど、欧州は初めてなのだから、ローマとか、もう少しメジャーなところに行けばいいようなものだけれど、根っからの田舎好きの僕としては、そういう美術観光的な旅行は後回しでもいい。

不安。といえば、治安と車。

ナポリあたりは治安最悪、といろいろなHPやブログを見ていると書いてある。ナポリは初日に一泊するだけなのだけれど、少々怖い。襲われてどうこう、というより、財布やパスポートを紛失すると、それからのリカバリーの面倒さを考えてしまう。

それと何より車。

Kokusaimenkyo2

国際免許証を発行してもらっている。

それにしても、広島。滅茶苦茶不便だった。広島の運転免許センターへの公共交通機関は路線バス、しかも本数が多いとは言えない路線バス。しかも、広島バスセンターまで行くだけで小一時間かかるようなところに住んでいると、とんでもなく時間がかかる。

しかも、国際免許は平日しか発行してくれない。車があればいいのだけれど、免停の人とか、講習を受けに行くのに大変ではなかろうか...ちなみに、免停を繰り返していた、バイクに乗っていた若かりし頃。そのころは広島の街中に免許センターがあったので、大変楽でした。

やむを得ず、わざわざレンタカーを借りて、出勤時刻を少し遅くさせてもらって、なんとか発行してもらったのだった。

しかし、本当にこんなことでいいのだろうか?

交通ルールも違う。そもそも右車線を走ったことがなく、左ハンドルの車にも乗ったことがない。イタリアのロータリー式交差点なんて、訳が分からない。

なのに、日本の免許持ってたら気軽に発行される国際免許。

イタリアは交通マナーが(広島以上に?)悪いらしい。追い越し割り込み当たり前。2車線道路を車が3台並走するとか...違法駐車だらけで道も狭い云々。マイナスな事前情報ばかりで、「やめた方がいい」と記載されたWEB上の記事もたくさん。

小心者的には、初めての海外での運転で、こんな国で運転して大丈夫なのか?と不安になる要因は山ほどあった。

そんな不安を抱えつつ、飛行機は西進する。

今回、機中の新兵器として、電子ブックを持ち込んだ。あまり電子書籍は好きでなくて、kindleにも興味を示していなかったのだけれど、bookliveという凸版印刷が中心?で展開している電子書籍専用のlideoという端末をもらったので、ここに本をダウンロードしておいた。

bookliveのいいところは、キャンペーンなどで書籍のディスカウントがあるところだろうか。今回はディスカウントのあった本や、割引セールを利用して購入したものばかりダウンロードしている。

ダンブラウンの「インフェルノ」(イタリアが一部舞台になっている)、まだ文庫化されずに読めていなかった横山秀夫の「64」、池井戸潤はキャンペーン中でいろいろ安かったので適当に...といった感じ。

しかし、kindleはどうなのか知らないが、このlideo。バッテリ弱すぎ...

飛行機の中で読んでいたら、7~8時間も持たない感じ。ゆっくり読んでいると2冊は読めない。旅行中、ホテルで本を読んでいたりするときには随分助かったが、飛行機での移動中には、このバッテリの弱さには少々参った。画面の切り替わりの遅さなど、どうにも処理速度が弱いとしか思えない部分もある。bookliveの書籍販売は結構よいので、もう少し頑張ってもらいたいところだ...けれど、やっぱり本は紙がいいので、自分では買わないだろうな。

ということで、文庫本で池波正太郎とか、村上春樹翻訳のサリンジャー「フラニーとズーイ」など読みつつ、機内を過ごした。

機内といえば食べ物。行きも帰りも含めてだけれど、所詮...というと怒られそうだが、ドイツの航空会社なので、こちらは最悪だった。ニュージーランド航空の方がよほどよかった。帰りの最後の朝食など、食べる気になれないほど酷く、そのまま残してしまった。

さて、あっちこっちと話が飛びつつ、また長くなっている。

いつになったらこの話がイタリアに入れることやら...

飛行機はミュンヘンに到着。入国審査を抜けて、一旦ターミナルの外に出てみる。

預けた荷物はそのままナポリまで行ってくれるので、身軽だ。

初の欧州の空気。それはドイツ。空港に併設される形でスーパーや、その他の商業施設があったので、とりあえずスーパーを覗いてみる。色とりどりの野菜や果物が、ウィンナーとビールの国とは思えないくらい?並んでいる。苺や柑橘類など、結構おいしそう。チーズやヨーグルトなどの乳製品も、さすがに日本とは比べ物にならないくらい豊富だ。

ミュンヘンの時刻で17時過ぎだから、日本ではもう深夜。寝不足でボケボケした頭を引きずりながら、とりあえず、手近にあったマックカフェでカフェラテを頼む。アルバイトと思しき若い女性店員が要領悪くたまった注文を処理していて、やれやれ、と思っていたところでようやく我々のカフェラテ(ホット)を作り始めた。できあがったカフェラテを見て、何を思ったか、冷たい牛乳をどぼどぼと注いでしまった。

・・・量が足りなかったのかい?でも、それじゃ冷たくなるし、そもそもフォームミルクで飲むカフェラテじゃなくなるんじゃないのかい??

店外のオープンエリア。大きなため息をつきつつ、近寄って足元をつつく雀を眺めつつ、半分冷たいカフェラテをいただく。

こういう経験をすると、日本の高校生、大学生のアルバイトのレベルの高さを、つくづく感じる。アルバイトという社会経験だけでもこれだけの教育が行われ、子供のころから実戦できる国民性。日本の教育レベルの高さは本当に素晴らしい。もっと日本は頑張れるね。

ターミナルビルに戻り、チェックインしてルフトハンザのラウンジで、また食べなくてもいいようなものを(お腹が張るなぁ、などと思いつつ)食べてから...そしてナポリへ飛び立った。

広島-東京ほどの時間でナポリへ。もう現地時間で23時。日本は明け方か。

朦朧とした頭を頑張って引きずって、ここからはJにお任せだ。

英語が通じないところも多いらしいイタリアだけれど、空港などでは問題ない。英語が使えればJに任せておけば大丈夫だ。

空港の案内カウンタでタクシー乗り場の位置と、おおよそのタクシー料金(イタリアでは空港からのタクシーはエリアごとに均一料金になっている様子)を聞くなど(ぼられないように)、適切な情報を入手していく。僕一人だとできない技だ。

タクシーでこの日の宿、ホリデイインナポリへ。

深夜だったこともあるが、うら寂しく、大丈夫か?という立地条件にどきどきしつつ、また日本のビジネスホテル並みの狭苦しいロビーに、ほんとに四つ星か?と疑いつつ、また日本のツアー団体に遭遇しつつ、ようやく部屋へ。

ああ、疲れた。とにかく寝よう。

いよいよ明日から本格的なイタリア旅行だ。

to be continue...


























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