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2013年6月

2013年6月24日 (月)

湯のある風景~青森、春遠からじ~ その1

2013年のゴールデンウィーク。

独り身で迎える最初の連休。

こういうことを言うと怒られそうだけれど、独り、というのは、何をしても一人分のお金しかかからないわけで、そういう意味でも自由なのかも知れない。

さて、この連休はJと青森5泊の予定を立てた。

ともかく、東京へ。

東京に住んでいる人はあまり感じないだろうけれど、田舎から田舎へ行くのは、実際の距離以上に大変だ。

広島からの飛行機は、ANAだと、東京、沖縄、札幌にしか国内線は飛んでいない。

そうなると、たとえば、広島から鹿児島の方が、東京から鹿児島より圧倒的に距離は近いのだけれど、広島からは地べたを這っていくしかないため、東京から飛行機で移動した方が早い。

もっと顕著なのが、広島の隣県である島根、そして鳥取などの中国地方の山陰側。

ここは広島から直接鉄道も走っておらず、車で行くか、岡山回りで列車で行くしかない。

高速バスで3時間ほど。東京から飛行機の方が圧倒的に早い。

交通機関の発達とともに、なんだか距離感...時間感と言った方がいいのかな?

ちょっとおかしくなってきそうだ。

ということで、地図上でさえ遠い青森は、相当遠いのである。

以前、秋田のきしさんと竿を並べるため、秋田に行ったのだが、これはやはり遠かった。

ちなみに、最初は札幌から秋田へ。2度目は...えっとどこだっけ??福島あたりから秋田へ行った。意味が分からないくらい遠かった。

きっと、東北の人は広島と熊本が近い、と思っているかも知れない。

遠い。本当は遠い。

だから、札幌と秋田は普通に遠いのだ。福島から新幹線でいくと、気が遠くなるくらい遠いのだ。

なので、3回目は素直に羽田から行ったら、案外近かった。

つまり、少々くどいけれど、田舎から田舎は遠く、都会からは何処も、そう、海外だって近いのだ。

ちょっとだけうらやましい。

そんなわけで東京に一泊して、Jと連れ立って青森へ...と、思うでしょ?

実はそうではなくて、飛んだ先は秋田。大館能代空港だ。

秋田って、空港が二つもあるんだな~、と経路を考えていて今更驚いた。

大館能代空港でレンタカーを借りる。久しぶりにニッポンレンタカー。

最近、格安レンタカーばかり借りていたので、普通のレンタカーに感動する。

おお、ちゃんとナビついてる!ウォークマン差し込むジャックがある!

で、また脱線するけれど、僕はウォークマン派だ。ipodは持ってない。いや、iphoneは使っているのだけれど、ここにはほとんど音楽は入れていない。

僕らが中学生のころかな?カセットテープのケースと同じようなサイズのカセットプレーヤー、ウォークマンが登場。若者の心鷲掴み。一世を風靡した。

その世代。ウォークマン欲しくてもなかなか買ってもらえなかった。

つまり、憧れの対象でもあったんだ。

いま、ようやく欲しければ買えるような立場になって、新参者のipodなど使えるか!という殆ど根拠もないような...しかしそんな強い根拠でウォークマンを買い続けている。

今手元にあるもので3台目かな。NW-S764というタイプ。Sシリーズ。あのスマホみたいな形した奴じゃなくて小さいやつね。

だいたい、コンパクトであることに意味があるのに、あんなスマホ並に大きいウォークマンって、意味がないだろう?と言いたくなる。まぁ使い方次第なんだろうけれど。

で、僕のウォークマンは、7割方、「さだまさし」が入っていて、今なお増殖中だ。

このあたりの話はまた追々。

青森、といえば、名曲「津軽」。

♪滔々と吹く風に雪煙、土蜘蛛のごとくうずくまる林檎の木♪

さすがに雪の季節ではない(...いやいや...後で思い知らされるのだが...)のだけれど、葉も身も落とした林檎の木は、まさに土蜘蛛のようだ。さすが、さださん。

さて、今日も無駄話ばかり書いて、話が先に進まない。誰が読むのか知らないし、釣りの話題でもないし、以前のように「いつも海をみていた」の常連の皆さんもほとんどいない訳だから、こんなグダグダとした長文に付き合ってくれる人は少ないはず。

まぁいいや。こんな文章、書くの好きだし。

レンタカーは、ホンダのFit。コンパクトカーといっても、最近は車内も広いし、よく走る。

一路、今度こそ青森へ向かう。

何故、青森なのに秋田の空港に降りたか、というと、地図を見てもらえばわかるのだけれど、大館能代空港から弘前に行く方が、青森空港から弘前に行くより近そうだし、新幹線で東京から行く、というのは、すでに広島から東京まで来ている僕としてはとても辛いので、そんな選択肢を選んだわけだ。

で、何故弘前か?

これは言わずと知れた弘前城の桜だ。Jが特に主張した弘前の桜。さてさて...

車を走らせる。近いといっても70~80kmはあるので、そこそこ走る。

徐々に車が増えてきて、弘前市街へ入ってきたことが感じられる。大きな街だな。

しかし...道路わきの街路樹として植えられている桜。ほとんど咲いていないような...

寒いからなぁ...

この日は唯一温泉宿はとっていない。

とはいえ、温泉のついたドーミーイン弘前が今夜の宿。このドーミーインは何処も綺麗だし、一応温泉とのことらしい大浴場もあって、なかなか気に入っているホテルだ。

まだチェックインタイムではないが、車を置かせてもらえないか交渉。

許可をもらって、とりあえず遅めの昼食を取りに出かける。

ホテルから歩いてすぐの「高砂」。食べログ3.5でなかなか好評価のようだ。

蕎麦好きの僕としてはホテル近くでありがたい。

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小一時間待って、ようやく席に案内される。

蕎麦、という料理であることを考えると、創造を超えるくらい...要領が悪すぎるんじゃないか、と思うくらい待たされるので、ここを訪れる方は気を長く持ってもらった方がいいだろう。

蕎麦は...確かに美味しい。そばつゆが、東北特有の塩辛さはなく、かといって甘すぎず、柔らかい風味で出汁もよく生きている。蕎麦も適度なコシがあってなかなか。

感動的、というほどではないけれど、味の面では行って損のないお店だった。

もう一つ驚いたのは、トイレ。

馬鹿みたいに...失礼...無意味なほど...同じか...広い。思わず写真撮ってしまったが、その広さが伝わらないのでここには載せない。

この店に行かれた方は、是非トイレを使ってみてもらいたいな。

蕎麦を食べたあと、ダウンを着こんでもまだ寒いと思いつつ、弘前城へ歩く。

う~ん...

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・・・見事に咲いてない。

でも、ほら。

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ちゃんと咲いているところもあるでしょ。満開で...

ははは...よく見ると僕の頭の上に線が入っている。あれは電線ではなくて継ぎ目ね。

桜が咲いてない時に来た人への救済策として、大きな満開の桜の写真パネルが置いてあるのでした...気が利いていると、これは言うべきなのだろうか??

手にコーンのみ残っているが、これはこのあたりで名物のアイス。昔、尾道の夜店で売っていたようなちょっとシャリシャリ感のある、あれだ。寒くて寒くて...といいながら、思わず買ってしまった。

さて、長くなったので、今日はこのあたりで...続きはまた気が向いたときに...

ちなみに、このあとは弘前フレンチへ。そして翌日の温泉三昧と、中盤以降の恐怖の出来事などに続いていくわけだけれど...いつになるやら...

2013年6月 9日 (日)

大島の海

ふと...顔が見たくなった。

金曜の夜、ちょうど来客対応で簡単な接待のようなことを平和大通り沿いの店でやっていたとき。

店の窓。眼下には「とうかさん」初日人でが流れ、夜店が活気を添えている。

長いこと広島にいるけれど、人込みが嫌いな僕は、この広島三大祭りのひとつ、ゆかた祭りともいわれるとうかさんに行ったことがなかった。特に狙ったわけではないが、接待客と一緒に少しだけ混雑した夜店の間を抜けた。

華やかなゆかたの女性?ああ、咲き始めの紫陽花かな?雰囲気は。

雨が降らなくてよかったね。

そんなお店の中から、友波さんにメールする。

この土日、何してる?

・・・・・

そんなわけで、日曜の6時半過ぎのJRに乗って、大畠を目指す。

しかし、JRも田舎には金を掛けない、ということが徹底されていて、南岩国から西はICOCAが使えないらしい。

しかししかし、そのことは乗車駅には表示されていない。金使わないなら、それくらいきちんと表示しとけよな...

さて、西方面はいろいろあって...というより、まぁもともと住んでいた家がある方向なので、あまり行かないようにしていたこともあって、なんとなく懐かしい感じすらし始めている海を見ながら列車は西へ進む。

JR大畠駅。大島大橋のすぐ西側にある、周防大島最寄り駅だ。

改札を抜けると、もう友さんが来てくれていた。

「久しぶり!」

どれくらいあってないだろう??確か、一昨年の年末ころに会ってるかな?

本人曰くそうでもないらしいが、でも、元気そうでよかった。

友さんの車に乗り込み、大島大橋を渡る。何度もいうけれど久しぶり。

数年前まではほぼ毎週渡っていた橋だからね。

漁港につく。海晴丸へ乗り込む。またいうけれど、これは本当に久しぶりで懐かしい。

海の傍に住んで、魚を食べたいと思ったら、旬の魚を自分の船でちょっと釣りに行く。

本人はそれほど優雅には思っていないと思うけれど、これは客観的に見れば、とてもうらやましいし、釣り師なら憧れる情景だよね。

しばらく釣りにいっていないと、リズムがおかしくなっている。

当たり前に確認するはずの天気予報も見ていなくて、レインウェアも持ってきていない。

出船してまもなく、ポツリポツリと雨が降り始め、結局船の上にいる間はほとんど小雨交じりの天気だった。

風がなかったので寒くはなかったけど...まぁ日にあぶられるより体力も使わなかったし、よかったのかもね。

友さんと、船のエンジン音にときおり声を大きくしながら、ポツリポツリと近況を報告しあう。

けれど、なんだか友さんと周防大島の海の上に浮かんで糸を垂らしていると、そんなこととりあえず今日はどうでもいいや、という気になってくるから不思議だ。

さて、狙いはアジ。

チヌオンリーでひたすら釣っていた昔から考えると、まぁちょっと毛色は違うが...なんだかこういう肩ひじ張らない、構えない釣りをしたいと思っていたので、ちょうどいい。

周防大島のアジ釣りは、広島のそれのように底かごにアミエビを詰めたりしない。

自然のまま、潮に流した船がアジロを通り、群れているアジをサビキで反射食いさせるだけ。

以前、広島の船がこの守られている海に土足で入り込んでアミエビをまき散らしている、という話を聞いた。

郷に入れば郷に従え。守られてきた海を、よそ者が気軽に汚しちゃあいけない。

100尾、200尾と小あじを釣ってどうする?いらんでしょう。そんなに。

釣れる魚を食べるだけいただく。なんという気持ちのいい釣りだろう。

やさしい大島の海。ディーゼルエンジンの音。心地いい。

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・・・で、食い気のないアジ(笑)

しかし、さすがに友さん。同じように瀬の潮上から仕掛けが入っているはずなのに、僕のサビキには反応しないアジが、友さんのサビキには食いつく。

やっぱり経験、腕だなぁ。

それでもポツリポツリとアジ、そしてメバルが遊んでくれる。

気負わない釣りは、それでも3時間ほどは海の上にいたのかな...潮とイケスの魚の数を見て、「もういいね」、と帰路につく。ちょっと操船させてもらう。

実は昔、四級小型船舶と言っていたころに僕も免状をとったことがある。

ただ、使う機会がないので更新せず、失効しているんだけど。

ちなみに、まったく経験ないので、まったくの素人だけど。

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ほんとうにフカセやってたらリリースする小鯵なんだけど、実は美味しいんだよね。

ただ、持って帰っても食べるのは僕一人なので、ちょっといいサイズのメバル1尾と、アジを5尾もらう。

ふぅ...面白かった。

やっぱり海はいいな~

今日は竿も借りて、クーラーは前夜に釣具屋で7Lの小さなクーラーを買って持っていく..フローティングベストはファスナーがほぼすべて塩噛みしてポケットがあかない、という状態ではあったけど、まぁそんな感じでとりあえずはいいかな。

引き続き車がないとかいろいろ障壁あるけれど、そのうち、磯竿もって周防大島に行こう。

また友さんにも海の上に連れて行ってもらおう。

周防大島の海はほっとする。

メバルは塩焼きがいいよ、と友さんに勧められたので、それはそのまま実行した。

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で、フライパンで焼くしかないのでフライパンで丁寧にやいて、綺麗に焼けた、と思ったら、さらに移すときに落として、崩壊した...

アジは3尾をおろしてタタキに。

今日はしっかり時間もあったので、しっかり出汁をとって、大根と鶏もも肉の煮物、小松菜と竹輪の煮びたしを添えた。

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確かにメバル、めちゃくちゃ美味い!!

さて、また明日から働こう!

2013年6月 1日 (土)

ある日の食卓...大根の煮物

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料理というのは本当に面白い。

工夫すればしただけ味になって帰ってくる。

では、手を抜けば美味しくないか?というと必ずしもそうではなくて、素材自体が美味しければ手など加えない方が美味しかったりするから厄介だ...いや、面白い。

さて、大根を工夫してみた。

これまでに大根に煮物はいろいろ作っている。

今回のは、

①厚さ3cmほどに輪切りした大根を下茹で(お米と一緒に煮て、あくを抜く)。

②下茹でした大根の中央付近にあの手この手?で穴をあける。

③開いた穴に、鶏もも肉にハーブソルトと粗びき胡椒をふったものを詰め込む。

④今度は、ウェイパー、鶏がらダシ(粉末)を味を見ながらいれた中華スープで煮る。

⑤オイスターソース、醤油で味をつけ、塩で調える。

狙いは、鶏肉の脂、うまみを大根に吸わせながら、ちょっと和だしでばかり煮物にしている大根を中華スープで煮てみたらどうだろう、と試してみたもの。

もっとも、大根は薄切りだんざく形にしたものを中華スープに入れてよく食べているので、目新しいものではないが。

で、味。

思ったほどインパクトがなかった。まぁ美味しいけど。

以前作ったこっちはなかなかだった。

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こいつは凝っている。自分で言うのもなんだけど...

輪切りにした大根の皮をむいた後、そのまま皮をむくのと同じように周方向に厚さ5mm程度に向いていく。当然、ある程度でポキっと折れるが気にしない。

もう剥けない、というところまで行ったら、これをばらす。

中心側から、大根、豚ロース薄切り肉、大根、肉と巻き込んでいって...つまりばらした大根の間に豚肉をはさみながらもとに戻していくわけだ。

完成したら楊枝を3方向から刺して固定して、だし汁で煮る。

これは美味かった。豚肉のうまみ、脂が大根にしみこみ、なんとも...

ただ、作るのが面倒なので、そのあとは、たんに薄目に輪切りした大根の間に豚肉をハンバーガーのように層状に挟んで同じように似てみたが、このときは大根が質が悪かったこともあって、いまいちだった。

ひまなときにまた作ってみたい一品だね。見た目もいいでしょ。

また、和だしで大根を煮る場合、竹輪はいいね。味がよく出るので出汁を補強する。

あとはタコ。こいつもなかなか。

それとやっぱり鶏肉だね。脂身の多いもも肉がいい。

大根は安い時には一本100円を下回るので、非常に家計にやさしい。使わない手はない食材。なんとか工夫して、もっと美味しくいただきたいものだな~

ただし、味噌汁とかに入れて使っていると、いつまでたっても独り暮らしだと大根は減らない。ぞっとする。

なので、煮物がいいんだな。まとまった量消費できるからgood