羊の国でニジマスと...ニュージーランド旅行記その4 ~飲めもしないのに...ワイナリーツアー~
ミルフォードサウンドから帰って、時間もそこそこ遅いのだけれど、緯度が高い(南緯)ので、夜の7時とか8時くらいならまだなんとなく明るい感じ。
今日は何を食べようか...
ちょっとリーズナブルに、ということで、中華料理店に入る。
MEMORIES OF HONG KONG。
とくに香港に思い出も何もないのだが...
Jがオイスター、オイスターというので、オイスター、つまり夏季を頼んでみる。
前夜のムール貝は美味しかった。さて、牡蠣はどうかな?
う~ん...殻付で焼いてもらった方が嬉しいかな...そもそも、広島からよそに行って牡蠣を食べる、というのは、どうにも納得感が低いというか...
余談だけれど、北陸、東北あたりの夏の味覚、岩牡蠣。まぁ山陰あたりでもあるのだけれど。
これ、デカい。しかも、基本生。
広島生まれの広島育ちの自分としては、どうにもあの巨大な牡蠣にはなじめないところがあったりする。
とはいえ、そもそも子供のころは牡蠣が嫌いで、社会人になって、有名なかき船「かなわ」に行ってから、牡蠣のおいしさに気づいて、それから牡蠣は好きになった。
「かなわ」の牡蠣、高いのだけれど、食わず嫌い的に牡蠣が苦手な人は、おそらく牡蠣が好きになるのではないかな?たとえばあそこのカキフライを食べたら、もうファミレスや居酒屋のカキフライは食べれない。
と、とりあえず、そのような感じでカニ入りのスープやら、チャーハンやら食べて、二人で132NZドル。日本円で9000円くらい。
やはり物価の高いところだ。
クイーンズタウンの町から、モーテルに歩いて帰る。寒い。
でも、夜、安心して外を歩ける町、国はやはり素晴らしい。
さて、明けて翌日。
再びクイーンズタウンの町へ歩く。
ワイナリーツアーに予約している。
このツアー、現地で、現地の観光案内センター的なところで予約したもの。
英語ができる、というのは、本当に自由度が高い。
英語ができる人はそれが普通なのだろうし、勉強すればいいじゃないか、と思うかもしれないが、中学3年間、高校3年間、大学は何故か5年間...ずっと勉強してきた...というよりずっと苦しめられてきた英語。
今更なかなかキャッチアップできないのだな、これが。・・・もっとも勉強もしてないけど。
Jはまったく動ずることなく、すたすたとどこにでも入っていって、しっかりコミュニケーションをとって、目的を達成する。頼もしい。うらやましい。
集合場所に行ってみるのだが、バスは来ていない。
正確にいうと、次から次へといろいろなツアー会社のバスは来るのだけれど、肝心の申し込んだバスは来ない。時間も過ぎているのというのに。
Jが、観光案内センターに確認に行っていると、それっぽいバスが来た。
あわててJを呼びに行く。
どうにも、あちこちで客をピックアップしていたようで、それで遅くなったようだ。
前日のミルフォードサウンドツアーは日本人だらけのバスだったが、今度は我々以外は全員外人...いや、日本人以外だ。
のちのランチタイムにJがいろいろ話をしたところでは、1ヶ月の休暇をとってオランダ(だったと思う)から来ている人たち、アメリカで働いているインド人の聡明そうな女性などなど。
話ができれば楽しいのだろうけれどな。本当に語学は必要。
万一、ここを学生が見ているのであれば、今だからこそ勉強に時間を使うことができる。英語は仕事や私生活の幅を広げ、奥行きを広げる。絶対に勉強しておいた方がいい。もう、すべてが日本の中だけで済ませることができる時代じゃないんだよ。
バス中でのガイドさんの話は英語なので、僕はほとんど何を言っているのか分からない。
ときどきJに確認したり、積極的にJが教えてくれたりするけれど、やはり空気が伝わらないよね。
ダイナミックな渓谷沿いを走り、ワイナリーへ向かう。
さて、Jなら、行ったワイナリーをすべて記憶しているはずだが、そもそもアルコール耐性が極めて低い僕のこと。執着心をもってワイナリーの名前は覚えられない。
最初に行ったところは、ここ。
また余談だけれど、うちの実家は祖父祖母の代までは農家で、家の周りにはみかん、葡萄、桃の畑などがそれなりにあった。
だから、葡萄棚はよく知っているのだけれど、このあたりの葡萄棚はちょっと違っていた。
低い。とにかく葡萄の樹が低いのだ。
実家にあった葡萄棚は、大人だと立って歩くのはちょっとしんどいが、それでも棚の下に立ち入って、下から葡萄への農薬塗布や袋掛け、収穫などをしていた。ここではそもそもスタイルが違うのかな。樹がまだ若いだけなのか...それにしても背の高い葡萄の樹は見かけなかったけれど。
移動して、ダム湖を回り込んだこれまた風光明媚なワイナリーに到着する。
そしてランチ。
ちょっとだけ分かったようなふりをしながら、なかなか美味しいソーセージやパテを頬張る。
うん、美味い。
ワインも飲めないので、ニュージーランド産のベリー系の炭酸飲料をいただく。これまた美味い。
でも、ワイナリーだし、ワインも美味しいものがあるのも最近分かっているので、テイスティングは実は一通りしているんだよね。
新世界ワイン。フランスやイタリアなどのワインに比べて、少しフレッシュな特徴のあるニュージーランドワインは、結構おいしい。これでアルコールが入っていなければ...(笑)
ランチをとったRESLINGのワイン。2件目で、ちょっとずつ口に含んで飲んでいるだけなのに、すでに酔ってきたかも...
広がる葡萄棚。
芝生と青空に映えるお洒落な白。
一人なら訪ねなかったはずのワイナリー。
二人で来たので、ニュージーランドのこういう顔も見れた。
価値観が違うと、男女の関係が難しい。それはもう痛感してきた。まだ決着つかずに苦しんでいる。
けれど、違う価値観の男女が一緒にいれないか、というと、それは違う。
違う価値観や違う文化を持っているものが一緒にいるからこそ、それぞれが世界を広げることができる。
ワイナリーもそう。
後に語るこの旅の僕の大きな目的だったフィッシングもそう。
何が大切か?
理解しようとする姿勢、相手の価値観を楽しめるかどうか?
それには、価値観ではなくて、そのベースにある心の素地、その礎、相手の礎が自分の礎にもなり得るか?馴染むことができるか?
それは、男女間だけではないのだろうけれど、男女間はそこに愛だ恋だという言葉の枠が掛かってくるから難しい。
難しいね。ほんとうに。
次のワイナリーに移動する。
ふと、野生のタイムの花の群生。
タイムというハーブの花自体を初めて見たのだけれど、その野生の群生はなかなか圧巻。
Jが特に希望して、通常のツアーには入らないワイナリーへ向かう。
ここは倉庫群に囲まれていて雰囲気は今一つだったけれど、Jの好きなスパークリングワインを揃えているワイナリーQUARTZ REEFだ。
なかなか美味しいスパークリングワイン。Jがあれこれと悩んでいるので、ミドルクラスの値段帯のスパークリングワインを僕からプレゼント。
さらに次のワイナリーへ。
ワイナリードッグのお出迎え。
今は寝そべって、我々のような来訪者がお腹を撫でても、気持ちよさそうにしている。
外に出たら、ひたすらに広がる葡萄畑や野山を駆け回る。犬に生まれるなら、こういうところで生まれたいね。リードを離すことすら許されない、日本の街中で飼われる犬になんてなりたくない。
・・・いや、犬だけじゃないよな。人間として生きるのだって、こんなところで生きた方が幸せに決まってる。
クイーンズタウンの町に戻る。
今夜は予約していたクイーンズタウンの本命レストランGANTLEYSで晩餐だ。
クイーンズタウンの町から車で30分ほど走った山の中にある、庭の綺麗な、このあたりではおそらく味も価格帯も一番の店。
送迎のタクシーが少し早く着いたので、自慢の庭を散策する。
暗くて見えにくいけれど、レンガ、暖炉、落ち着いたお洒落な店内。
そして美しく、美味しい料理。
スモークサーモンなどの前菜。
しかし何より、僕を虜にしたのがベニソン(鹿)
少し前に東京でトナカイを食べて美味しかったのだけれど、このベニソンはもっと美味い。
歳をとったからか、あまり脂ののった肉は好まなくなってきているのだけれど、脂分が少なく、かつ固くもなく、味のしっかりとした鹿肉にはすっかり嵌ってしまった。
この日以来、僕は鹿類...とひとまとめにしてはいけないかも知れないけれど、鹿、トナカイ、エゾシカなど、積極的に求めていたりする。
220NZドル、つまり二人で15000円のこのディナーは、決して高くない。
クイーンズタウンに行くなら、きっちり予約して、確実に行きたい店だと思う。
そして、夜が更け、朝を迎える。
圧倒的なニュージーランド南島の風景を眼下に、クライストチャーチへ戻る。
そこは、震災で崩壊し、いまだ癒えきらない、そう、当たり前のように癒えきらない、そして復活のために必死で頑張っている街だった...
to be continue...
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