湯のある風景~青森、春遠からじ~ その1
2013年のゴールデンウィーク。
独り身で迎える最初の連休。
こういうことを言うと怒られそうだけれど、独り、というのは、何をしても一人分のお金しかかからないわけで、そういう意味でも自由なのかも知れない。
さて、この連休はJと青森5泊の予定を立てた。
ともかく、東京へ。
東京に住んでいる人はあまり感じないだろうけれど、田舎から田舎へ行くのは、実際の距離以上に大変だ。
広島からの飛行機は、ANAだと、東京、沖縄、札幌にしか国内線は飛んでいない。
そうなると、たとえば、広島から鹿児島の方が、東京から鹿児島より圧倒的に距離は近いのだけれど、広島からは地べたを這っていくしかないため、東京から飛行機で移動した方が早い。
もっと顕著なのが、広島の隣県である島根、そして鳥取などの中国地方の山陰側。
ここは広島から直接鉄道も走っておらず、車で行くか、岡山回りで列車で行くしかない。
高速バスで3時間ほど。東京から飛行機の方が圧倒的に早い。
交通機関の発達とともに、なんだか距離感...時間感と言った方がいいのかな?
ちょっとおかしくなってきそうだ。
ということで、地図上でさえ遠い青森は、相当遠いのである。
以前、秋田のきしさんと竿を並べるため、秋田に行ったのだが、これはやはり遠かった。
ちなみに、最初は札幌から秋田へ。2度目は...えっとどこだっけ??福島あたりから秋田へ行った。意味が分からないくらい遠かった。
きっと、東北の人は広島と熊本が近い、と思っているかも知れない。
遠い。本当は遠い。
だから、札幌と秋田は普通に遠いのだ。福島から新幹線でいくと、気が遠くなるくらい遠いのだ。
なので、3回目は素直に羽田から行ったら、案外近かった。
つまり、少々くどいけれど、田舎から田舎は遠く、都会からは何処も、そう、海外だって近いのだ。
ちょっとだけうらやましい。
そんなわけで東京に一泊して、Jと連れ立って青森へ...と、思うでしょ?
実はそうではなくて、飛んだ先は秋田。大館能代空港だ。
秋田って、空港が二つもあるんだな~、と経路を考えていて今更驚いた。
大館能代空港でレンタカーを借りる。久しぶりにニッポンレンタカー。
最近、格安レンタカーばかり借りていたので、普通のレンタカーに感動する。
おお、ちゃんとナビついてる!ウォークマン差し込むジャックがある!
で、また脱線するけれど、僕はウォークマン派だ。ipodは持ってない。いや、iphoneは使っているのだけれど、ここにはほとんど音楽は入れていない。
僕らが中学生のころかな?カセットテープのケースと同じようなサイズのカセットプレーヤー、ウォークマンが登場。若者の心鷲掴み。一世を風靡した。
その世代。ウォークマン欲しくてもなかなか買ってもらえなかった。
つまり、憧れの対象でもあったんだ。
いま、ようやく欲しければ買えるような立場になって、新参者のipodなど使えるか!という殆ど根拠もないような...しかしそんな強い根拠でウォークマンを買い続けている。
今手元にあるもので3台目かな。NW-S764というタイプ。Sシリーズ。あのスマホみたいな形した奴じゃなくて小さいやつね。
だいたい、コンパクトであることに意味があるのに、あんなスマホ並に大きいウォークマンって、意味がないだろう?と言いたくなる。まぁ使い方次第なんだろうけれど。
で、僕のウォークマンは、7割方、「さだまさし」が入っていて、今なお増殖中だ。
このあたりの話はまた追々。
青森、といえば、名曲「津軽」。
♪滔々と吹く風に雪煙、土蜘蛛のごとくうずくまる林檎の木♪
さすがに雪の季節ではない(...いやいや...後で思い知らされるのだが...)のだけれど、葉も身も落とした林檎の木は、まさに土蜘蛛のようだ。さすが、さださん。
さて、今日も無駄話ばかり書いて、話が先に進まない。誰が読むのか知らないし、釣りの話題でもないし、以前のように「いつも海をみていた」の常連の皆さんもほとんどいない訳だから、こんなグダグダとした長文に付き合ってくれる人は少ないはず。
まぁいいや。こんな文章、書くの好きだし。
レンタカーは、ホンダのFit。コンパクトカーといっても、最近は車内も広いし、よく走る。
一路、今度こそ青森へ向かう。
何故、青森なのに秋田の空港に降りたか、というと、地図を見てもらえばわかるのだけれど、大館能代空港から弘前に行く方が、青森空港から弘前に行くより近そうだし、新幹線で東京から行く、というのは、すでに広島から東京まで来ている僕としてはとても辛いので、そんな選択肢を選んだわけだ。
で、何故弘前か?
これは言わずと知れた弘前城の桜だ。Jが特に主張した弘前の桜。さてさて...
車を走らせる。近いといっても70~80kmはあるので、そこそこ走る。
徐々に車が増えてきて、弘前市街へ入ってきたことが感じられる。大きな街だな。
しかし...道路わきの街路樹として植えられている桜。ほとんど咲いていないような...
寒いからなぁ...
この日は唯一温泉宿はとっていない。
とはいえ、温泉のついたドーミーイン弘前が今夜の宿。このドーミーインは何処も綺麗だし、一応温泉とのことらしい大浴場もあって、なかなか気に入っているホテルだ。
まだチェックインタイムではないが、車を置かせてもらえないか交渉。
許可をもらって、とりあえず遅めの昼食を取りに出かける。
ホテルから歩いてすぐの「高砂」。食べログ3.5でなかなか好評価のようだ。
蕎麦好きの僕としてはホテル近くでありがたい。
蕎麦、という料理であることを考えると、創造を超えるくらい...要領が悪すぎるんじゃないか、と思うくらい待たされるので、ここを訪れる方は気を長く持ってもらった方がいいだろう。
蕎麦は...確かに美味しい。そばつゆが、東北特有の塩辛さはなく、かといって甘すぎず、柔らかい風味で出汁もよく生きている。蕎麦も適度なコシがあってなかなか。
感動的、というほどではないけれど、味の面では行って損のないお店だった。
もう一つ驚いたのは、トイレ。
馬鹿みたいに...失礼...無意味なほど...同じか...広い。思わず写真撮ってしまったが、その広さが伝わらないのでここには載せない。
この店に行かれた方は、是非トイレを使ってみてもらいたいな。
蕎麦を食べたあと、ダウンを着こんでもまだ寒いと思いつつ、弘前城へ歩く。
う~ん...
でも、ほら。
ははは...よく見ると僕の頭の上に線が入っている。あれは電線ではなくて継ぎ目ね。
桜が咲いてない時に来た人への救済策として、大きな満開の桜の写真パネルが置いてあるのでした...気が利いていると、これは言うべきなのだろうか??
手にコーンのみ残っているが、これはこのあたりで名物のアイス。昔、尾道の夜店で売っていたようなちょっとシャリシャリ感のある、あれだ。寒くて寒くて...といいながら、思わず買ってしまった。
さて、長くなったので、今日はこのあたりで...続きはまた気が向いたときに...
ちなみに、このあとは弘前フレンチへ。そして翌日の温泉三昧と、中盤以降の恐怖の出来事などに続いていくわけだけれど...いつになるやら...